「光る君へ」への長い道のり ~『第23回 「雪の舞うころ」振り返り』(その3)(ネタバレ)~[3020文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第23回『雪の舞うころ』 の振り返り、その3です。
※以下より、第23回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第23回をご視聴ください🙇。
■[第23回『雪の舞うころ』 振り返り]その3
長徳二年(996年)、土御門殿ー。
出家した元中宮・定子〔高畑充希〕への想いをいまだ募らせる一条天皇のは、入内した藤原義子、藤原元子ら二人の女御と会おうとさえしなかった。
そこで道長〔柄本佑〕の妻、源倫子〔黒木華〕のはからいにより、藤原元子と一条天皇が語らう場が設けられたのだった。
元子の父、藤原顕光は道長に頭を下げる。
顕光「こたびのお計らい、お礼の言葉とてござりませぬ」
道長「帝と女御様がお楽しみいただければ何より」
顕光「娘は琴が得意でございますので、帝とお手合わせできることを喜んでおりました。まことに・・・まことに左大臣殿と女院様のご親切、痛み入りたてまつ・・・」
道長「(顕光の言葉を遮り)どうぞ、こちらへ」
顕光「あっ・・・」
御簾の奥で一条天皇が笛を吹き、元子が琴を奏でる。
それを見守る女院・詮子〔吉田羊〕、道長、倫子、顕光。
一条天皇の奏でる笛の音が止まる。
御簾に目を向ける詮子や道長らー。
詮子の居室。詮子と道長。
詮子「帝の中宮への思いは熱病のようね。私は夫であった帝に愛でられたことがないゆえ、あんなに激しく求めあうふたりの気持ちが全くわからないの。お前には分かる?分からないわよね」
道長「私にも妻がふたりおりますが・・・。心は違う女を求めております」
道長を見る詮子。
道長「己ではどうすることもできませぬ」
詮子「やっぱり!誰かいると思っていたのよね」
道長「まあ、されどもう終わった話にございます」
詮子「下々の女子でしょ。捨てたの?」
道長「捨てられました」
詮子「えっ!道長を捨てるって、どんな女なの?」
道長「よい女でございました」
詮子「まあ・・・。どんなふうに、よいの?夫を繋ぎ留められなかった私にはない輝きが、その人にはあるのね。中宮も帝を引き付けさんざん振り回しているけれど、私にはない。何なの?それって一体、何なの?」
道長「今宵は帝が元子様をお召しになられるよう祈りましょう」
道長はそう言うと、詮子の居室から出ていこうとする。
詮子「あっ・・・。その女のことは、倫子と明子は知っているの?倫子も明子も利口だから気づいているかも知れないわね」
道長「では」
詮子「何よ!自分から言い出しておいて。もっと聞かせなさいよ!」
去っていく道長。
小さな灯かりのもとで書き物を読む定子とききょう〔ファーストサマーウイカ〕。
定子「『鶏のひなが足が長い感じで、白くかわいらしくて、着物を短く着たような恰好をして、ぴよぴよと賑やかに鳴いて、人の後ろや先に立ってついて歩くのも愛らしい。また親がともに連れ立って走るのも、みなかわいらしい』。姿が見えるようね。さすがである」
ききょう「お恥ずかしゅうございます」
定子「そなたが御簾の下から差し出してくれる日々の、この楽しみがなければ、私はこの子と共に死んでいたであろう(お腹に手を当てる)。少納言」
定子の側に行くききょう。
ききょう「はい」
定子「ありがとう。この子がここまで育ったのは、そなたのおかげである」
ききょう「もったいないお言葉・・・(頭をさげる)」
定子「そなたを見出した母上にも、礼を言わねばならぬな」
ききょう「内裏の登華殿に、お母上様に呼ばれて初めて参りました日、亡き関白様はじめ、皆さまがあまりにもキラキラと輝いておられて、目がくらむほどにございました」
笑い合うふたり。
定子「懐かしいのう・・・」
ききょう「はい」
定子「あのころがそなたの心の中で生き生きと残っているのであれば、私もうれしい」
ききょう「しっかりと残っております。しっかりと」
遠い目でほほ笑む定子。
ナレーション:「翌日、定子は姫皇子を産んだ」
内裏ー。行成〔渡辺大知〕が一条天皇に報告する。
行成「今朝、姫皇子が御誕生になりました」
一条天皇「(立ち上がる)中宮は無事か!?」
行成「お健やかに、おわしますそうで」
一条天皇「よかった・・・。娘か・・・、中宮に会ってねぎらいたい」
動かない行成。察した一条天皇は座り直す。
一条天皇「絹をたくさん送ってやれ。今年は寒いゆえ」
行成「承知いたしました」
内裏、梨壺ー。敦明王子をあやす東宮・居貞親王。
ナレーション:「東宮、居貞親王は、道長のもう一人の姉の子である。一条天皇より、4歳年長の東宮であった」
女房「左大臣様のお越しでございます」
御簾があげられて、道長が入って来る。
道長「東宮様にはご機嫌麗しゅう、この道長もあやかりとう存じます」
居貞親王「珍しいな、叔父上。私のことなど、忘れたのかとと思っておった」
道長「あっ・・・。このところ、雑事が多く、長く参上できずにおりました。お許しを。御息所様。敦明様はおいくつになられました?」
藤原娍子「3歳にございます」
居貞親王「帝のお子は女であったそうだな」
道長「さようでございます」
居貞親王「出家した尼が子を産むとは、ゆゆしきことだ。されど産養の支度にも事欠くと聞くゆえ、祝いを送ってやれ。何でもよい。叔父上に任せる」
道長「はっ。承知つかまつりました」
道長が帰った後、晴明〔ユースケ・サンタマリア〕を呼びつける居貞親王。
居貞親王「でかしたぞ、晴明。お前が言っておったように、姫皇子であったな」
晴明「はっ」
居貞親王「帝にこのまま皇子ができねば、我が子敦明が東宮になることになる。そう思ってよいな」
晴明「恐れながら、帝に皇子はお生まれになりまする」
居貞親王「新しき女御の子か」
晴明「中宮様の皇子であろうと存じます」
居貞親王「なんと・・・」
ということで、長くなりましたので、第23回『雪の舞うころ』の振り返り』その3は、その4へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。