[学者・軍人・政治家]【20】マルヌ会戦01[1827文字]
核兵器のある世界はどういう経緯で出来たのか、歴史の流れをたどっていくシリーズの20回目です。
前回は、東部戦線でロシア第1軍をドイツ軍が撃退する第一次マズーリ湖攻勢まででした。
今回は、西部戦線で、パリ目前まで迫ったドイツ軍をフランス・イギリス軍が反撃し、ドイツ軍の「シュリーフェン計画」が破綻するマルヌ会戦まで、です🙂。
尚、物理学をはじめとする様々な専門的または難解な話は、ボクに基礎知識すら無いため😵💫、ご質問されてもお答えできませんのでご了承ください。
パリ防衛司令官のジョゼフ・ガリエニ将軍は、ドイツ軍との戦闘でドイツ士官から得た地図から、ドイツ軍の中でも最右翼に位置する第1軍(ベルギーを通過し、フランスに侵入)が、進路変更を行い、パリの東側を通過しようとしていることを知った。
ドイツ第1軍指揮官クルックは、進路変更によって、ドイツ第2軍との間に空いた隙間を埋めようとしていた。
この隙間をフランス軍に突かれ侵入されたら、第1軍、第2軍は、側面から攻撃を受けることになるためである。
ガリエニ将軍はジョッフル陸軍最高司令官に、後退をやめてドイツ軍への反撃にでることを進言したが、セーヌ川までの全軍撤退を考えていたジョッフル陸軍最高司令官は、その主張を受け入れなかった。
9月3日。ドイツ第1軍は、パリ東側を通り、マルヌ川に達した。
9月4日。ガルエニ将軍はジョッフル陸軍最高司令官を説得し、この日の夜遅くに、ジョッフルはイギリス・フランス軍の後退を中止し、大規模反撃作戦を9月6日に実施する命令を出した。
9月6日。フランス軍はドイツ軍に対し、反撃作戦を実施する。
パリからの反撃を無いのもと思い込んでいたドイツ第1軍は、東からのフランス第1軍と、ガリエニ将軍率いる西(パリ)からの第6軍の二方面からの攻撃を受ける。
虚をつかれたドイツ第1軍に、ガリエニ将軍は、パリからの増援部隊を次々に投入していく。
この時、パリのタクシーやバスが、輸送手段として投入された。
(ルノー製タクシー600台が投入され、1台のタクシーに5人の兵士を乗せて前線まで2往復し、都合6000人の兵士を前線に送り届けたという)
ドイツ第1軍とドイツ第2軍との間に空いた隙間に、イギリス大陸派遣軍が侵入し、ドイツ第1軍を包囲する形となった。
9月9日。ドイツ参謀総長モルトケは、全軍に撤退を命じた。
9月12日。ドイツ軍はエーヌ川まで撤退を完了する。
9月14日、ドイツ皇帝ヴィルヘルム二世は、参謀総長モルトケを更迭した。
「シュリーフェン計画」は破綻した。
参考・引用資料:
●「シーベルトとベクレル」 山崎岐男著
●「キュリー夫人伝」 エーヴ・キュリー著
●「キュリー夫人と娘たち」 クロディーヌ・モンテイユ:著
●「プルトニウム」 ジェレミー・バーンシュタイン著
●12月1日 「ウラン」の発見者マルティン・クラプロート誕生(1743年)(ブルーバックス編集部) | ブルーバックス | 講談社 (gendai.media)
●エックス線物語 馬場祐治 著
●「核エネルギーの時代を拓いた10人の科学者たち」 馬場祐治 著
●「原子爆弾」 内山克哉 著
●「大気を変える錬金術」 トーマス・ヘイガー 著
●「毒ガス開発の父ハーバー 愛国心を裏切られた科学者」 宮田 親平 著
●「リーゼ・マイトナー 核分裂を発見した女性科学者」 マリッサ・モス 著
●「核分裂を発見した人: リーゼ・マイトナーの生涯」 シャルロッテ ケルナー 著
●「リーゼ・マイトナー: 嵐の時代を生き抜いた女性科学者 1878-1968」 R.L.サイム 著
●「第一次世界大戦史」 飯倉 章 著
●「毒ガスの夜明け」 井上 尚英 著
●「八月の砲声」 バーバラ・タックマン 著
●「第一次世界大戦」 木村靖二 著
●「勃発! 第一次世界大戦」 山崎 雅弘 著
●「第一次世界大戦の歴史 大図鑑」 H・P・ウィルモット 著
●「日本人のための第一次世界大戦史」 板谷敏彦 著
●「オットー・ハーン自伝」 オットー・ハーン 著
●「ヒトラー(上):1889-1936 傲慢」 イアン・カーショー 著
●「ヒトラー: 虚像の独裁者」 芝 健介 著
●「マルヌの会戦」 アンリ・イスラン 著
●放射線医学の歴史 (radiology-history.online)
●原爆と放射能のイメージ 中尾麻伊香 著
●リエージュの戦い Wikipedia