「光る君へ」への長い道のり ~『第44回 「望月の夜」振り返り』(その1)(ネタバレ)~[2957文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第44回『望月の夜』 の振り返り、その1です。
※以下より、第44回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第44回をご視聴ください🙇。
■[第44回『望月の夜』 振り返り]その1
長和四年(1015年)、清涼殿ー。
御簾の奥の三条天皇〔木村達成〕、控える公任〔町田啓太〕と俊賢〔本田大輔〕。
三条天皇「聞こえぬ!」
公任「(大声で)お上に正しきご判断をしていただけぬとあれば、政は進みませぬ!政が滞れば、国は乱れまする」
俊賢「(大声で)速やかなるご譲位を、願い奉りまする。これは、公卿ら全ての願いにございます!」
三条天皇「その件は、朕が左大臣に、厳しく言うておくゆえ、安心せよ」
顔を見合わせる公任と俊賢。
ナレーション:「譲位を迫られた三条天皇は、次なる対抗策を打ち出してきた」
三条天皇「我が皇女禔子を、左大臣の嫡男、頼通の妻とさせたい」
道長〔柄本佑〕「恐れ多いことにございますが、頼通は、亡き具平親王様の姫を妻としております」
三条天皇「構わぬ。我が姫が、頼通の嫡妻となれば、まことに喜ばしい」
土御門殿ー。
頼通〔渡邊 圭祐〕「嫌でございます」
道長「お前がそう答えることは分かっておった。されど帝のお望みとあらば、断れぬ」
倫子〔黒木華〕「心は隆姫、お務めは内親王様、でよろしいではないの」
頼通「嫌でございます。そのようなことを父上と母上が、私にお命じになるなら、私は隆姫を連れて、都をでます。藤原も左大臣の嫡男であることを捨て、二人きりで生きてまいります」
去っていく頼通。
縁に立つ道長。半分欠けた月に雲がかかる。まひろもひとり、月を見ている。
はい、ここで番組タイトルどーん (´-`) 。
ナレーション:「彰子は、高倉殿を出て、この時期は土御門殿に移っていた」
道長「あそこまで、頼通が拒むと歯『思いませんでした。困り果てております」
彰子〔見上 愛〕「頼通が帝の仰せに従ったとしても、禔子内親王様は、名ばかりの妻となってしまうであろう。かっての私のようで、お気の毒なことだ。帝も父上も、女子を道具のように、やったり取ったりされるが‥‥。女子の心をお考えになったことはあるのか?妍子とて、父上の犠牲となって、今は酒に溺れる日々である」
表情を変えない道長。
彰子「仮に頼通が禔子内親王様を妻にしたとしても、子ができると決まったわけではない」
道長「お前はどう思うか?」
控えたまひろ〔吉高由里子〕。
まひろ「左大臣様のように、倫子様も、明子様も等しくいつくしむお方は、そうはおられぬと存じます」
道長を見る彰子。
彰子「この婚儀は、誰も幸せにせぬと、胸を張って断るがよい」
藤壺ー。布に触れる妍子。
妍子「けざやかだこと。のう、禎子(笑いかける)」
道長が来たことを告げられ、妍子の顔から笑みが消える。
妍子「いかがされましたの?」
控える道長。
道長「お顔を見に参りました。中宮様と内親王様の。かわいらしくお育ちになられましたな」
妍子「何を今さら‥‥。父上は、禎子が生まれた時、皇子ではないかと、いたく気を落とされたと聞きました」
道長「そのような覚えはございませぬ。これまでも幾度も、藤壺をお訪ねしておりますし」
妍子「いらっしゃる時は、藤壺の係を少なくせよと、仰せになる時だけではありませんの」
道長「そのようなつもりは、ございませぬ」
妍子「父上の道具として、年の離れた帝に入内し、皇子も産めなかった私の唯一の慰めは、ぜいたくと酒なのでございます。お帰りくださいませ。私はここで、この子と共に、諦めつつ、生きてまいりますゆえ」
清涼殿ー。
三条天皇「禔子の件はいかがいたした?頼通は承知したか?」
道長「申し訳ございませぬ。政務が忙しく、まだ頼通に会えておりませぬ」
三条天皇「聞こえぬ」
道長「(大声で)まだ頼通に会えておりませぬ!」
三条天皇「フッ。内親王を妻にしたくない者など、おらぬと思うがのう。左大臣!」
道長「はっ!」
三条天皇「そなたを摂政に准ずる者として、政を委ねる。そなたが、朕の政の代わりをすれば、譲位をせずともやってゆける。そなたは、左大臣のまま、准摂政となる。朕にとっても、そなたにとっても、よいではないか」
土御門殿ー。
道長「病になれ。それしかない」
とまどう頼通。
道長「内親王様は、いただかずともよい。されど、帝に内親王様はいりませんとは申せぬ」
頼通「それで病に‥‥」
道長「教通。内裏中に噂を流せ。兄は命の瀬戸際の病であると。伊周の怨霊によるものだ」
教通「承知いたしました」
頼通「父上!」
道長「文句を言うな!」
頼通を見据える道長。
道長「隆姫を傷つけぬためだと思って、やり抜くのだ」
女官たちが顔を寄せ合ってうわさ話をする。
「権大納言 頼通様、高熱でお苦しみなのですって」
「あのお美しい顔が、お苦しみ‥‥。ちょっと見てみたいわ~」
「何を言っているの!」
「伊周様の怨霊ですってよ」
「(女官たち)キャ~!」
清涼殿ー。三条天皇の側に実資〔秋山竜次〕。
三条天皇「万策尽きたか‥‥。我が在位、僅かに4年半‥‥。短すぎる‥‥」
実資「お嘆きになっている時ではありませぬ。左大臣様の思いのまま、ご譲位あそばすのではなく、今こそ、奥の手をお出しなさいませ」
三条天皇「奥の手?」
実資「東宮に敦明様を立てるなら譲位しよう。それ以外の皇子なら譲位はせぬ、と仰せになれば、よろしゅうございます」
三条天皇「そうか‥‥。ならば、そういたそう。そなたは、唯一の朕の忠臣であるな。目も見えぬ、耳も聞こえぬが、そなたの顔は分かる。声もしかと届いたぞ」
夜ー。娍子の膝枕で休み三条天皇。
娍子「お上。きれいな月でございますよ」
三条天皇「そうなのか‥‥」
すすり泣く娍子。
三条天皇「泣くな。朕が譲位する時は、敦明が必ず東宮となる」
ということで、長くなりましたので、『第44回「望月の夜」』の振り返り』その1は、その2へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。