[いだてん噺]夕暮れ(1210文字)
岡山高等女学校で、絹枝とテニスのペアを組んだ浮田芳子が、当時── 2年生の頃(大正10年[1921年)]── を回想し、こう語っている。
岡山高等女学校2年の時に、絹枝が詠んだ短歌が三首ある。
短歌に詠われている夕暮れの情景と、テニスの練習後の夕暮れ時に家路につく絹枝とが重なり合うような気がする。
『二階堂を巣立った娘たち』 (勝場勝子・村山茂代:著)によれば、『当時の高等女学校では、日本女性のたしなみとして必ず短歌を学習させた』とあり、『絹枝の鋭い感性は国語の教師を驚かせる程であった』と書かれている。
浮田芳子の回想でもそのことに触れている。
この年、時事新聞が主催し大阪の市岡高等女学校で開催される「第4回関西女子庭球大会」に、岡山高等女学校は参加することになった。
絹枝にとって初めての遠征試合であった。
(敬称略)
■参考・引用資料
●『人見絹枝―炎のスプリンター (人間の記録)』人見 絹枝:著、 織田 幹雄 ・戸田 純:編集
●『二階堂を巣立った娘たち』 勝場勝子・村山茂代:著
●『KINUEは走る』 著:小原 敏彦
●『短歌からみた人見絹枝の人生』 著:三澤光男
●『1936年ベルリン至急電』 鈴木明:著
●『オリンピック全大会』 武田薫:著
●『陸上競技百年』 織田幹雄:著
●国際女子スポーツ連盟 - Wikipedia アリス・ミリア - Wikipedia
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