「光る君へ」への長い道のり ~『第41回 「揺らぎ」振り返り』(その4)(ネタバレ)~[3135文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第41回『揺らぎ』 の振り返り、その3です。
※以下より、第41回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第41回をご視聴ください🙇。
■[第41回『揺らぎ』 振り返り]その4
藤壺ー。御簾の外に道長〔柄本佑〕。
道長「敦康様は、既に元服された立派な大人にございます。これまでにように、お会いになるのは、いかがなものでございましょうか」
彰子〔見上 愛〕「左大臣は、何を気にしておる?」
道長「敦成様と敦良様をお慈しみくださいませ」
彰子「そうしておる」
道長「今よりなお、お慈しみくださいませ。では(頭を下げ、去っていく)」
険しい顔で一点を見据えた彰子。
御簾を巻き上げるまひろ〔吉高由里子〕。
彰子「父上は、敦康様を、はじき出そうとされておられるのだろうか?」
まひろ「敦成様を東宮とされたゆえ、敦康様のご様子が、気になられるのではないでしょうか?中宮様と皇子様方のお幸せを心から願っておられると存じます」
彰子「それは分かっておる。されど‥‥この先も父上の意のままになりとうはない」
まひろ「ならば、仲間をお持ちになったら、いかがでございましょう」
彰子「仲間?」
まひろ「中宮様には、弟君は大勢おられましょう。皆で手を結べば、できないこともできます。中宮様がおひとりで、不安になられることもなくなりましょう」
御簾越しに控える頼通〔渡邊 圭祐〕、教通〔姫小松柾〕、頼宗〔上村海成〕、顕信〔百瀬朔〕。
頼通「どうなされたのですか?姉上」
彰子「私は早くに入内したゆえ、そなたらとは、縁が薄い。それも寂しいと、このごろつくづく思うようになったゆえ、こうして声をかけた。皆よく集まってくれた。礼を言います」
ナレーション:「彰子は、この日、腹違いの弟たちも藤壺に呼んでいた」
頼宗「我らもお招きいただき、ありがたき幸せにございます。弟の顕信にございます(顕信、頭を下げる)」
彰子「よう来てくれた」
教通「そういえば、小さい頃、姉上とお話しした覚えがありませぬ」
彰子「私は口数の少ない子だったゆえ。でも、教通のことはよくお覚えておる。かけくらべの好きな子であった」
教通「母上が喜ぶので、そういうことにしておいただけでございます」
彰子「そなたらが困った時は、私もできる限りのことをするゆえ、東宮の行く末のために、皆の力を貸してほしい」
頼通「もちろんでございますよ、姉上」
彰子「我らは父上の子であるが、父上をおいさめ出来るのは、我らしかおらぬとも思う。父上のよりよき政のためにも、我らが手を携えていくことが大切だ」
頼通・教通・頼宗・顕信「はい」。
ナレーション:「こののち、彰子は枇杷殿に移り、藤壺には、三条天皇の女御となった、妹 妍子が入った」
敦明親王〔阿佐辰美〕の話を、御簾越しに聞いている妍子〔倉沢杏菜〕。
敦明親王「うさぎは小さいながら、右へ左へと逃げ足が速く、これを追って駆り立てるのは、また格別の面白さがございます」
妍子「狩りがお好きなのね」
敦明親王「はい」
妍子「もっと狩りのお話を聞かせて」
敦明親王「狩りはこちらの動きを、獣に悟られてはしくじります。風下から音を立てずに近寄って‥‥一気にしとめる!極意はこれにつきます」
御簾の外に出た妍子。
妍子「好き」
敦明親王「あ‥‥おやめくださいませ」
妍子「だって、敦明様も、延子様より、私の方がお好きだもの」
娍子「そこまで!」
鬼の形相の娍子。
妍子「何しに来られたの?邪魔なさらないで」
娍子「申し訳ございませぬ。我が息子が無礼を働きまして、お許しくださいませ」
敦明親王「母上‥‥。私は何もしておりませぬ」
娍子「黙りなさい。事もあろうに、御父上の、帝の女御様になんということを」
敦明親王「母上は、私をお疑いになるのですか?」
娍子「どうぞお許しください(頭を下げる)」
妍子「もういいです」
御簾の中に戻る妍子。
娍子「どうか、このことは、帝には仰せにはなりませぬよう、伏してお願い申し上げます(頭を下げる)」
敦明親王「母上!」
清涼殿ー。
三条天皇〔木村達成〕「藤原通任を参議に任じようと思う」
道長「え。(控えている通任を見る)通任は、半年前に蔵人頭になったばかりにございます。たった半年で、参議にするというのは、いかがなものでございましょうか」
三条天皇〔木村達成〕「娍子の弟ゆえ、取り立ててやりたいのだ。左大臣も息子たちを取り立てておるではないか。朕は左大臣の息子、教通《のりみち》も、そばに仕えさせておる。故に、通任も参議にしてよいではないか。通任の務めておった蔵人頭が空くゆえ、そなたと明子の間の子、顕信を蔵人頭にしてやろう。それならば、よかろう」
道長「ありがたきお言葉にございますが、顕信に蔵人頭は、早いと存じます。まだお上をお支えするような力は、ございませぬ」
高松殿ー。
顕信「父上。私は蔵人頭になりとうございました」
道長「焦るな。今は帝に借りを作ってはならないのだ」
明子「殿は、顕信より、ご自身が大事なのですね。参議への近道である蔵人頭への就任を、父親が拒むとは。信じられませぬ」
道長「顕信のことは、ちゃんと考えておる」
明子「偽りを申されますな。出世争いにならぬようにと、殿は私の子にばかり、損な役割を押し付けてまいられました。どの口で、顕信《あきのぶ》のことも考えておるなぞと、仰せになるのでございますか」
顕信「私は、父上に道を阻まれたのですね。私は、いなくてもよい息子なので、ございますね」
道長「そのようなことは‥‥」
明子「許しませぬ!帝との力争いに、この子を巻き込んだあなたを、私は決して許しませぬ!」
土御門殿ー。
百舌彦「と‥‥殿!」
百舌彦が駆け寄る。
百舌彦「比叡山の僧、慶命が火急の用と言って、来ておりますが」
道長「比叡山?通せ」
百舌彦「はっ」
慶命の前に座る道長。
慶命「早速、お目通りをお許しくださり、かたじけのう存じます」
道長「挨拶はよい。火急の用とは何だ」
慶命「藤原顕信様、本日、ご出家あそばしてございます」
高松殿ー。
明子「あなたが顕信を殺したのよ!」
道長に、つかみかかる明子。
以上で『第41回「揺らぎ」』の振り返り』は終了です(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。