[学者・軍人・政治家]【18】タンネンベルクの戦い01[1801文字]

核兵器のある世界はどういう経緯で出来たのか、歴史の流れをたどっていくシリーズの18回目です。

 前回は、フランス軍・イギリス軍とドイツ軍が戦闘を始め、ドイツ軍はフランス軍・イギリス軍を退却させて、ついにパリ目前まで迫るところでした。

 今回は、ロシア軍がドイツ軍の想定よりも早く動員を行い、東部戦線にて東プロイセンに向けて侵攻を行うまで、です🙂。

 尚、物理学をはじめとする様々な専門的または難解な話は、ボクに基礎知識すら無いため😵‍💫、ご質問されてもお答えできませんのでご了承ください。


 ドイツ軍のシュリーフェン計画は、ロシア軍が動員を行い戦場に出るまでに時間を要する、ということを前提にしており、西部戦線に兵力の大半を集中していた。
 
 しかし、そこに誤算が起きた。ロシア軍の動員が想定よりも早かったのだ。
 もっとも、それには理由がある。一刻も早くドイツ軍を東部方面から攻撃して欲しいと、フランスからの要請があったためである。

 8月上旬。ロシア軍は当初の目的であったセルビア支援を後にして、ドイツ帝国、東プロイセンの北と南の二方面から攻めることとした。

 8月15日。
 パウル・フォン・レネンカンプ将軍率いるロシア第1軍20万人は、東プロイセンの北部から、アレクサンドル・サムノソフ将軍率いるロシア第2軍20万人は東プロイセンの南部から、侵攻を始めた。
 
 シュリーフェン計画では、ロシア軍の戦場到着を9月上旬と見ており、想定より1か月も早い。

 ロシア第1軍・第2軍併せて40万人。
 東部戦線の送り込まれたドイツ軍兵力の、おおよそ2倍であったと言われている。
 
 8月19日。ロシア第1軍はドイツ第8軍第1軍団を撃破。この時、ドイツ第8軍の司令官は、パニックになり、モルトケ参謀総長に電話をかけて退却を進言した。

 司令官がこのような弱腰では、そう思ったのか、モルトケ参謀総長は直ちに新たな第8軍司令官に、当時66歳で、予備役であったパウル・フォン・ヒンデンブルク大将を起用する。
 
 ヒンデンブルクは、後にヴァイマル共和政(ヴァイマル共和国)で大統領となり、ヒトラーを首相に指名することになる。

 またモルトケ参謀総長は、第8軍参謀長として、ベルギー・リエージュ要塞攻略で英雄となっていたエーリヒ・ルーデンドルフを任命した。
 
 それまで全く面識がなかったこの2人ーヒンデンブルクとルーデンドルフーが戦場に着任した時、ドイツ帝国において最も有能な参謀のひとりといわれた(日露戦争では、日本軍に従軍した)マックス・ホフマン中佐が、すでに、対ロシア軍の作戦立案を行っていた。


参考・引用資料:
●「シーベルトとベクレル」 山崎岐男著
●「キュリー夫人伝」 エーヴ・キュリー著
●「キュリー夫人と娘たち」 クロディーヌ・モンテイユ:著
●「プルトニウム」 ジェレミー・バーンシュタイン著
12月1日 「ウラン」の発見者マルティン・クラプロート誕生(1743年)(ブルーバックス編集部) | ブルーバックス | 講談社 (gendai.media)
●エックス線物語 馬場祐治 著
●「核エネルギーの時代を拓いた10人の科学者たち」 馬場祐治 著
●「原子爆弾」 内山克哉 著
●「大気を変える錬金術」 トーマス・ヘイガー 著
●「毒ガス開発の父ハーバー 愛国心を裏切られた科学者」 宮田 親平 著
●「リーゼ・マイトナー 核分裂を発見した女性科学者」 マリッサ・モス 著
●「核分裂を発見した人: リーゼ・マイトナーの生涯」 シャルロッテ ケルナー 著
●「リーゼ・マイトナー: 嵐の時代を生き抜いた女性科学者 1878-1968」 R.L.サイム 著
●「第一次世界大戦史」 飯倉 章 著
●「毒ガスの夜明け」  井上 尚英 著
●「八月の砲声」    バーバラ・タックマン 著
●「第一次世界大戦」 木村靖二 著
●「勃発! 第一次世界大戦」 山崎 雅弘 著  
●「日本人のための第一次世界大戦史」 板谷敏彦 著
●「オットー・ハーン自伝」  オットー・ハーン 著
●「ヒトラー(上):1889-1936 傲慢」 イアン・カーショー 著
●「ヒトラー: 虚像の独裁者」 芝 健介 著
●「マルヌの会戦」 アンリ・イスラン 著
放射線医学の歴史 (radiology-history.online)
原爆と放射能のイメージ 中尾麻伊香 著
リエージュの戦い Wikipedia


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