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歴史の断片-1923.9.2~- 託された通信(452文字)

1923年9月1日。関東地域をマグニチュード7.9の大地震が襲います。
関東大震災と呼ばれることになる大地震でした。

交通機関・通信網は壊滅。
ラジオが開通する前の時期であり、各地の被害状況はまったくわからない状態となりました。
急遽、通信の手段として軍用鳩投入を、陸軍が決定します。

鳩は震災の翌日からすぐに、日光、宇都宮、千葉、横須賀、横浜、藤沢、小田原、清水港等へと派遣され、通信文を携えて中野の鳩舎に戻って来て、様子が分からなかった各地の被害状況を伝えた。

『伝書鳩 もうひとつのIT』 著:黒岩比佐子

この臨時の通信網として投入された軍用鳩は二千羽と記録されています。

機械による通信が回復する9月中旬まで、鳩たちが運んだ通信は、実に二千七百余通

緊急時の鳩通信の重要性を認識した陸軍は、各師団に鳩を配属するとともに、民間の伝書鳩飼育も推奨しました。
各新聞社も屋上に鳩舎を設置するのでした。
東京の読売新聞社では、500羽の鳩と5、6名の専属係がいたそうです。


■参考・引用資料
 『伝書鳩 もうひとつのIT』 著:黒岩 比佐子
 『昭和の常識』 著:服部 淳

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