[いだてん噺]二十三日間03(1513文字)
スウェーデンのエテボリーに着いて3日目の8月6日ー。
この日は、午後4時から練習に出かけている。
スウェーデン語のスタートに使われるフレーズにも慣れて来たことが自伝に記されている。
今大会の練習で初めて取り込んだ円盤投げについては、『少しずつ入念に研究的に』取り組みを始めている。
また最後に、『マッサージのおかげか練習の疲れも出ない』と記されていた。
『脚の筋肉がはなれてしまう程痛い』と、一日前の8月5日に記したほどであったが、どうやら痛い思いをした分の効果は十分にあったようである。
スウェーデンのエテボリーに着いて4日目の8月7日ー。
この日は午前10時に練習に出かけている。
居合わせた男子選手と一緒に何度もスタートの練習を行い、60メートルの全力疾走を行っている。
練習を終えて、ホテルに戻った絹枝宛てに、電報が来ていた。
大阪毎日新聞、運動部長の木下東作からだった。
出場種目へのアドバイスと参加選手の競技記録が記されていた。
絹枝は何度もこの電文を繰り返し読んだという。
そして、つぎの歌を詠んでいる。
(※都市名は、人見絹枝自伝に記されているエテボリーに統一)
(敬称略)
■参考・引用資料
●『人見絹枝―炎のスプリンター (人間の記録)』人見 絹枝:著、 織田 幹雄 ・戸田 純:編集
●『二階堂を巣立った娘たち』 勝場勝子・村山茂代:著
●『はやての女性ランナー: 人見絹枝讃歌』 三澤光男:著
●『短歌からみた人見絹枝の人生』 三澤光男:著
●『KINUEは走る』 著:小原 敏彦
●『1936年ベルリン至急電』 鈴木明:著
●『オリンピック全大会』 武田薫:著
●『陸上競技百年』 織田幹雄:著
● 国際女子スポーツ連盟 - Wikipedia アリス・ミリア - Wikipedia