「光る君へ」への長い道のり ~『第35回 「中宮の涙」振り返り』(その1)(ネタバレ)~[2637文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第35回『中宮の涙』 の振り返り、その1です。
※以下より、第35回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第35回をご視聴ください🙇。
■[第35回『中宮の涙』 振り返り]その1
ナレーション:「道長は中宮 彰子の懐妊祈願のため、京をたって金峯山へと向かった」
寛弘四年(1007年)ー。
物陰から道長一行を見る平致頼〔中村 織央〕。
内裏、藤壺。つぼねで檜扇を胸に抱くまひろ〔吉高由里子〕。
はい、ここで番組タイトルどーん (´-`) 。
伊周〔三浦翔平〕の屋敷に戻る平致頼。
致頼「僧を含めまして、供の数は20」
伊周「左大臣の供にしては少ないな。己の身が安全だと油断しておるのか」
致頼「我らはこれより出立いたします」
伊周「11日に落ち合おう」
一同「はっ」
去ってゆく致頼と武者たち。途中、隆家〔竜星 涼〕とすれ違う。伊周の部屋に入る隆家。
伊周「何も聞くな」
隆家「聞く前に言うな」
伊周「何しに来た」
隆家「良い酒をもらったゆえ、一献どうかと思ったのだ」
伊周「酒は飲まぬ」
隆家「えっ、いつから?」
伊周「皇后様が身まかられてから、飲んではおらぬ」
隆家「そうだったかのう‥‥」
伊周「帰れ。ひとりで考えたい」
背を向ける伊周。部屋を出ていく隆家。
土砂降りの金峯山山中を進む道長〔柄本佑〕一行。
杖を突き、倒木を跨ぎながら、ぬかるんだ斜面をひたすら歩く。
ぬかるみに残る足跡を見る致頼。見上げると急な斜面に岩の出っ張り。
宿坊で夕げをとる道長一行。箸を置く道長。
はぁと息をつく道長を見る頼道〔大野遥斗〕。
頼道「いかがされました?」
道長「もうよい」
頼道「お疲れとは存じますが、道のりはまだ長うございます。精をつけませんと」
源俊賢〔本田大輔〕がやって来る。
源俊賢「明日は雨が上がりそうですな。ハハハ」
頼道「ようございましたね」
座る俊賢。
俊賢「左大臣様。もう少し召し上がられませ。体がもちませぬゆえ」
頼道「無理強いをなさいますな。いざとなれば、父上は私が背負って山を登ります」
俊賢「はあ‥‥。なんとすばらしきお心構え!頼道様はご聡明でお姿もよく、豪胆であられます。ハハハハ‥‥」
道長「あまり褒めると図に乗るゆえ、その辺にしておけ」
頼道「図に乗ったことなぞ、ありませぬ(立ち上がる)」
道長「どこへ行く?」
頼道「かわやへ」
俊賢「頼道様は、見事なご嫡男になられましたな。明子のところの頼宗も、なかなかのしっかり者に育っております。どうぞご安心くださいませ」
道長「明子は私の心を分かっておらぬ」
俊賢「え?」
道長「地位が高くなることだけが、人の幸せではない。されど明子は頼道と頼宗を競い合わせようとする。お前からも、張り合うなと明子に言うてくれ」
俊賢「は‥‥(頭を下げる)」
内裏、藤壺ー。まひろのつぼねに一条天皇〔塩野瑛久〕。
一条天皇「白い夕顔の咲く家の女は、なぜ死ななければならなかったのだ?」
まひろ「生き霊の仕業にございます」
一条天皇「光る君の夢に現れた女が、取りついたのか」
まひろ「誰かが、その心持ちの苦しさゆえに、生き霊となったのやも知れませぬ」
一条天皇「左大臣の心持はどうなのであろう。御嶽詣までして、中宮の懐妊を願う、左大臣の思いとは‥‥」
まひろ「それは‥‥親心でございましょう」
一条天皇「親心‥‥」
まひろ「左大臣様が願われるのは、中宮様の女としての幸せだと存じます」
一条天皇「御嶽詣は命がけの難行であるぞ。そのようなことで‥‥」
まひろ「そのようなことに命を懸けるのが、人の親にございます」
一条天皇「朕も3人の子の親ゆえ、子を思う心は分かる。されど‥‥こたびのことは‥‥」
切り立つ崖の縁を進む道長たち一行。
縄を掴み、わずかな出っ張りに足をかけ、垂直の岩肌を登る。
道長の後に続き、すくすくと登っていく頼道。後に続くヨレヨレの俊賢。
俊賢「(足をすべらせる)あっ!」
頼道「手を!」
手を差し出す頼道。俊賢は掴もうとするが届きそうで届かない。指先を引っ掛ける。腕と腕を掴みあう。力の限り俊賢を引っ張り上げる頼道。
ナレーション:「京をたって9日目。道長一行は、金峯山寺の山上本堂にたどり着いた」
経を唱える泥だらけの道長たち。
ナレーション:「金峯山寺で様々な仏事を催した道長は、最後に山上本堂の蔵王権現に自ら書き写した経典をささげた」
山頂に掘られた穴に経典を埋める。
山中の岩の出っ張りに潜んだ武者たち。斜面を見下ろしている伊周。
武者「一行がやってきました。間もなくここを通ります」
伊周「(傍らの致頼を見て)必ず射止めよ」
致頼「お任せください」
伊周「首尾よくゆけば、お前を検非違使に推挙いたそう」
致頼「はっ!矢を射かけたら、杣道伝いに里へ逃げよ。決して捕らえられてはならぬぞ!」
山道を下りて来る道長一行に向い弓を構える平致頼と武者たち。
杖をつき、足場の悪い斜面を下っていく道長たち。
ということで、長くなりましたので、『第35回「中宮の涙」』の振り返り』その1は、その2へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。
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