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【英文法の小径】申し出・勧誘〈助動詞〉

申し出や勧誘を表す文でも、依頼・要請の場合と同じように、助動詞の will や can がよく用いられます。

a.  I’ll give you a lift to the station.
b.  Can I do some shopping for you?

will を用いた文(a.)では、相手のためになるような行為をする意志をはっきり示すことによって、can を用いた文(b.)では、自分にはそのような行為をすることが可能であることをそれとなく知らせることによって、助力の申し出をしている。a.「駅まで乗せていってあげますよ」b.「買い物に行ってあげましょうか」

c.  Will you join us for lunch?
d.  Won’t you have a seat?
e.  Shall I call her tomorrow?

意志を表す will を用いると、例文(c., d.)のように、相手の意志の有無をたずねる形で、間接的に、ある行為をするように勧めることもできる。Won’t you …? の方が、勧誘の気持ちが強い。相手に肯定の返事を期待する感じを与えるため。c.「一緒にランチでもどうですか」d.「お座りになりませんか」

例文(e.)の 'Shall I …?' は、主語は一人称(=話し手)だが、聞き手である相手の意志/考えをたずねる形で、申し出の表現として用いられる。e.「私から彼女に電話をしましょうか」

f.  You must come and see us again.

must =「ねばならない」という捉え方では、(f.)のような文の真意をつかみ損ねることになるかもしれない。もちろん、ここでの must は「義務」を表すもので、’You must …’ は本来、命令になりますが、相手に「ぜひ〜してください」と熱心に勧める場面でもよく使われます。このとき、’You must …’ は話し手の強い希望を示すことになるため、決して無礼な言い方ではありません。例文では、招待を表す表現として用いられていると言えるでしょう。f.「ぜひまた会いに来てくださいね」

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