【英文法の小径】現在完了進行形〈時制〉その七
過去に始まって、今でも続いていることについて述べることができるという点では、〈現在完了進行形〉も〈現在形〉や〈現在進行形〉も同じ。ちがいは何だろう?
〈現在形〉の用法の一つに、習慣的な行為を表わすというのがあるけれど、習慣とは過去のあるときに始めて、繰り返し行ううちにきまりのようになったもののことだ。また、〈現在進行形〉は現在起こっている最中のこと、言い換えると、今より前に始まり、まだ終わっていないことを表わす。
1. We’ve been waiting for an hour.
今でも継続していることについて、その期間を示す表現と共に述べるときには〈現在完了進行形〉を用います。「1時間待っている」という日本語につられて、つい We’re waiting for an hour. などと言ってしまいそうですね。
Hurry up! We’re waiting.
人を急かして「みんな、待っているんだから」というのであれば、〈現在進行形〉でかまいません。
2. I’ve been taking piano lessons every week, but …
習慣とは基本的に変わらないものだが、何らかの事情で変えざるをえなかったり、自ら変えたいと望んだりすることもある。例えば、これまで週一で受けてきたピアノのレッスンを、学業を理由に、これからは隔週に変更するような場合( …, but I think I’ll make it every two weeks from now on)。
今まで継続してきたことが、もうすぐ終わりそうである、あるいは今後変わる可能性があるような文脈では、〈現在完了進行形〉を使うのがふつうです。
I take piano lessons every week.
もちろん、単に現在の習慣について言うのであれば〈現在形〉を用います。
1と2のいずれの場合でも〈現在完了進行形〉を使うのは、この形が〈現在形〉や〈現在進行形〉とは異なり、(これまでの期間全体を含めて)「今まで」というところに焦点があるためでしょう。