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ポール・セザンヌ / メトロポリタン美術館
【英文法の小径】現在完了形〈時制〉その六
Have you ever eaten insects?
Haven’t we met before?
‘have you … eaten’ ‘haven’t we met’ とあって、どちらも〈現在完了形〉の疑問文。過去のことを述べるのに〈現在完了形〉を用いるとき、話し手の頭にあるのは、過去の特定の時点や時期ではなく、過去から現在まで広がる時間。そして、その期間内に起こったこと、あるいは起こらなかったことについて述べるのだ。
なので、〈現在完了形〉と一緒に使う表現は、現在までの時を示すことはできても、はっきりしないものが多いようです。ever は at any time(「いつであっても」)の意味で、いつなのかは問題とされない。before は at an earlier time (「より前に」)というだけで、いつなのかわからない。というように、いずれも明確な時を示しません。
ちなみに、[Have you ever + 過去分詞 …?]は、人に経験の有無をたずねるときの決まり文句。もちろん、話し手は相手が生まれてから現在までの期間について考えています。
Helen has already seen the film.
George hasn’t got up yet.
already と yet は、正反対のこと、一方は、すでに起こったこと、もう一方は、まだ起こっていないことについて述べるときに使いますが、両方とも、今=話をしている時点までの、判然としない時を指します。その点では、ever や before と同じですね。