「光る君へ」への長い道のり ~『第24回 「忘れえぬ人」振り返り』(その2)(ネタバレ)~[2514文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第24回『忘れえぬ人』 の振り返り、その2です。
※以下より、第24回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第24回をご視聴ください🙇。
■[第24回『忘れえぬ人』 振り返り]その2
内裏ー。
廊下を歩く、藤原顕光〔宮川 一朗太〕、道綱〔上地雄輔〕、実資〔秋山 竜次〕たち。
顕光「隆家〔竜星 涼〕が帰って来たそうではないか」
道綱「出雲から空でも飛んで来たのか?」
顕光「普通なら20日はかかろう」
実資「不可解なり」
顕光・道綱「不可解なり」
道長〔柄本佑〕の前に隆家〔竜星 涼〕。
隆家「出雲の土産に、干したシジミをどっさり持ってまいりました。酒のあとによいのです。酒、飲まれますよね?」
道長「うむ」
隆家「騙されたと思って、これを煎じるかそのまま食べてください。是非とも」
道長「伊周ももう大宰府をたったであろうか」
隆家「兄のことは知りませぬ。私と兄は違います。兄は恨みをためる。私は過ぎたことは忘れる。左大臣様のお役に立てるのは私にございます」
道長「あの時、院の御車を射たのは、お前か?伊周か?」
隆家「矢を放ったのは、私です。兄はビクビクしておりました。されど、とんでもない大ごとになってしまって、驚きましたよ、あの時は」
道長「院を狙ったのではない、御車を狙ったのだと、なぜあの時、申し開きしなかったのだ」
隆家「何を言っても信じていただけそうにありませんでしたからね。ハハハ・・・。シジミ、是非、試してごらんください」
道長「うむ」
越前・国守の館ー。
まひろ〔吉高由里子〕と周明〔松下洸平〕。
まひろ「(宋語)私は子供の頃、よく嘘をつきました」
周明「(宋語)嘘?」
まひろ「(宋語)ありもしない物語を作って話しました」
周明「(宋語)とんでもない子供だな」
まひろ「(宋語)はい。とんでもない子供でした。今もとんでもない大人かもしれません」
周明「(笑う)大人だ。まひろは今、打人と言った。それではとんでもない大人ではなく、とんでもなく殴ることになってるぞ」
笑い合うまひろと周明。周明を叩くまひろ。
周明「早く、まひろと宋に行きたい」
まひろを抱き寄せる周明。
周明「このままでは、いつまでたっても宋には行けない。左大臣に手紙を書いてくれ」
周明から離れるまひろ。
周明「二人で宋に行くためだ」
周明の唇を手で遮るまひろ。
まひろ「あなたは嘘をついている。私を好いてなぞいない」
まひろを抱きしめる周明。
周明「好いている」
まひろ「抱きしめられると分かる」
突き放すまひろ。
まひろ「あなたは違いことを考えている。私を利用するために。そうでしょう?」
立ち上がる周明。壺を床に叩きつける。砕けた破片を、まひろに突きつける。
周明「来い」
まひろを引っ張り、文机の前に座らせる。
周明「書け。左大臣に文を書け。左大臣が決意すれば公の交易がかなうのだ。書け」
まひろ「書きません」
周明「書かねば、切る」
まひろ「書きません。書いたとて左大臣様は私の文ごときで、お考えを変える方ではありません」
周明「書け!」
まひろ「書きません」
周明「書かねば・・・、お前を殺して、俺も死ぬ」
まひろ「死という言葉をみだりに使わないで。私は母が目の前で殺されるのを見た。友も虫けらのように殺された。周明だって海に捨てられて、命の瀬戸際を生き抜いたのでしょう?気安く死ぬなど言わないで!」
周明を見据えるまひろ。
周明「言っておくが、宋はお前が夢に描いているような国ではない。宋は日本を見下している。日本人など歯牙にもかけておらぬ。民に等しく機会を与える国など、この世のどこにもないのだ。つまらぬ夢など持つな」
壺の欠片を文机の上に置き、立ち去る周明。
夜ー。まひろは、宋の言葉をまとめた帳面を、くしゃくしゃに丸める。そしてそれを燈心の火に近づける。炎がゆれる。まひろは帳面を文机に戻す。
庭に控えた乙丸の声。
乙丸「姫様。姫様が夕げを召し上がらないと下女が申しておりました。お加減でもお悪いのですか?・・・すいません、お邪魔しました」
まひろ「乙丸」
縁に出るまひろ。
まひろ「お前はなぜ妻を持たないの?」
乙丸「えっ!」
まひろ「そんなに大きな声を出さなくても」
乙丸「な・・・な、なにゆえ、そのようなことを」
まひろ「ただ聞いてみたかったの。もういいわ」
乙丸「妻を持とうにも、この身ひとつしかありませんし・・・。あの時・・・私は、何もできませんでしたので」
まひろ「あの時?」
乙丸「北の方様が・・・お亡くなりになった時、私は、何も・・・。せめて姫様だけは、お守りしようと誓いました。それだけで、日々、精いっぱいでございます」
まひろ「そう・・・。乙丸は、そんなことを考えていたのね」
乙丸「はい・・・。あっ、余計なことを申しました」
まひろ「ううん。こんなにずっと近くにいるのに、分からないことばかり。私はまだ何もわかっていないのやも・・・」
乙丸「周明様と何かおありになったのですか?」
まひろ「ううん・・・。あの人も精いっぱいなのだわ」
ということで、長くなりましたので、『第24回「忘れえぬ人」』の振り返り』その2は、その3へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇