「光る君へ」への長い道のり ~『第42回 「川辺の誓い」振り返り』(その2)(ネタバレ)~[2828文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第42回『川辺の誓い』 の振り返り、その2です。
※以下より、第42回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第42回をご視聴ください🙇。
■[第42回『川辺の誓い』 振り返り]その2
娘の千古をあやす実資〔秋山 竜次〕。
実資「ぶるぶる ぶるぶる ぶるぶる‥‥バ~!」
千古「面白い」
実資「ハハハハ。ぶるぶる ぶるぶる ぶるぶる‥‥プ~!」
千古「面白い」
実資「フフフフフ」
百乃「殿。そのように妙なこと、教えないでください」
資平「父上!」
控える資平。
資平「帝が大層お喜びでございました」
実資「あの日のことなら、思い出したくはない。のう(千古のほうを見る)べろべろべろ‥‥。千古、食べてしまうぞ。ハハハハハハ!」
資平「帝から、父上へのお言葉を、お預かりしております」
百乃「(千古にむかい)こちらへいらっしゃい。父上はお仕事ですよ」
しぶしぶ娘を預ける実資。
実資「何だ?」
資平「『やっと帝になれたゆえ、政を思いっきりやりたい。左大臣にあれこれ言われたくない。それに、しかるべき時が来れば、そなたを私の相談役にしたいと思っている』と」
実資「この前は、行きがかり上、立后の儀の上卿になってしまったが、私は私であって、帝、左大臣殿どちらの味方でもない。帝も調子のよいことを」
資平「されど、今こそでございますよ、父上」
実資「浮かれるな」
内裏、清涼殿ー。
三条天皇〔木村達成〕と道長〔柄本佑〕。
道長「娍子様立后を成し遂げられましたあとも、藤壺にお渡りなきは、何故でございますか」
三条天皇「渡ってはおるぞ。されどいつ行っても、うたげを催しており、若い男に囲まれて、朕のような年寄りが、入り込む隙はないのだ」
道長「う~ん‥‥。中宮様がうたげばかりなさるのは、お上のお渡りがなく、寂しいゆえにございます」
三条天皇「そのようには見えぬが、これからは、そのように思ってみよう」
道長「は‥‥。お上のご寵愛がございますれば、中宮様は変わられます」
鼻で笑う三条天皇。
三条天皇「そういえば、比叡山では、僧どもに石を投げられたそうだな」
道長「ああ‥‥。は。息子の受戒に参列しようとしたら、馬に乗ったまま、山に入られたことに腹を立てられまして」
三条天皇「石が飛んで来ただけでも、たたりがあるらしい。しっかりと、はらってもらうがよい」
道長「はっ(頭をさげる)」
ひれ伏す道長の顔から笑みが消える。
ナレーション:「それからも、三条天皇は妍子のもとには、なかなか渡らなかった」
藤壺。頼宗に酌をさせ、教通の舞をながめる妍子。
彰子〔見上 愛〕の在所、枇杷殿ー。廊下で足を止める道長。
視線の先にまひろ〔吉高由里子〕のつぼね。気配に顔をあげるまひろ。
道長「すまぬ。邪魔をして」
まひろ「皇太后様に御用でしたの?」
道長「うん。呼ばれたのだ。中宮 妍子様のことで、お心を痛めておられる。うたげ三昧で、無駄遣いもすさまじいゆえ、その悪評が、皇太后様のお耳にも入ったようだ」
まひろ「はあ‥‥。さようでございましたか」
道長「実は‥‥、中宮 妍子様のもとに、帝がお渡りにならぬのだ。さきの帝と彰子様の間には、『源氏の物語』があった。されど、今の帝と妍子様には、何もない。『源氏の物語』も、もはや役には立たぬのだ。なんとかならぬであろうか」
まひろ「う~ん‥‥。私には、どうすることもできませぬ」
道長「それだけのものを書けるお前だ。何か知恵はあるだろう」
まひろ「物語は、人の心を映しますが、人は、物語のようにはいきませぬ」
道長「つまらぬことを言った」
去っていく道長を目で追うまひろ。筆をかまえなおす。こぼれるままにしたためる。
まひろ「『もの思ふと 過ぐる月日も 知らぬ間に 年もわが世に 今日や尽きぬる』」
夜更けの縁にまひろー。
まひろ「『物思いばかりして、月日が過ぎたことも知らぬ間に この年も わが生涯も 今日で尽きるのか‥‥』」
雲に隠れる月。
枇杷殿ー。まひろのつぼねを通りかかる道長。まひろの姿が無い。文机に一枚の紙。紙に漢字二文字。『雲隠』。
道長「あ‥‥」
目をつむり、こめかみを押さえる道長。
道長「ああ‥‥」
屋敷の門を入るまひろー。
きぬ「お帰りなさいませ」
まひろ「ただいま」
いと「お帰りなさいませ」
まひろ「ただいま。賢子は?」
いと「それが、乙丸を連れて、お出かけにございます」
まひろ「ああ‥‥。そう」
いと「双寿丸がこのごろ、毎日のように顔をだして困ります」
まひろ「賢子はまだ子供よ。いとが心配するようなことはないわ」
いと「裳着は、お済ましでございますよ。何が起きても不思議ではありません」
まひろ「それなら、それで‥‥よいではないの。フフ」
いと「え~!」
賢子「すぐに手当てをするから」
双寿丸「これしきの怪我、武者にはどうってことない」
賢子が返って来る。双寿丸と乙丸。
賢子「あっ、母上!。どうしたらいいの?」
まひろ「ああ‥‥。傷を水で流しなさい」
賢子「こっち(双寿丸を水場に連れて行く)」
双寿丸「大げさだな‥‥この家は」
いと「そのような怪我をしてるのに、わざわざここまで来なくても」
双寿丸「あんたの飯が、うまいから」
いと「まっ‥‥口がうまいこと!」
賢子「痛む?」
双寿丸「いや、平気だ」
ふたりを眺め、ほほ笑むまひろ。
ナレーション:「その夜、道長は病に倒れた」
布を絞り、道長の顔の汗を拭く倫子〔黒木華〕。
道長「ああ‥‥」
体をよじる道長。
内裏、清涼殿ー。
源道方「左大臣様のご辞表にございます」
差し出された手に取る三条天皇。目を通す。
三条天皇「どうしたものか‥‥」
源道方「返すのが先例にございます」
三条天皇「(ため息をつき、小声で)返したくないがのう‥‥」
ということで、長くなりましたので、『第42回「川辺の誓い」』の振り返り』その2は、その3へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。