【英文法の小径】依頼・要請〈助動詞〉
人に何かをしてもらいたいとき、もちろん程度の差はあるけれど、誰でも遠慮を示しながら頼むもの。それは英語でも日本語でも変わらない。問題は、どうやって遠慮を表現するのかということ。
Will/Would you give me a hand with this?
一つには、相手の意志の有無を確認する方法がある。意志を表す助動詞 will の出番だ。
丁寧さを増したければ、will の代わりに would を使う。一般的に、would, could, might といった過去形助動詞を用いると表現が間接的/婉曲的になるため。
Can/Could you turn that music down a little?
第二の方法として、相手がそれをすることが可能かどうかをたずねる形。could を用いた方がより丁寧になる。
いずれの場合も疑問文を用いるのは、相手に断る自由があるように見えるため。丁寧な依頼・要請は典型的には疑問文の形をとる。
さらに丁寧さを増すには possibly や by any chance のような語句を付け加える。いずれも「ひょっとして」という意味で、これらを用いると話し手のためらいがちな気持ちを表すことになるためだろう。
あるいは、Do you think …? や I wonder … のような表現で始める形もある。仕事のシフトの代わりをお願いしている文(c.)及び、観光情報を求めている文(d.)では、それぞれ 'Could you cover my shift for me?' や 'Could you give me some information about places to visit in the area?' に比べて、より遠慮深さが表現されている。
なお、許可を求めるというのは、自分が何かをすることを相手に認めてくれるように頼むことなので、これも依頼の一種です。許可を求めたり与えたりするときに用いる表現については、こちらを参照してください。
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