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エドゥアール・マネ / メトロポリタン美術館
【英文法の小径】現在完了形〈時制〉その十三
アメリカ英語では、イギリス英語なら〈現在完了形〉を用いるような文脈で、〈過去形〉を用いることもあります。
a) I’ve lost my car keys.
b) I lost my car keys.
過去に起こったことを述べながら、その現在の結果を暗に伝える場合(現在完了形・その一)、あるいは相手の知らない新しい情報=ニュースを伝える場合(現在完了形・その三)。「車のキーを失くして、今持っていない」イギリス英語なら a)、アメリカ英語では a) または b) を用います。
c) I’ve just had lunch.
d) I just had lunch.
現在までの期間に起こったことについて、just や already, yet を共に用いて述べる場合。「ちょうどランチを食べたところ」イギリス英語なら c)、アメリカ英語では c) または d) を用います。
e) I’ve never seen her before.
f) I never saw her before.
現在までの期間に起こったことについて、ever や neverを共に用いて述べる場合。「彼女に一度も会ったことがない」イギリス英語なら e)、アメリカ英語では f) を用いるのがふつうですが、e) を用いることもあります(過去形・その三)。
ちなみに、このイギリス英語とアメリカ英語のちがいについては、アメリカ英語の〈過去形〉はイギリス英語の〈現在完了形〉の代用、言い換えると、アメリカ英語の〈過去形〉=イギリス英語の〈現在完了形〉と考えるべきではなく、イギリス英語とアメリカ英語とでは、話し手によるものごとの見方が異なるのだと考えるべきだという意見もあります。