「光る君へ」への長い道のり ~『第43回 「輝きののちに」振り返り』(その1)(ネタバレ)~[3180文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第43回『輝きののちに』 の振り返り、その1です。
※以下より、第43回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第43回をご視聴ください🙇。
■[第43回『輝きののちに』 振り返り]その1
ナレーション:「三条天皇と中宮 妍子の間に、待望の子 禎子が生まれたが、皇子ではなかった。道長の思惑どおりにはいかなかった。
更に内裏は火災になり、三条天皇は妍子と共に、枇杷殿に移った。そのため、枇杷殿にいた皇太后 彰子は、高倉殿に移ることとなった。高倉殿は、頼通の屋敷である」
高倉殿ー。
一同が控える中、座に就く皇太后彰子〔見上 愛〕。
彰子「敦康親王様、お久しゅうございます。ご機嫌麗しくお喜び申し上げます」
敦康親王〔片岡千之助〕「はい。おかげをもちまして、つつがなく、過ごしております。皇太后様、これなるは、妻の祇子にございます」
祇子女王「祇子にございます。お初に御意を得ます」
頼通〔渡邊圭祐〕「我が妻が、祇子女王様の姉というご縁で、我が屋敷に親王様にお渡りいただき、この頼通、一代の誉れと存じております。お望みのことがあれば、何なりと」
枇杷殿ー。
三条天皇〔木村達成〕と道長〔柄本佑〕、道綱〔上地雄輔〕。
道長「恐れながら。二度にわたる内裏の火事は、天がお上の政に、お怒りである証と存じまする」
三条天皇「聞こえぬ。もっと大きな声で申せ」
道長「(大きな声で)この上は、国家安寧 四海平安のため、何とぞ、ご譲位あそばされたく、臣 道長、伏してお願い申し上げまする」
三条天皇「道綱」
道綱「はっ」
三条天皇「そなたも、そう思うておるのか?」
道綱「はっ!ん?あっ、いえ‥‥」
三条天皇「この無礼者め!譲位なぞ、もってのほかである。下がれ!」
道綱「ははっ!」
ナレーション:「まひろは再び、筆を執り、光る君亡きあとの物語を書き続けていた」
まひろ「帝にすら ことさらあしざまに お耳に入れる人がおりましょう。世の人の噂など まことに くだらなく けしからぬものでございます」
はい、ここで番組タイトルどーん (´-`) 。
枇杷殿ー。三条天皇と道長。
道長「備前国の守が、交代のため‥‥」
三条天皇「声が小さい」
道長「(大声で)備前国の守が、交代のため、不動倉のかぎを申し入れておりますが、いかがいたしましょう!」
御簾の中の三条天皇、申し文を手に取る。
三条天皇「今日は暗いな。御簾を上げよ」
半分ほど、御簾が上がる。三条天皇が手にした文を見る道長。文の上下が逆。読んだふりをして文を置く三条天皇。
三条天皇「左大臣のよきようにいたせ」
道長「ははっ!」
四人の納言を前にした道長。
道長「帝は、お目が見えず、お耳も聞こえておらぬ。このままでは、帝としてのお勤めは果たせぬ」
斉信〔金田哲〕「そんなに、お悪いのか‥‥」
俊賢〔本田大輔〕「ご譲位を願い奉るのですね」
道長「そうだ」
行成〔渡辺大知〕「お気の毒でございますな」
公任〔町田啓太〕「情に流されるな。政がおできにならねば、致し方あるまい」
俊賢「内裏中に、ご譲位を望む気分が高まるよう、はかりましょう。お任せください」
道長「頼む」
長和三年(1014年)、春ー。道長の執務室。
行成「お願いがあって参りました」
道長「何事だ。昨夜、会ったばかりではないか」
行成「大宰府に参りたく、存じます。大宰大弐の席が、2月から空いております。そこに、私をお任じください」
道長「私のそばを離れたいということか」
行成「今の帝が、ご即位になって、3年。私はかってのように、道長様のお役に立てておりませぬ。敦康親王様も、お幸せにお暮しのご様子。ここからは、いささか、己の財を増やしたく存じます」
道長「そうか。そなたの気持ちは分かった。考えておこう」
行成「よろしくお願い申し上げます。お邪魔いたしました」
道長「うむ」
一礼し、去っていく行成。
高倉殿ー。向かい合い、菓子を楽しむ彰子と敦康。
敦康「東宮にもなれず、このまま生きているのも苦しいと思っておりましたが、頼通殿の勧めで、妻をもうけて、心が楽になりました。共に生きていく者ができましたゆえ」
彰子「親王様をお守りすることができず‥‥お許しくださいませ(頭を下げる)」
敦康「皇太后様は、お変わりになりましたね。かっては、はかなげで、消え入りそうであられましたが、今は、何かこう、太い芯をお持ちになっているような‥‥。幼い頃の私は、皇太后様を自分がお守りしようと思っておりました。愚かなことを思ったものです。今の皇太后様は、国母にふさわしい風格をお持ちでございます」
彰子「それは、お褒めの言葉ですの?」
敦康「もちろんです」
笑い合う彰子と敦康。
枇杷殿ー。三条天皇と実資〔秋山竜次〕。
三条天皇「左大臣が、はっきりと譲位を迫ってきた」
実資「放っておかれれば、よろしゅうございます」
三条天皇「そうだが‥‥毒でも盛られるやもしれぬ」
実資「左大臣殿は、そのようなことはせぬと存じます。されど、ご不安であるならば、信用できる蔵人頭をお置きになられませ」
三条天皇「そなたの息子、資平はどうだ?」
実資「資平でございますか?」
三条天皇「そなたの息子なら、信用できる」
実資「ははっ!」
枇杷殿ー。三条天皇と道長。
三条天皇「資平を蔵人頭にしたい」
道長「(大声で)蔵人頭には、亡き伊周の嫡男 道雅か、亡き関白 道兼の三男 兼綱がよろしかろうと存じます」
三条天皇「嫌だ。朕は資平を望んでおる」
道長「蔵人も務めたことのない資平は、適任とは思えませぬ」
三条天皇「朕の言うことを聞けぬのか」
道長「お考えをお変えいただきたく、お願い申し上げます」
御簾の中で立ち上がる三条天皇。
三条天皇「もうよい!」
奥へ向かう。
三条天皇「あっ!」
つまづき倒れる。
三条天皇「ああ!」
道長「御免つかまつります!」
駆け寄る道長。
道長「お上。お目も見えず、お耳も聞こえねば、帝のお役目は果たせませぬ。ご譲位くださいませ。それが国家のためにございます」
三条天皇「譲位はせぬ!そんなに朕を信用できぬなら、そなたが、朕の目と耳になれ!それならば、文句はなかろう」
ふらふらと去っていく三条天皇。
ということで、長くなりましたので、『第43回「輝きののちに」』の振り返り』その1は、その2へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。
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