[いだてん噺]二十三日間09(810文字)
スウェーデンのエテボリーに着いて11日目から13日目、8月14日から8月16日の3日間、絹枝は脚の痛みなどの為に、練習を休んで休養につとめている。(3日間、マッサージも受けていた)
自伝に『元気恢復した』と書かれている8月17日の午後1時から練習を再開している。
天気の良い日で、『スウェーデンに来て以来、こんなに気持ちのいい日は初めてだ』と自伝に記されている。
数日間休んだためか、スタートの練習では、最初の2回は調子が合わなかったが、続けて4回ほど練習するうちに、以前の調子に戻ることができた。
百メートル走は12秒6、六十メートル走は7秒7、百ヤード走は11秒8と、絹枝自身も納得がいく好レコードを出せたため、『うれしい』と自伝に記している。
走幅跳びは、跳躍場が変わったため、踏み切りが合わなかったが、4回目で、5メートル53が出る様になる。
練習を終えて、帰りに大会委員会の事務所に顔を出した絹枝は、百ヤード走の第一次予選の組み合わせが出来ていることを知らされる。
絹枝はイギリスのハイネスという選手との組み合わせになっていた。
知らない選手であった。
早く各国選手が来て、その成績を見せて欲しいと思う絹枝だった。
(※都市名は、人見絹枝自伝に記されているエテボリーに統一)
(敬称略)
■参考・引用資料
●『人見絹枝―炎のスプリンター (人間の記録)』人見 絹枝:著、 織田 幹雄 ・戸田 純:編集
●『二階堂を巣立った娘たち』 勝場勝子・村山茂代:著
●『はやての女性ランナー: 人見絹枝讃歌』 三澤光男:著
●『短歌からみた人見絹枝の人生』 三澤光男:著
●『KINUEは走る』 著:小原 敏彦
●『1936年ベルリン至急電』 鈴木明:著
●『オリンピック全大会』 武田薫:著
●『陸上競技百年』 織田幹雄:著
● 国際女子スポーツ連盟 - Wikipedia アリス・ミリア - Wikipedia