「光る君へ」への長い道のり ~『第4回 「五節の舞姫」振り返り』(その1)(ネタバレ)~[4088文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第4回『五節の舞姫』 の振り返り「その1」です。「その1」は、まひろが身分をカミングアウトするパートになります。このくだりはフィクションのパートですね (´-`)。
※以下より、第4回のストーリーを記述しています。
未視聴の方は先に第4回をご視聴ください🙇。
■『光る君へ』第4回『五節の舞姫』主な登場人物
●まひろ/紫式部[むらさき しきぶ]:主人公〔吉高由里子〕
●藤原道長[ふじわら の みちなが]:右大臣・藤原兼家の五男〔柄本佑〕
[※大河ドラマでは三男]
●円融天皇[えんゆう てんのう] :第64代天皇〔坂東巳之助〕
●師貞親王[もろさだ しんのう] :後の花山天皇〔本郷奏多〕
●藤原頼忠[ふじわら の よりただ]:関白〔橋爪 淳〕
●藤原兼家[ふじわら の かねいえ]:右大臣、策略家〔段田安則〕
●源 雅信[みなもと の まさのぶ]:左大臣〔益岡 徹〕
●藤原道隆[ふじわら の みちたか]:右大臣・藤原兼家の長男〔井浦新〕
●藤原道兼[ふじわら の みちかね]:右大臣・藤原兼家の三男〔玉置玲央〕
[※大河ドラマでは次男]
●藤原詮子[ふじわら の あきこ] :右大臣・藤原兼家の次女、
円融天皇の女御〔吉田羊〕
●藤原実資[ふじわら の さねすけ]:蔵人頭(天皇側近の長)〔秋山竜次〕
●高階貴子[たかしな の たかこ] :藤原道隆の嫡妻〔板谷由夏〕
●藤原公任[ふじわら の きんとう]:関白・藤原頼忠の息子、
遵子の弟〔町田啓太〕
●藤原斉信[ふじわら の ただのぶ]:後に道長の側近となる〔金田哲〕
●藤原行成[ふじわら の ゆきなり]:字の美しさに並ぶ者なし〔渡辺大知〕
●藤原為時[ふじわら の ためとき]:まひろの父〔岸谷五朗〕
●藤原惟規[ふじわら の のぶのり]:為時の息子、まひろの弟〔高杉真宙〕
●藤原宣孝[ふじわら の のぶたか]:為時の友人〔佐々木蔵之介〕
●直秀[なおひで] :風刺劇を行う散楽の一員〔毎熊克哉〕
●輔保[すけやす] :風刺劇を行う散楽の座頭〔松本実〕
■[第4回『五節の舞姫』 振り返り](その1)
四条万里小路の辻の散楽を見に寄ったまひろは、道長と偶然にも再会します。
そして、散楽の演者のひとりが放免たちから逃げていた男だったことを知ります――という前回の引きから始まります。
去って行く散楽の見物人たちに向って、散楽の座頭が次回は6日後だよと声をかけます。
ところで6日後って、カレンダーもないこの時代に、一般の人々はどうやって、日にちを把握していたのでしょうね?(´-`)。
まひろは散楽の演者・直秀に、あなたと間違えられて放免に捕まり獄に入れられたのだから、道長に謝ってよ、と詰め寄りますが、道長は、すぐに出てこれたのだからもういい、そう言ってまひろを止めます。
細かなことは気にしない、さすが上流貴族やね、道長 ( º言º)。
そんな道長に向って直秀は、「また散楽を見に来い」と声をかけ、去って行くのでした。
ここらへん、昔の大映テレビドラマ・ティストが隠し味にあるのでしょうか。大映テレビドラマ、見たことありませんが ( º言º) 。
道長はまひろに問います。
ー高辻富小路の絵師のもとに行き、まひろという女子が代筆仕事をしていないか聞くと言いがかりはよせと追い出されたが、代筆仕事は偽りか?とー。
まひろは代筆仕事は嘘で本当は男の人が代筆仕事をしていると答えますが、道長はその言葉自体が嘘だと見抜きます。
さすが、本質を見抜く男、道長 ( º言º) 。
そして、ついにというか、ようやくまひろは自らの身分を明かします。
正確には、何年もやなくて12年間官職なしなんやけどね ( º言º) 。
ちなみに、まひろが言った「六位」というワードですが。
これは、父の藤原為時が個人の序列を表す位階ではどこに位置するかを示したとわけですね。
位階は、一番トップの正一位から下位にいくと、従一位⇒正二位⇒従二位⇒正三位⇒従三位⇒正四位上⇒正四位下⇒従四位上⇒従四位下⇒正五位上⇒正五位下⇒従五位上⇒従五位下⇒正六位上⇒正六位下⇒従六位上⇒従六位下⇒正七位上⇒正七位下⇒従七位上⇒従七位下⇒正八位上⇒正八位下⇒従八位上⇒従八位下⇒大初位上⇒大初位下⇒少初位上⇒少初位下 と実に30も種類があります😵💫。
まひろの父・為時は、このとき官職は無く、位階は六位のグループ(正六位上⇒正六位下⇒従六位上⇒従六位下)のどれかだったのでしょう🤔。
ところで、一般に貴族とは、どの位階までを指すのでしょうか。
「光る君へ」の時代考証をされている倉本一宏氏によると、三位以上の官人(=役人)を『貴』、四位・五位の官人を『通貴』と呼ぶそうです。
位階が五位以上の官人を『貴族』と呼ぶのが一般的なので、このときの為時はまだ貴族とよばれる階級に属していないということになりますね🤔。
『だから気にしないで』というまひろの言葉は、道長のことを、六位よりも下の官人、または官人でない庶民の者と思い込んでいたからこそ、口から出た言葉なんでしょうね 🤔。
それを感じ取ったのか、道長は覚悟を決め、まひろの正面に向かい合って、自分の身分を明かそうとします。
そこに、測ったかのように、まひろを呼ぶ藤原宣孝の大声!。またもお預けですか! ヽ(≧▽≦)ノ。
そして、宣孝は道長の存在に気付くと「お前は誰だ?」と尋ね、まひろほど嘘が出ない道長が返事に窮しているのを見て、まひろがナイス・アシスト。
真っ赤な嘘ではなく、たしかにそんなことがあった。
あったが、それは今この時じゃないよね。
過去の事実を上手く織り込む、さすが未来の小説家やね ( º言º) 。
それをすっかり信じた宣孝は道長に、「そうか、それは世話になった」と礼を言います。父親代わりか ( º言º) 。
ボロがでないようにとまひろは「帰ります」と言い、まひろを屋敷まで送るべく宣孝も後をついて行きます。
しかし、このままでは道長と次にいつ会えるかわからないため、一計を案じたまひろは、道長に聞こえる様に大きな声で宣孝に言います。
要するに6日後の次の散楽でまた会おうと、まひろは道長に言ってるわけやね ( º言º) 。
さすがに道長も、まひろのメッセージには気が付きます。
従者を連れて去ろうとする道長に、塀の上に座っていた直秀が『娘の心を弄ぶのはよせ。手を引け。右大臣家の横暴は内裏の中だけにしろ』と声をかけます。直秀って、どんだけ瓦の上が好きなん? ( º言º) 。
それに対し、道長は『そういうことは、散楽の中だけで言え』とやり返し、これには一本とられたとばかりに直秀は笑みを浮かべ、塀のむこうへと去って行くのでした。
為時の屋敷に戻ったふたり。宣孝はまひろに、『あの男には近づくな』と言います。要は為時がようやく出世のチャンスをつかみかけている時に、身分の低そうな男とかかわりを持つという、為時に迷惑がかかる行為は慎みなさいという忠告ですね ( º言º)。
この為時のセリフは平安時代の貴族の一面を表していると思います。
もちろん貴族の中での権力争いというものはありますが、『武士のように反対勢力を殺戮することによって、支配を強化するという考え方はほとんどない』(『公卿会議』あとがき 美川圭著より)のが、平安時代の貴族の特長のひとつと言えるのではと思います🤔。
父の為時に言われて、左大臣家の姫君・倫子のもとに間者としていくことも含めて、もやもやとして気持ちを、まひろは宣孝に吐露します。
当初は調子のいい親戚のおじさんポジションだった宣孝ですが、まひろにとって、自分の心の内をさらけ出せる人としての重要度が増してきていますね🤔。
そして大きな動きがおこります。
安倍晴明の占いにより、円融天皇の退位、そして新しい帝の即位の日が決まりました。そして次の東宮も。
女房たちのひそひそ話が宮中に広がるのでした。
ということで、長くなりましたので『第4回「五節の舞姫」の振り返り その1』は、その2へと続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。