「光る君へ」への長い道のり ~『第30回 「つながる言の葉」振り返り』(その4)(ネタバレ)~[2209文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第30回『つながる言の葉』 の振り返り、その4です。
※以下より、第30回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第30回をご視聴ください🙇。
■[第30回『つながる言の葉』 振り返り]その4
四条宮で女房たちを前に『カササギ語り』を読むまひろ〔吉高由里子〕。
まひろ「『女のふりをしていた男は、ふりをしていた訳ではなかったのです。心から女になりたいと思っていました。そして、男のふりをしていた女もまた、心から男になりたいと思っていたのです。わたしは嘘をついていた二人に試練を与えようと思っていたのですが、やめました。このふたりがこの先どうなったかは、カササギの知る所ではありませぬ』」
女房「何だか、今日は難しいお話でした」
女房「私は男になりたいと思ったことないですわ」
まひろ「男であったら、政に携われるかも知れないのですよ」
女房「でも、偉くならないとそれもできないでしょ。面倒なことは、男に任せていればよいではないですか」
土御門殿ー。
道長は公任〔町田啓太〕、斉信〔金田哲〕、行成〔渡辺大知〕を招いて羹次を行ない、一条天皇の目を彰子に向けさせる方法はないかと尋ねるのだった。
斉信「左大臣も苦労が絶えないようだな。ハハハハ・・・ああ、すまん」
公任「帝の気を引くのは難しいな。亡き人の思い出は美しいままだ」
行成「『枕草紙』の力はますます強まっております」
斉信「ききょうめ‥‥。あんな才があるとは思わなかったな。手放さねばよかった」
公任「皇后様がなされていたように、華やかな後宮を藤壺に作ったらどうだ?」
行成「それは難しいと存じます」
道長「帝は諸事倹約をと、常々仰せだ」
行成「帝は書物がお好きなので、『枕草子』を超える面白い読み物があれば、お気持ちも和らぐのでは、ございませんでしょうか」
道長「そのような面白い物語を書く者が、どこにおるというのだ」
公任「我が妻、敏子がやっておる学びの会に、面白い物語を書く女がおるようだぞ」
道長「帝のお心を捕らえるほどの物語なのか?」
公任「それはどうかな?されど、四条宮の女たちの間では、大評判だ」
斉信「どういう女なのだ?」
公任「さきの越前守 藤原為時の娘だ」
斉信「ん?あっ、あの地味な女だ」
公任「所詮、女子供の読むものだが、妻も先が楽しみだと心奪われておる」
道長「ふ~ん‥‥」
為時・まひろの屋敷ー。
文机に向かい、一心に筆を動かすまひろ。紡ぎだされる物語。
賢子が来る。
賢子「おはじきやろう」
まひろ「後でやるから。今はちょっと忙しいの。許してね」
いと「姫様。いととおはじきいたしましょう」
賢子「やだ。母上とやる」
いと「さあさあ、姫様」
いとに連れられ、ふくれっ面で立ち去る賢子。
夜ー。書き続けるまひろ。仕上げた紙を文箱に入れる。文字がかすれ墨をする。水差しが空っぽのため、水を汲みに厨に向かう。
入れ違いに賢子が来る。文机に書きかけの紙。手に取る賢子。灯心の火に近づける。燃える紙を文箱に放り込む。
厨からまひろが出て来る。走り去る賢子。文箱から炎が出ているのに気づく。
まひろ「誰か!」
いと「まあ!」
為時「何事だ!」
まひろは池から桶に水を汲んで炎にかけ、なんとか火を消すのだった。
泣きじゃくる賢子を叱るまひろ。
まひろ「自分のやったことが分かっているの!?母が相手にしないからって、火をつけるとは、どういうこと?家に燃え移ってたら、どうなっていたと思うの!恐ろしいことをしたのですよ、賢子は。謝りなさい。悪かったとお言いなさい」
為時「もうもう、よいではないか」
まひろ「よくありませぬ!」
為時「悪かったな。悪かった、悪かった」
まひろ「思い通りにならないからといって、火をつけるなぞ、とんでもないことです!人のやることではありませんよ!」
賢子「ごめんなさい‥‥」
為時「うん。もう分かったな。分かった、分かった」
立ち上がり部屋に戻るまひろ。黒焦げになった紙の束。
まひろ「ああ‥‥」
目を逸らし、柱にもたれる。唇を震わせ、涙をのみ込む。
朝ー。文机に向ったまひろ。為時に付き添われ、賢子が来る。
為時「気晴らしに賢子を連れて、賀茂の社に行ってまいるゆえ、お前はひとりで書きたいだけ書け」
まひろ「お願いいたします」
為時「うん。行こう」
しょんぼりと去っていく賢子。
白紙の紙を前に、ぼんやり座ったまひろ。筆をおき、庭に出る。
門の表で掃除をする乙丸。人の気配に顔をあげ、あわてて頭をさげる。
庭のまひろ、振り向く。バツが悪そうにまひろを見る、狩衣姿の道長。
以上で『第30回「つながる言の葉」』の振り返り』は終了です(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。