「光る君へ」への長い道のり ~『第16回 「華の影」振り返り』(その2)(ネタバレ)~[2520文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第16回『華の影』 の振り返り、その2です。
※以下より、第16回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第16回をご視聴ください🙇。
■[第16回『華の影』 振り返り]その2
正暦5年 (994年)登華殿ー。
定子〔高畑充希〕の琴に合わせて、笛を吹く一条天皇〔塩野瑛久〕、舞を披露する伊周〔三浦翔平〕。
盃を手に見つめる道隆〔井浦新〕。
道綱〔上地雄輔〕もお菓子を食べながら見つめていた。
一方、退屈そうに酒を飲む隆家〔竜星 涼〕。
伊周「隆家、お前も舞え」
隆家「私は遠慮します」
伊周「舞え」
仕方ないとばかりに盃を置き、傍らの ききょうの手から扇を奪い、大仰にかまえて歌いながら、隆家が舞う。
伊周に扇を突き出す隆家。ニヤリと笑った伊周も一緒に舞う。
隆家「あ・・・誰か来た」
居住まいを正す一同。やってきたのは、女院の称号を与えられた詮子〔吉田羊〕。
一条天皇「母上」
詮子「邪魔をしたようだ」
道隆「(去ろうとする詮子を呼び止める)お待ちください」
伊周「女院様、どうぞ、こちらへ。さあ、どうぞ、どうぞ」
ナレーション:「円融院の死後、詮子は史上初の女院の称号を与えられた」
一条天皇「(隣に座った詮子に)お久しゅうございます、母上(頭を下げる)」
定子「女院様には、ご機嫌麗しく、祝着至極にございます」
詮子「お上。先ほどの騒々しい舞は何事でございますの?」
詮子の冷たい言葉に俯く帝。その場が一瞬にして静まり返る。
伊周「ハハハ・・・。お上の笑みが消えてしまわれましたよ」
道隆「(たしなめるように)伊周」
伊周「お上と中宮様の後宮は、これまでとは違う新しき後宮。ここでは、誰もが楽器を奏で、誰もが歌い、舞う。お上との間の垣根を取り払い、誰もが語らうことができる。これこそが、お上のお望みになる後宮の姿にございます」
詮子に近づく伊周。
伊周「どうか、女院様もそのことをお分かりいただきたく・・・お願い申し上げまする」
伊周は詮子の前に座ると頭をさげた。
相変わらず無表情なままの詮子ー。
後日、執務部屋。道長〔柄本佑〕に話しかける道綱。
道綱「後宮はかくあるべしと、女院様に説教したんだからなあ。みんな凍りついたよ。あ、そうだ!この前、母の共をして石山寺に行ったら、ついぞ見かけぬような、いい女がいたんだよ。ま・ひ・ろって名なんだけど」
道綱「忍びにいったら、その友と間違ってしまって、参った、参った・・・」
ほっとする道長。
一方、まひろは、さわ宛てにしたためた文を、従者の乙丸に託す。
乙丸「またでございますか。姫様、文を返してくるような方、もうお忘れになった方がよろしくはございませんか?」
まひろ「お願い」
乙丸「は・・・。では、行ってまいります」
ある夜の内裏ー。
一条天皇と定子がいい感じのところに駆け付けてきた、源俊賢〔本田大輔〕。
俊賢「蔵人頭、俊賢にございます。お上。ただいま、弘徽殿より火の手が上がりました。急ぎここよりお移り頂きたく、お願い申し上げます」
一条天皇「また放火なのか?」
俊賢「恐らくは・・・」
翌日、道隆の屋敷ー。
高階貴子〔板谷由夏〕「先日は後涼殿、昨夜は弘徽殿。次は清涼殿でございましょうか」
道隆「宮中の警固をより厳しくするように命じたゆえ、案ずるな」
伊周「内裏の中に火付け人がおるのでありましょうか。よもや帝や中宮様を狙い奉るような者はおりますまい」
高階貴子「されど、我が家への妬みが、帝や中宮様に向っているのだとしたら・・・」
隆家「女院かもな。火付けを仕組んだ張本人ですよ。だって女院、ひどくお怒りだったでしょう、昨日」
高階貴子「中宮様が・・・、女院様に妬まれるとは・・・」
隆家「妬まれて結構ではありませんか!父上も姉上も兄上も、ようやく妬まれる立場になられたのですから」
道隆「帝に危害が及ぶことを、女院がなさるとは思えぬが」
隆家「女院でなければ・・・父上を恨んでいる人ですよ。大勢いるでしょう」
伊周「口を慎め!隆家」
隆家「兄上だって分かるだろ?そのくらい」
道隆「フッフフフフ。ハハハハハ・・・」
道隆に合わせて、隆家も高笑いをする。
道隆「ああ。光が強ければ、影は濃くなるというもの。恨みの数だけ、私たちが輝いているということだな。私たちが暗い顔をすれば、相手の思うつぼだ。動じないのが肝心だ」
廊下に出る道隆。まばゆい日差しを手で遮る。
ナレーション「中関白家の栄華が極まるこのころ、公卿たちは都をむしばむ疫病の対策をすべきと道隆に提言した。しかし、道隆はそれを無視し続けた」
あれ、ここで実資の出番はないの?( º言º)
屋敷の縁に立つ晴明〔ユースケ・サンタマリア〕。
晴明「(従者に向って)門を閉めろ。今から誰も外に出てはならぬ。入れてもならぬ。今宵、疫神が通るぞ。これから、都は大変なことになる」
まあ、この大河ドラマでは都はだいたい、いつも大変なことになっとるけどな( º言º)
ということで、長くなりましたので、『第16回 「華の影」の振り返り』その2は、その3へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。