「光る君へ」への長い道のり ~『第42回 「川辺の誓い」振り返り』(その1)(ネタバレ)~[2913文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第42回『川辺の誓い』 の振り返り、その1です。
※以下より、第42回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第42回をご視聴ください🙇。
■[第42回『川辺の誓い』 振り返り]その1
前回からの続きー。高松殿。
道長〔柄本佑〕の胸ぐらを掴み、責めつける明子〔瀧内公美〕。
明子「あなたが、あの子を殺したのよ!顕信を返せ!返せ!返せ!顕信を返せ!返せ!」
道長を掴んだまま崩れ落ちる明子。
道長「明子!しっかりいたせ!」
頼宗〔上村海成〕「母上!薬師を呼べ!(道長に)何があったのでございますか?」
長和元年(1012年)、枇杷殿。
中宮・彰子〔見上 愛〕の前に、頼通〔渡邊 圭祐〕と教通〔姫小松柾〕。
彰子の傍らに控えるまひろ〔吉高由里子〕。
頼通「顕信が、出家いたしました」
彰子「なんと‥‥。そのような様子は、全くなかったではないか」
頼通「それが、昨日、にわかに」
彰子「何があったのだ?」
頼通「帝より父上に、顕信を、蔵人頭にしたいとの仰せがあったのでございますが、それを‥‥父上が固辞なされたそうでございます」
教通「無念な気持ちはわかりますが、蔵人頭になれなかったからといって、現世を捨てるのは、遣り過ぎでしょう」
頼通「父上も傷ついておられます」
そっと彰子を見るまひろ。
はい、ここで番組タイトルどーん (´-`) 。
寛弘8年(1011年)。内裏、藤壺ー。
高松殿。褥に明子。御簾をめくり、中に入る俊賢〔本田大輔〕。明子の側に座る。
俊賢「顕信は残念なことであった。されど、内裏の力争いから逃れ、心穏やかになったやも知れぬ」
明子「比叡山は寒いでしょう‥‥。身ひとつで入ったゆえ、こ‥‥凍えてはおらぬであろうか‥‥」
俊賢を見る明子。
明子「兄上」
俊賢「ん?」
明子「暖かい衣をたくさん‥‥たくさん届けてやってくださいませ‥‥」
虚ろな目に涙がにじむ。
土御門殿ー。
道長「明日、これらを比叡山に届けよ」
百舌彦「承知いたしました」
やつれた道長を見る百舌彦。
衣を納めた唐櫃が運ばれていく。夕暮れの庭を見つめる道長。
内裏、清涼殿ー。三条天皇〔木村達成〕と道長。
三条天皇「妍子を中宮とする」
道長「ありがたき幸せに存じます」
三条天皇「中宮 彰子様には、皇太后とおなりいただこう」
道長「はっ」
三条天皇「中宮大夫は道綱、中宮権大夫を、教通とせよ」
道長「承知つかまつりました」
ナレーション:「だが、この話は、これだけでは終わらなかった。ひとつき後‥‥」
三条天皇「娍子を、皇后とする。一帝二后をやってのけた左大臣だ。異存はあるまい」
道長「それは‥‥難しゅうございます。恐れながら、近年では、大納言の息女が皇后になった例はございませぬ」
三条天皇「それでも、朕は娍子を皇后としたい」
道長「う~ん‥‥。できませぬ」
三条天皇「そなたがこれを飲まぬなら、朕は二度と、娍子のもとには渡らぬ。渡らねば、子はできぬ。それでも、よいのか?」
ナレーション:「道長は三条天皇の術中に落ちた」
土御門殿ー。
道長を囲んだ四人の納言、斉信〔金田哲〕、俊賢、公任〔町田啓太〕、行成〔渡辺大知〕。
斉信「このままでは、帝のなさりたい放題だな」
俊賢「ならば、娍子様立后の日に、中宮 妍子様の内裏参入をぶつけてはいかがでしょうか。帝に左大臣様のお力を見せつける、またとない折にございます」
公任「うむ‥‥。確かに、公卿らの考えていることは、はっきり見えるな」
行成「そうまでして、皆の心を試さずとも、よろしいのではございますまいか」
道長「俊賢」
俊賢「はっ」
道長「公卿らへの根回しを頼む」
俊賢「承知いたしました」
内裏・清涼殿ー。
三条天皇「フッ‥‥。左大臣め、そう来たか。ならば、時をずらそう。妍子の内裏参入は、夜であるから、娍子立后の儀は、昼から行う。さすれば、公卿らは、どちらにも参れるであろう」
通任「さすが、お上。それがよろしゅうございます」
笑みを浮かべ、空を眺める三条天皇。
ナレーション:「時刻をずらしたにもかかわらず、多くの公卿たちは、道長に遠慮して、娍子立后の儀に参加しなかった」
三条天皇「右大臣も内大臣も来ないのか」
通任「いかがされたのでありましょうか」
三条天皇「右大臣も内大臣もおらねば、立后の儀の上卿を務める者が、おらぬではないか」
そこに大納言、藤原実資〔秋山 竜次〕が、娍子立后の儀にやって来る。
三条天皇「おお、実資。そなたに立后の儀の上卿を務めてもらいたい」
実資「え?私がでございますか?右大臣様と内大臣様は?」
三条天皇「そなたが務めねば、娍子は立后できぬ」
すがるような瞳の三条天皇。
実資「承知しました。天に二日なし、土に二主なし」
ずらりと膳の並んだ宴の席。無表情に料理をつまむ実資と隆家〔竜星 涼〕。他に二人ほど。
女房「来られていない方の分は、おさげした方がよろしいでしょうか?」
裏に控えた資平。
資平「そのままでよい」
御簾の奥に娍子。
対称的に、中宮 妍子の内裏参入には多くの公卿が集まった。
正光「万事、滞りなく終えた」
斉信「これからも、我々で中宮様をお支えし、もり立てていこうぞ!」
一同「はっ」
斉信「さあ皆、存分に食べて飲んでくれ」
行成「それは斉信様がおっしゃることではありません」
一同の笑い声。
斉信「‥‥と、道長が思っておる。なあ、道長」
道長「うん」
斉信「何だよ。晴の日に浮かない顔して」
道長「そのようなことはない」
俊賢「ささっ。次は私が(酌をする)」
上機嫌で酒を飲んでいる、御簾の奥の中宮妍子。
ということで、長くなりましたので、『第42回「川辺の誓い」』の振り返り』その1は、その2へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。