見出し画像

【英文法の小径】非難・不満〈助動詞〉

可能性を表す could と might は、提案/助言を行う場面で用いられることがあることを前回(提案・助言)確認しましたが、文脈によっては、相手を非難する表現になることもあります。

a.  Well, you could try to look a little more enthusiastic!
b.  You could have told me you were going to be late!

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/could 
https://www.ldoceonline.com/dictionary/could 

a. のような文で話し手は、ある行為を実行することが(その気になれば)可能なのに、相手がそれをしていない状況に対して、非難/不満を表明している。a.「もう少しやる気のあるところを見せようとしてもいいんじゃない」

b. の[could have + 過去分詞]という形式は、実現しなかった過去の可能性を表すことがある(may/might/could・その五)。それが転じて、過去において実行可能だったこと(この例では、連絡をくれること)を実行しなかったことに対する非難を表す場合もある([should have + 過去分詞]に近い)。b.「遅れるなら遅れるって言ってくれたらよかったのに」

c.  You might at least say thank you.
d.  Honestly, you might have told me!

https://www.ldoceonline.com/dictionary/might 
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/might_1 

ここでの might も提案の場合と同じく可能性を表すもの。明示的には「少なくとも、ありがとうくらいは言うかもしれないね」という意味。ただし、(提案の場合には、その前提として「ためになるから」という理由があったけれど)、ここで前提となっているのは「そうするのが当然だから」というもの。ところが、(当然してもよいことを)相手がしないでいるため、結果として非難を表すことになる。c.「せめて、ありがとうくらいは言ってもいいんじゃない」

d. の[might have + 過去分詞]は[could have + 過去分詞]と同じ使い方。d.「まったくもう、教えてくれてもよかったじゃない/どうして言ってくれなかったの」

e.  If you must smoke, please go outside.
f.  Must you spoil everything?

https://www.ldoceonline.com/dictionary/if-you-must-do-something 
https://www.ldoceonline.com/dictionary/why-must-you 

'if you must …' という表現は、相手に許可を与えはするけれど、話し手がその行為をよく思っていない/賛成でないことを伝えるときに用いる。このときの  must は、 「どうしても〜する(と言い張る)」「〜しないと承知しない/気がすまない」といった日本語に相当するもので、(強い必要性⇒)固執/主張を表す。e.「どうしても吸いたいと言うのなら、外でお願いします」

この must を疑問文で用いたのが '(why) must you …?'  という表現で、「どうしても〜しなければならないのか/〜しなければ気がすまないのか」。後には話し手にとって不愉快な行為が続くため、話し手の苛立ちや怒りを表すことになる。r.「何でも台無しにしないと気がすまないの?」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?