コミック、ちょっと気になるセリフ(03)~皇帝ナポレオン~
「皇帝ナポレオン」(著:池田理代子)は、フランス革命の混乱の中から、青年軍人ナポレオンが台頭し、栄光を極め、そして没落し死に至るまでを描いたコミックです。
『ベルサイユのばら』の後日談的位置づけになるのでしょうか。フランス革命の理念が、英雄ナポレオンの野心によって消え、やがてナポレオンも没落し死んでゆく一大叙事詩的コミックです。
『ベルサイユのばら』の登場人物であるアラン・ド・ソワソンは、ナポレオンに自らの部下になる理由を問われ、剣をつきつけて言います。
「お前に興味がある。・・・というよりは お前がこのフランス共和国をどうするつもりなのか興味がある 革命の守護者なのか・・・ それとも反革命の野心家なのか・・・ 俺はお前の近くにいて それを監視してみたくなった」
そう言うアランに対し、剣先を指で払らってナポレオンは、
「よかろう! 私もずいぶんと買いかぶられたものだ!はっはっは・・・。教えておいてやるが 私の精神を育んだ父はルソーとコルネイユだ!」
と笑いながら答えます。(コルネイユってどういう意味だろ?😵💫)
第1巻の場面ですが、やがてくる二人の運命を暗示しているこのシーンはこの作品の名場面のひとつだと思います。
イタリア遠征を皮切りに激戦を重ねて、ナポレオンのもつ戦略家としての才能を認めていくアランは、腹心的位置でナポレオンを支えます。
このときの二人の活躍は、青年時代のナポレオンの最も輝いていた時期であり、心躍るものがあるのですが、次第に野心をむき出しにしてくるナポレオンに対し、ナポレオンは共和国の守護者にふさわしいのかと疑念を持ち始めるアラン。
アランの離反は同時にナポレオンの没落の始まりでもありました・・・。
全12巻の大作ですが、これを読んだら、もうナポレオンの伝記は読まなくてもいいかなとも思ってしまいます💦。
現在、Kindle Unlimitedなら、1巻が無料で読めます。
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