時代考証無視SS「乱歩さんと正史くん」 その3 ~乱歩さんの百周年(922文字)~
※このSS(二次創作)まがいは、ちょっぴりの事実をベースにしたフィクションであり、実在の人物とはなんら関係がありません。仮に同姓同名の方がいてもその人物の性格はまったく異なります。
「正史くん、正史くん。じつは2023年は、わたしにとって100周年の年だってことを知ってたかね?(´・ω・`)」
「え、乱歩さんって1894年生まれだから生誕100年はとっくに過ぎてますよね。亡くなったのは1965年だから、2023年は没後58年という中途半端だし。なんで、今年が乱歩さんにとっての100周年なんですか?(⦿_⦿)」
「いや、正史くん。わたしが、日本で初めての本格的創作探偵小説作品『二銭銅貨』をひっさげて、雑誌『新青年』でデビューしたのが1923年じゃないか(´・ω・`)」
「だから?(⦿_⦿)」
「いや、だから2023年は、わたしこと、江戸川乱歩のデビュー100周年になるというわけで・・・(´・ω・`)」
「へー (⦿_⦿)」
「反応薄いね、正史くん。ほら、NHK大阪放送局も1月21日から、デビュー100年を記念して、1月21日夜10:00~10:49に『探偵ロマンス』を全4話で放送してくれるんだよ。主役はわたし、江戸川乱歩こと平井太郎で、共演は草刈正雄さんだよ。ほらほら、見てごらん(´・ω・`)」
「ふーん (⦿_⦿)」
「え、正史君はなにか、あまり興味がないように思えるんだけど、わたしの気のせいかな?(´・ω・`)」
「いえ、ただ僕は、1921年に雑誌『新青年』の懸賞に応募して、『恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)』が第一席をとって掲載されたんですよね。これが僕のデビュー作とするのなら、僕のデビュー100周年の2021年にNHKは僕が主人公のドラマを何も作ってくれなかったなぁ・・・って・・・ (⦿_⦿)」
「えーと・・・(´・ω・`)」
「よくよく考えたら、僕は乱歩さんよりも探偵作家として先輩になりません?(⦿_⦿)」
「まぁ、そうとも言えるような、言えないような・・・(´・ω・`)」
「おい、乱歩。焼きそばパン買ってこい、3秒以内な。先輩の言うことは絶対だかんな(⦿_⦿)」
「正史先輩。『二銭銅貨』しか持ってないから、焼きそばパン買えません(´・ω・`)」
「やだなぁ、乱歩さん。本気にしないでくださいよぉ。『四月馬鹿(エイプリル・フール)』の冗談ですよ (⦿_⦿)」
「今は1月だけどね(´・ω・`)」