「光る君へ」への長い道のり ~『第24回 「忘れえぬ人」振り返り』(その4)(ネタバレ)~[3347文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第24回『忘れえぬ人』 の振り返り、その4です。
※以下より、第24回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第24回をご視聴ください🙇。
■[第24回『忘れえぬ人』 振り返り]その4
越前・国守の館ー。
越前国内の巡察から戻って来た為時〔岸谷五朗〕を、まひろ〔吉高由里子〕が出迎える。
まひろ「お帰りなさいませ」
為時「うん。今、戻った。はあ・・・。(大野国勝にむかって)そなたのお陰で、さきの介からの話を聞けた。ありがたいことだ」
大野国勝「国守様がどうしてもと仰せなので、致し方なく取り計らいました」
為時「氣比宮の宮司も親切であったなぁ」
大野国勝「あれは、官位が欲しくて、媚びを売っていただけにございます」
為時「そうなのか・・・」
まひろ「大掾様、父がお世話になりました(頭を下げる)」
大野国勝「私は越前の生まれですので、当然にございます」
まひろ「すっかり打ち解けられて、ようございました」
為時「うむ」
大野国勝「国守様。(書類の束を為時に差し出す)こちらを」
為時「うむ」
大野国勝「それでは、失礼したします(頭を下げて、部屋から出ていく)」
為時「(書類の束の中にまひろ宛ての文があるのに気づく)お前にだ」
文を受け取ったまひろは、目を通していたが、顔をこわばらせる。
為時「いかがいたした?」
まひろ「さわさんが、亡くなられたそうでござます」
文に添えられた紙を開く。
か弱い文字で書かれた詩。
ゆきめぐり あふをまつらの かがみには たれをかけつつ いのるとかしる
為時「お前にまた会いたいと思いながら、亡くなったのだな・・・」
まひろ「この歌を大切にします」
廊下をゆく為時とまひろ。
まひろ「都に戻って、宣孝〔佐々木蔵之介〕様の妻になろうかと思います」
為時「うん・・・ん?(まひろの方を向く)い・・・今、な、何と申した?」
まひろ「さわさんのことを知って、ますます生きているのも、むなしい気分で・・・」
為時「うん、むなしい気持ちはよう分かるが。それで、何故、宣孝殿の妻になるのだ?」
まひろ「先日、宣孝様が妻になれと仰せになりました」
為時「なんと!うう・・・」
まひろ「どうなさいました?」
為時「ああ・・・。腰が・・・」
まひろ「父上!あっ!」
横になった為時ー。為時の腰を揉むまひろ。
為時「宣孝殿はわしの大事な友だが、いくら何でも、お前とは釣り合わぬ。何を錯乱したのであろうか」
まひろ「私も驚きました」
為時「都に帰って婿を取るなら、それもよい。わしも国守となったゆえ、以前よりはよい婿もくるやもしれぬ。されど、宣孝殿は・・・」
まひろ「父上が不承知なら、やめておきます」
為時「いやいや。不承知とまでは言うておらぬが、あいつは年寄りながら、いまだに女にマメゆえ、お前がつらい思いをするやもしれぬぞ」
まひろ「されど、私も、もうよい年ですし・・・」
為時「まあ、それはそうであるが・・・」
まひろ「宣孝様は仰せになったのです。ありのままのお前を、丸ごと引き受ける。それができるのはわしだけだ。さすればお前も楽になろうと(手に力をこめて、為時の腰を揉む)」
為時の顔が苦痛でゆがむ。
為時「うまいことを言いおって」
まひろ「そのお言葉が、少しばかり・・・胸にしみました。思えば、道長様とは向かい合い過ぎて、求め合い過ぎて、苦しゅうございました。愛おしすぎると嫉妬もしてしまいます。されど、宣孝様だと、恐らくそれはなく、楽に暮らせるかと・・・」
為時「幼い頃から知っておるからな、あいつは」
まひろ「誰かの妻になることを、大真面目に考えない方がよいのではと、この頃思うのです」
為時「え?」
まひろ「子供も産んでみとうございますし」
為時「いたたたた・・・」
そこに、松原客館から宋の薬師が到着しましたと下女が伝える。
朱仁聡〔浩歌〕「(宋語で)国守様、周明の師が来ました」
まひろ「(為時に)周明殿の先生だそうでございます。(朱仁聡に宋語で)周明殿は?」
朱仁聡「(宋語で)生まれ故郷を見たいと出て行きました」
朱仁聡から目を逸らすまひろ。治療の後、為時と筆談をする朱仁聡。
朱仁聡:『日本との公の交易が認められないなら、我々は帰らない。我々が帰らなければ、二度と博多の津に船は着かない』
為時「二度と船が着かない・・・、なぜだ?」
為時の言葉を宋語に通訳するまひろ。宋語で返事をする朱仁聡。通訳するまひろ。
まひろ「望みは、宋と日本との交易だと・・・」
為時「それは、無理だ」
朱仁聡が宋語で返答をし、まひろが通訳する。
まひろ「宋の品が入ってこない」
為時「それは、脅しか?」
松原客館に|朱仁聡と周明〔松下洸平〕。
朱仁聡「(宋語)お前はここを出て行ったと言っておいた」
周明「シェシェ」
朱仁聡「(宋語)本当にそれでよかったのか?」
周明「(宋語)入り込めませんでした。あの女の心に」
周明を見る朱仁聡。
朱仁聡「(宋語)ヂョウ ミン。お前の心の中から消え去るとよいな」
周明「(宋語)はい」
青空に一羽のかもめ。
内裏ー。控える道長〔柄本佑〕と御簾のむこうに一条天皇〔塩野瑛久〕。
一条天皇「宋の脅しに屈してはならぬ。彼らが今、越前に持ってきている唐物を、朝廷でことごとく買ってやればよい。さすれば、諦めて帰るであろう」
道長「恐れながら、朝廷にそのようなゆとりはございませぬ」
一条天皇「ならば、公の交易を始めたらよい。大宰府では、藤原が交易のうまみを独り占めしておるゆえ、越前を朝廷の商いの場とすればよい」
道長「恐れながら、それは危のうございます。越前と都は近うございます。万が一、宋の軍が越前に押し寄せ、都に攻め上がりでもしたならば、ひとたまりもありませぬ。宋との正式な商いとなれば、彼の国は、我らを属国として扱いましょう。そのようなことこそ、断じて許してはならぬと存じます」
一条天皇「分かった。この件は、左大臣の思うようにいたせ」
道長「はっ(頭を下げる)」
一条天皇「越前の唐物の中に、おしろいと唐扇があれば、中宮のために求めたい。それだけは差し出させよ」
道長「・・・承知つかまつりました」
越前・国守の館ー。為時の手には文。為時は文から顔を上げ、ため息をつく。
大野国勝「左大臣様は、なんと?」
為時「このまま様子を見て、時を稼げと仰せだ」
大野国勝「はあ・・・」
館で文を開くまひろ。宣孝から、『早く都に帰ってまいれ』と記された文が来ている。顔を上げ、小さく微笑むまひろ。
次回、どうする道長(´-`)。
以上で『第24回「忘れえぬ人」』の振り返り』は終了です(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。