「光る君へ」への長い道のり ~『第22回 「越前の出会い」振り返り』(その2)(ネタバレ)~[2808文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第22回『越前の出会い』 の振り返り、その2です。
※以下より、第22回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第22回をご視聴ください🙇。
■[第22回『越前の出会い』 振り返り]その2
長徳二年(996年)ー。敦賀・松原客館。
館で資料を見る為時〔岸谷五朗〕。
為時「まことに商いをしに来た・・・だけなのか・・・」
そこにまひろが戻って来る。
為時「どこに行っておったのだ?」
まひろ「浜辺にこざいます。父上、ザイジィエンとは・・・どういう意味にございますか?」
為時「また会おうという意味だ」
まひろ「また会おう・・・」
三国若麻呂「国守様。よろしゅうございますか?」
為時「入れ」
三国若麻呂「明日、国府におたちになる国守様のために、うたげを催したいと朱殿からのお誘いにございます」
為時とまひろを案内する三国若麻呂。
三国若麻呂「(宋語で)国守様が来られました」
椅子から立ち上がる宋人たち。うたげが始まる。席につく為時とまひろ。卓を囲む一同。奏でられる宋の楽器に興味津々のまひろ。
立ち上がった朱仁聡は宋語で語り、三国若麻呂が日本語に訳す。
三国若麻呂「我らの国の料理です。国守様のために作らせました。国守様の前途をことほいで」
一同は盃を持ち、「チン」と言い合い乾杯する。
まひろの前に置かれる料理の皿。宋語で説明されたあと、三国若麻呂が「羊の肉にございます」と訳す。
まひろ「羊!?」
三国若麻呂「あの庭にいた茶色のあれでございます。羊を一匹潰すのは、宋の国では最高のもてないです」
羊の肉の皿を目の前にして、とまどう為時。
宋人「チン」
三国若麻呂「どうぞ」
鼻を近づけ、目をしょぼしょぼさせる為時。
まひろ「いただきます」
一同の顔色をうかがいながら、羊の肉を一口、食べるまひろ。
まひろ「まぁ・・・。おいしい」
一同の笑い声。朱仁聡は宋語で話す。
三国若麻呂「食べてくれてありがとうと言っております」
為時が自作の漢詩を詠む。
『この客人の心はみなひとつ 中でも貴殿の才気は最もあふるるもの 威容と名声は遠くかすみたなびく村落まで響きわたる』
宋人のひとりが宋語で喋り、拱手の礼をする。
三国若麻呂「すばらしい漢詩を作られたと感心しております」
宋人一同は為時に拱手の礼をする。
一同「シェシェ」
部屋を出るまひろ。月明かりの庭に周明がいる。
まひろ「ごちそうさまでした(頭を下げる)宋の方々はにぎやかね。正直、羊はあんまりおいしくなかったけど・・・シェシェ。(周明は黙ったままでいる)シェシェはありがとうという意味ではないの?(拱手の礼をまねる)シェシェ」
周明「フッ・・・」
為時も部屋から出て来る。
為時「ああ・・・もう飲めぬ・・・」
まひろ「では、そろそろおいとまいたしましょう。(足元がおぼつかない為時を支え)参りましょう」
まひろは周明を見て、ザイジィエン(また会いましょう)と言い頭を下げる。黙ったまま、まひろを目で追う周明。
ナレーション:「翌日、松原客館を出た為時らは、越前国府に到着した」
朱塗りの扉の奥に、贅沢なしつらえの石畳の部屋。頭を下げ、為時を迎える立った姿勢の役人たち。
源光雅「遠路はるばる越前へようこそお越しくださいました。越前介源光雅にございます」
大野国勝「大掾 大野国勝にございます」
源光雅「京の都と違い、初めは何かとご不便がおありでしょう。我らに何なりとお尋ね、お申しつけくださいませ」
為時「従五位下 藤原 朝臣為時である。身に余る大任であるが、誠心誠意努める所存。諸事よしなに頼むぞ」
一同「ははっ!(頭を下げる)」
為時「早速だが、道中 敦賀にて宋人たちの様子は見てきた。船の修理はどうなっておる?」
源光雅「予定より遅れてはおりますが、粛々と進めておりまする」
為時「事の仔細を、早速に知らせよ。いずれは赴いてこの眼で船の様子も見たい」
源光雅「ご着任早々、そのような。宋人のことはこちらでよしなになっておきますので」
為時「いや、左大臣様より宋人の扱いを任されて、私は越前に参った。わが国が信用を落とすようなことはできぬ」
顔を見合わせる者、下を向く者。一同の顔色を見るまひろ。
源光雅「はっ。では船の仔細は後ほど・・・(頭を下げる)」
まひろは豪華な調度品の並ぶ広い部屋に侍女たちに案内され、「姫様。こちらでお過ごしいただきます」と言われる。
御簾を下ろして「これにて」と下がる侍女たち。
用意された白紙の和紙を文机に広げ、空を眺めるまひろ。墨をすり和紙に歌を記す。
まひろ「(心の声)『かきくもり 夕立つ波の 荒ければ 浮きたる船ぞ しづ心なき』」
執務部屋の為時。
源光雅は為時と二人きりになると、金子が詰められた袋を差し出す。
源光雅「どうぞ越前のことは、我ら越前の者にお任せくださいませ。国守様はそれをただお認めいただければ、懐をお肥やしになって、都にお戻りになれましょう」
袋を開ける為時。中には金子。
為時、立ち上がる。
為時「そなたは私を愚弄する気か」
源光雅「めっそうもないことにございます」
為時「(袋を突き返す)下がれ」
源光雅「ははっ」
袋を受け取り、執務室から出ていく源光雅ー。
この時以降、源光雅らによる、為時への嫌がらせが始まるのだった。
ということで、長くなりましたので、『第22回『越前の出会い』の振り返り』その2は、その3へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。