【英文法の小径】未来表現・その十三
前回、時や条件を表わす副詞節の中で〈現在形〉が未来の時を指す場合について確認しましたが、未来に言及する〈現在形〉が用いられる副詞節は、時や条件を表すものに限られるわけではありません。
例文の従属節はいずれも副詞節ですが、意味は例文 1. が「比較」(〜よりも)、2. が「目的」(〜の場合に備えて)、3. がいわゆる「譲歩」(AであろうとBであろうと)を表しています(ちなみに、英文法の説明で使われる「譲歩」という用語は、日常語の「譲歩」とは意味が異なります)。
さらにこれらの例文から、副詞節だけではなく、形容詞節(例文 4)や名詞節(例文 5~10)の中でも、未来のことを述べるのに〈現在形〉を用いることがあるのがわかります。例文に関する簡単な注を付けておきます。
例文 5, 6, 9 では、従属節の先頭にくる that が省略されている
6. I bet = I'm sure (bet は「賭ける」)
7. it doesn't matter = it is not important
8. take care = be careful
9. make sure (that)「必ず〜するようにする」
10. see = make sure(この意味では通常 'see (that) ~')
主節の内容が未来に言及するものである(典型的には述語動詞が〈will + 原形〉になる)場合、時にはそうでない場合(例文 7)であっても、多くの従属節において未来の時を指す〈現在形〉が使われると言えそうです。