スウェーデンのエテボリーに着いて5日目、8月8日ー。
この日は、午後1時までの練習を許可されたため、絹枝は午前11時から練習に出かけている。
800mの軽いウォーミング・アップを試み、ちょっと苦しいなという感想がしたという。
そしてスタートの練習に入った。
この日は日曜日であったからか、いつも通る森林公園は人でいっぱいになっていたと絹枝は記している。
当時、日本では日曜に家族そろって公園や郊外に遊びにでるという、健康的な余暇の過ごし方があまりされていなかったようである。
スウェーデンのエテボリーに着いて6日目、8月9日ー。
50メートル走の記録がよかったので、『うれしくて仕方ない』と記している。
絹枝が午後の睡眠をとっている間、マネージャーの黒田乙吉は、大会委員長のドクトル・リリエの元に赴いて、大会の出場申し込みを行い、各国の出場選手の近況などを聞いてきていた。
大会の競技プログラムはおおよそこのようなものだと、ホテルに帰ってきた黒田乙吉は絹枝に報告するのだった。
(※都市名は、人見絹枝自伝に記されているエテボリーに統一)
(敬称略)
■参考・引用資料
●『人見絹枝―炎のスプリンター (人間の記録)』人見 絹枝:著、 織田 幹雄 ・戸田 純:編集
●『二階堂を巣立った娘たち』 勝場勝子・村山茂代:著
●『はやての女性ランナー: 人見絹枝讃歌』 三澤光男:著
●『短歌からみた人見絹枝の人生』 三澤光男:著
●『KINUEは走る』 著:小原 敏彦
●『1936年ベルリン至急電』 鈴木明:著
●『オリンピック全大会』 武田薫:著
●『陸上競技百年』 織田幹雄:著
● 国際女子スポーツ連盟 - Wikipedia アリス・ミリア - Wikipedia