「光る君へ」への長い道のり ~『第41回 「揺らぎ」振り返り』(その3)(ネタバレ)~[2748文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第41回『揺らぎ』 の振り返り、その3です。
※以下より、第41回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第41回をご視聴ください🙇。
■[第41回『揺らぎ』 振り返り]その3
藤壺に、敦康親王〔片岡千之助〕が来る。御簾越しに彰子〔見上 愛〕と対面する。
敦康親王「お文を頂戴し、いつでも来てよいと仰せいただきましたので、飛んでまいりました」
彰子「いつぞやは、おいしいつばき餅を、ありがとうございました」
脇に控えたまひろ〔吉高由里子〕と行成〔渡辺大知〕。
敦康親王「中宮様‥‥お顔が見えませぬ。せっかく参りましたのに、お顔が見えねば、つまりませぬ。ご無礼つかまつります」
行成「親王様!」
御簾をめくり、中に入る敦康親王。たまげる彰子。
敦康親王「光る君のようなことはいたしませぬ。ただ‥‥お顔が見たかっただけでございます」
ほほ笑む彰子。小さく息を吐くまひろと行成。
道長の執務部屋。
行成から聞かされて、立ち上がる道長〔柄本佑〕。
道長「御簾を超えたのか!」
行成「越えられはしましたが、お二人になられたわけではなく、しばらくそのままお話になって、お帰りになりました」
道長「信じられぬ。敦康様が、二度と内裏に上がれぬようにいたせ」
行成「先の帝の第一の皇子であらせられます。そのようなことはできませぬ」
道長「中宮様はこの先、国母ともなられるお方。万が一のことがあっては、一大事だ(ため息)」
行成「恐れながら。左大臣様は、敦康様から、多くのことを奪い過ぎでございます。敦康様が、お気の毒でございます」
行成を見る道長。
道長「お前は、私に説教をするのか?」
行成「左大臣様が、おかしくおわします。失礼いたします」
去っていく行成を目で追う道長。
乙丸を従え、辻を歩く市女笠の賢子〔南沙良〕。
馬のいななき。武者たちを従え、武装した男が馬でやって来る。
乙丸「何事でございましょう」
脇に寄る乙丸と賢子。
列の最後尾に双寿丸〔伊藤健太郎〕。
賢子に気付く双寿丸。
双寿丸「おう」
馬上の男に目をやる双寿丸。
双寿丸「あれが。為賢様だ。強そうだろ。これから盗賊を捕まえに行くんだ」
賢子「気を付けてよ」
双寿丸「おう」
賢子「帰ってきたら、またうちに、夕げにおいでなさい」
振り向かず、手を突き上げる双寿丸。賢子の笑顔を見る乙丸。
夕方。屋敷の縁で書物の整理をする賢子。顔をあげる。双寿丸がやって来る。
賢子「本当に来た」
双寿丸「来いって言ったろ」
賢子「ウフフフ」
いと「二度と来るなと、言い渡したでしょうに!」
双寿丸「(笑って)腹減った。飯、飯、飯!」
賢子「いと。双寿丸に夕げを」
文句をいいながら厨房にいくいと。
まひろ「ただいま」
賢子「母上まで来られたの?」
まひろ「来られたのって、ここは私の家ですよ。はい、お土産。(双寿丸の方を見て)そなたも、息災のようね」
双寿丸「おう」
上がり込み、もりもり夕げを食べる双寿丸。
双寿丸「この家には、書物がやたらと、いっぱいあるのだな」
賢子「読みたかったら、いくらでも貸してあげるわよ」
双寿丸「俺は字が読めぬ」
賢子「えっ?」
双寿丸「あっ、でも、自分の名前だけは書けるぞ」
まひろ「足で書くの?」
双寿丸「ん?」
まひろ「そなたは、そのような身なりをして、字も書けないなぞと言っているけど、実は高貴な生まれではないの?」
双寿丸「(小声で賢子に)母上、大丈夫かよ」
まひろ「ああ‥‥。失礼、今のは独り言」
賢子「双寿丸も、字は読めた方がいいわよ。私が教えてあげる」
双寿丸「要らぬ。俺は、武者だ」
賢子「そうだけど。人の上に立つ武者になるなら‥‥」
双寿丸「要らぬ。俺は字が読めぬ哀れな輩ではない。人には得手不得手がある。俺らは、体を張って戦うのに向いている。字を書いたり、詠んだりするのには、向いておらぬ。学問の得意な者らは、俺らのようには戦えぬだろ?それゆえ、武者であることに誇りをもてって、うちの殿様が言っていた」
まひろ「ふ~ん‥‥そう。殿様のところで、武術を学んでいるの?」
双寿丸「ああ。ひとりで戦うのではなく、みんなで、戦うことを学ぶんだ。弓の得意な者は弓を引く。石投げが得意な者は、弓の射手が矢をつがえている間に、石を投げる。弓と石で、敵の先手を倒してから、太刀で斬り込んでいくのだ。それぞれが得意な役割を担い、力を合わせて戦えば、ひとりひとりの力は弱くとも、負けることはない。戦をやらずに済めば、それが一番よいけど、そうもいかないのが、人の世だ‥‥と、うちちの殿様は言っていた。それに仲間を作れば、ひとりでいるより楽しいし‥‥。仲間のために強くなろうと思える」
まひろ「‥‥と、殿様が言っていたの?」
双寿丸「そうだ」
賢子「フフフ」
双寿丸「お前の母親、いちいち絡んでくるな」
賢子「フフフ」
双寿丸「あっ!飯がない!」
賢子「いと。お代わり」
いと「もうございませんよ!」
双寿丸「はあ‥‥」
賢子「じゃあ、これあげる」
双寿丸「いいのか?」
賢子「うん」
賢子から貰った飯を書き込む双寿丸。
賢子「フフフ‥‥」
にんまり二人を眺めているまひろ。
ということで、長くなりましたので、『第41回「揺らぎ」』の振り返り』その3は、その4へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。