「光る君へ」への長い道のり ~『第33回 「式部誕生」振り返り』(その4)(ネタバレ)~[2254文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第33回『式部誕生』 の振り返り、その4です。
※以下より、第33回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第33回をご視聴ください🙇。
■[第33回『式部誕生』 振り返り]その4
内裏、藤壺ー。
物語の続きを届けにまひろ〔吉高由里子〕は藤壺を訪れた。
中宮・彰子〔見上 愛〕に挨拶をするため、廊下をゆくまひろを見た女房たちのひそひそ声。
「やめたんじゃないの?」
「遊びに来ただけじゃない?」
「え~?」
中宮・彰子の前に控えたまひろ。
まひろ「帝二お見せする物語が少し進みましたので、左大臣様にお渡しに参りました」
彰子「帝がお読みになるもの、私も読みたい」
まひろ「えっ」
彰子「帝がお気に召された物語を知りたい」
まひろ「これは続きでございますので‥‥。では、これまでのところを、手短にお話いたします」
まひろは彰子に物語のあらましを説明する。
まひろ「帝は忘れ形見の皇子を宮中に呼び寄せて、かわいがられますが、この皇子が物語の主となります。皇子はそれは美しく賢く、笛もご堪能でした」
彰子「帝みたい」
まひろ「まことに」
彰子「その皇子の名は?」
まひろ「あまりにも美しかったので、光る君と呼ばれました」
彰子「光る君‥‥。その皇子は何をするの?」
まひろ「なにをさせてあげましょう」
彰子「ん~‥‥」
道長〔柄本佑〕の執務部屋ー。まひろが道長に物語の続きを献上する。
まひろ「続きにございます」
道長「大儀であった」
紙の束をめくる道長。
道長「これで終わりか?」
まひろ「いえ、まだまだ続きます。これまで、わがままを申しましたが、お許しいただけるなら、改めて藤壺で中宮様の御ために、力を尽くしたいと存じます」
道長「まことか!ありがたいことだが‥‥どうしたのだ?よく気の変わる女子だな」
少し前に出て、道長に近づくまひろ。
まひろ「中宮様のお好きな色は、空の青らしゅうございます」
道長「青?」
まひろ「はい。中宮様のお心の中には、表に出てこないお言葉が、たくさん潜んでおるのやもしれませぬ。中宮様ともっとお話をしたいと存じました」
道長の頬が緩む。
藤壺ー。一条天皇〔塩野瑛久〕がやって来る。
「お上のお渡りにございます」
縁に並んで座り、ひれ伏す女房たち。
大納言の君「帝が藤式部に会いにいらっしゃるの?」
馬中将の君「中宮様にはご興味ないもの」
女房たちがひれ伏す中、藤壺の廊下を進む一条天皇。後ろに道長。座に就く一条天皇。中宮・彰子に声をかける。
一条天皇「彰子、変わりはないか?」
俯いたまま頭を下げる彰子。
一条天皇「藤原為時の娘、まひろであったか?久しいのう」
廊下で控えたまひろ。
一条天皇「『高者 未だ必ずしも賢ならず 下者 未だ必ずしも愚ならず』。朕の政に堂々と考えを述べたてる女子は、亡き女院様以外にはおらなんだゆえ、よく覚えておる」
まひろ「恐れ多いことにございます」
一条天皇「光る君とは、敦康か?」
まひろ「ないしょにございます」
一条天皇「あの書きぶりは、朕を難じておると思い腹が立った。されど次第に、そなたの物語が朕の心にしみいってきた。まことに不思議なことであった」
まひろ「は‥‥」
一条天皇「朕のみが読むには惜しい。皆に読ませたい」
まひろ「はい。物語は女子供だけのものではございませぬ」
道長の目が動く。俯いた彰子も、そっとまひろを見る。
まひろ「中宮様にもお読みいただければ、この上なき誉に存じます」
彰子の顔が微かにほころぶ。静かに見ている一条天皇。
後日、まひろに用意されたつぼねに道長がやって来る。
道長「褒美である」
まひろ「は‥‥」
道長「フッ‥‥。これからも、よろしく頼む」
立ち上がり出ていく道長。まひろの前に置かれた塗りの箱。蓋を開ける。中に檜扇。描かれているのは、出会った時のまひろと三郎。
まひろ「鳥が逃げてしまったの。大切に飼っていた鳥が」
三郎「鳥を鳥籠で飼うのが間違いだ。自由に空を飛んでこと鳥だ」
ふたりのそばに大空にはばたく鳥の絵。扇を胸にあてるまひろ。
大和国ー。
錫杖の音。祈とうする人々の声。
ナレーション:「大和から京の都を揺るがす一団が向かっていた」
土御門殿に、興福寺の別当・定澄が訪ねて来る。
道長「左大臣 藤原道長である。何事だ」
定澄「興福寺の別当の定澄にございます」
定澄は後ろで控えている慶理の方を向く。
慶理「興福寺の僧ら3,000は、既に木幡山にあつまっております」
定澄「我らの訴えを、直ちに陣定におかけくださいませ。それがならねば、この屋敷を取り囲み、焼き払い奉ります」
道長「やってみよ」
以上で『第33回「式部誕生」』の振り返り』は終了です(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。
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