「光る君へ」への長い道のり ~『第22回 「越前の出会い」振り返り』(その4)(ネタバレ)~[3242文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第22回『越前の出会い』 の振り返り、その4です。
※以下より、第22回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第22回をご視聴ください🙇。
■[第22回『越前の出会い』 振り返り]その4
内裏ー。
まひろが書いた為時〔岸谷五朗〕からの文を受け取った道長〔柄本佑〕は、陣定で、中納言・実資〔秋山 竜次〕、検非違使別当・公任〔町田啓太〕、斉信〔金田哲〕、源俊賢〔本田大輔〕、道綱〔上地雄輔〕らと話し合う。
実資「うむ・・・。この件、わが国の法で異国の者を裁けるのであろうか・・・」
公任「これを機に、宋国に追い返すのがよろしいかと存じます」
斉信「藤原為時は優秀だから越前守に替わったのでしょう。為時に任せておけばよいのではありませぬか」
源俊賢「式部省に属していた男が、殺人の裁きができるとも思いませぬ」
道綱「だよね」
源俊賢「されど殺人を見逃すのもどうでありましょうか。殺されたのは、わが国の者にございます」
道綱「だよね」
公任「左大臣殿はいかがお考えか?」
道長「明法博士に調べさせた上で、お上にお伺いいたす。陣定で諮れと仰せになれば、いま一度、議論いたそう」
立ち上がり、執務部屋に戻る道長。
机に広げた越前からの文を取り上げる。そこにはまひろの文字。ため息をつく道長。
高松殿を訪ねた道長は、明子〔瀧内公美〕に話しかける。
道長「お前の父も左大臣であったな」
明子「父が左大臣だった頃のことは、私は幼くて覚えておりませぬ。ただ父が失脚しなければ、兄が左大臣であったやもしれぬと思ったことはございます。されど、このごろ思います。兄に左大臣は務まるまいと」
道長「俺とて務まってはおらぬ。俺の決断が国の決断かと思うと・・・」
明子「殿に務まらねば、誰も務まりませぬ」
道長「近頃、口がうまくなったな」
明子「私は変わったのでございます。明子敵である藤原の殿を心からお慕いしてしまった。それが私のただひとつのもくろみ違いでございました」
道長「ほう・・・。もくろみどおりであれば・・・、俺は生きていなかったのだな」
明子「(微笑んで)されど殿は生きておいでです。こうなったら、殿のお悩みもお苦しみも、全て私が忘れさせてさしあげます。私が全て」
道長が持っていた盃を取ると、明子は盃の酒を飲み干して道長を押し倒す。
明子「殿にもいつか、明子なしには生きられぬと言わせて見せます」
道長に体を重ねる明子。
内裏ー。
ナレーション:「実資に代わって、今は公任が検非違使別当になっている」
公任「道長。大宰府に向っているはずの伊周が都に戻ったらしい」
道長「何だと!?」
公任「多分、病の母親に会いに来たのだろう。どうする?」
道長「ああ・・・」
公任「左大臣に聞くなどせずに、とっとと高階明順の屋敷をあらためればよいのだが・・・俺って優しいからな。お前は行かないな」
道長「うん。公任に任せる」
公任「苦手だな・・・。こういうの」
高階明順邸ー。
伊周〔三浦翔平〕が屋敷の廊下に姿を現す。
伊周「母上・・・」
公任と検非違使たちが立ちふさがる。
公任「ここから先は通れぬ。速やかに大宰府に向かえ」
伊周「ここまで来たのだ・・・。せめて顔だけでも見せてくれ。母は俺に会いたがっておる」
公任「ならぬ」
跪く伊周。
伊周「頼む・・・」
ため息をつき、しゃがむ公任。
公任「分かった。別れを告げてまいれ」
伊周「すまぬ・・・」
立ち上がって歩き出す伊周。そこにききょう〔ファーストサマーウイカ〕が来る。
ききょう「ただいま御母君、お隠れになりました」
貴子の亡骸を見つめる定子〔高畑充希〕。
公任に連れられ、ふらふらと歩く伊周は、足を止め、庭の向こうに目を向ける。御簾の上がった部屋に、貴子の亡骸。
庭に下りた伊周は部屋に近づくが、放免たちに止められる。
色の無い貴子の顔。血走った目に涙を浮かべ、歯を食いしばる伊周。
朝ー。道長は、高階明順邸に定子を訪ねた。
廊下で足を止め御簾越しに頭を下げる道長。
道長「この度はなんとお悔やみ申すべきか、言の葉も浮かびませぬ」
定子「喪に服しておるこの身をいとわず、左大臣殿、御自らお越しとは痛み入ります」
道長「亡き義姉上には、幼き頃からお世話になりましたゆえ」
定子「帝の御心に背き続けた兄の所業、許してください。道長殿、近くへ来ていただけませぬか」
ハッとして、ききょうが定子の方を見る。
ききょう「中宮様・・・」
定子「お願いします」
御簾をあげるききょう。廊下に控えた道長。めくられた几帳の奥に定子。
定子「帝のお子をみごもっております。父も母も逝き、兄も弟も遠く、高階に力はなく・・・。帝やお子をこの先、どうやって生み育てていけばよいのか、途方に暮れております。左大臣殿、どうか・・・どうかこの子を、あなたの力で守ってください。私はどうなってもよいのです。されどこの子だけは・・・」
歯噛みする道長。
清涼殿。一条天皇〔塩野瑛久〕と御簾の向こうの道長。
一条天皇「なんと・・・」
道長「間もなく、ご誕生だそうにございます」
一条天皇「(立ち上がり)今から、高階の屋敷に行く」
道長「お上!なりませぬ。勅命に背き、自ら髪を下ろされた中宮様をお上がお訪ねになれば、朝廷にけじめはつきませぬ」
一条天皇「ならば、中宮を内裏に呼び戻す」
道長「朝廷の安定を第一にお考えくださいませ」
一条天皇「我が子まで宿している中宮に、朕は生涯会えぬのか!・・・生涯、会えぬのか」
道長「遠くからお見守りいただくことしかできませぬ」
越前・国守の館ー。
道長からの文を読む為時〔岸谷五朗〕。
為時「越前のことは越前でなんとかせよと・・・、左大臣様の仰せだ」
まひろ「左大臣様としたことが、随分と頼りないものでございますね」
為時「そのようなことを申すな」
役人「こらこら、こらこら・・・。待たんか!おい!待て!」
役人たちの制止を振り切って周明が、見知らぬ男を連れてやって来る。
周明「(日本語で)話があって来た」
為時は、「待て」と役人たちを止める。
周明「朱様は通事を殺してはいない」
日本語を話す周明。
周明「(連れて来た男を突き出す)証人だ」
瞬きがとまったまひろ。
次回、どうする宣孝(´-`)。
以上で『第22回『越前の出会い』の振り返り』は終了です(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。