「光る君へ」への長い道のり ~『第43回 「輝きののちに」振り返り』(その2)(ネタバレ)~[2883文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第43回『輝きののちに』 の振り返り、その2です。
※以下より、第43回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第43回をご視聴ください🙇。
■[第43回『輝きののちに』 振り返り]その2
高倉殿ー。
まひろ〔吉高由里子〕「お見事でございます。では、お次は‥‥はい」
彰子〔見上 愛〕を前に、まひろたちと偏継ぎ遊びをしている敦成。
大納言の君「これでしょうかしら?」
敦成親王「これ!」
まひろ「はい」
敦成親王「『木』と『交』で『校』!」
まひろ「お見事!」
道長〔柄本佑〕がやって来る。
宮の宣旨「左大臣様でございます」
道長「東宮様。どうぞ、お続けくださいませ」
敦成に頷く彰子。
まひろ「では、お次は‥‥こちら(『会』の札)」
敦成「これ!」
まひろ「はい」
敦成親王「『糸』と『会』で『絵』!」
まひろ「お見事でございます」
道長「東宮様。じじも、ご一緒してよろしゅうございますか?」
敦成親王「よい!」
まひろ「では、お次は‥‥こちら(『寺』の札)」
道長「偏と旁が分かれておると、分かりにくいのう‥‥」
敦成「これ!」
まひろ「はい」
敦成親王「『日』と『寺』で『時』!」
まひろ「お見事でございます」
道長「東宮様は、ご聡明であられますな。おいくつにおなりでございますか?」
敦成親王「7つ!」
道長「さきの帝が、ご即位なさったお年ですな‥‥。これも楽しゅうございますが、学問はよき博士につかれるのが何より。いずれ帝となられる東宮様にございますゆえ」」
彰子「左大臣。藤式部は、博士に劣らぬ学識の持ち主であるぞ」
道長「それはよく存じておりますが、帝たるべき道を学ばれるのは、全く別のことにございますれば」
敦成親王「早く、次!」
まひろ「ああ‥‥」
彰子とまひろ。
彰子「父上が帝にご譲位を迫ったと聞いた。父上が追い詰めたせいで、更に帝のお具合が悪くなったとも。政とは、それほど酷にならねば、できぬものなのだろうか」
まひろ「私は、かって‥‥男だったら、政に携わりたいと思っておりました。されど、今はそう思いませぬ。人の上に立つ者は、限りなく、つらく、さみしいと思いますので」
彰子「東宮様が、帝になれば、父上の思うままになってしまうのであろうか」
まひろ「たとえ左大臣様でも、皆をないがしろにして、事を進めることは、おできにならぬと存じます。なぜなら、左大臣様は、陣定に自らお出ましになることを望まれ、長年、関白をご辞退されてきたと伺います。たった一人で、何もかも手に入れたいとお思いとは、到底思えませぬ」
彰子「藤式部は、父上びいきであるのう‥‥」
小さく笑うまひろ。
枇杷殿ー。
手を引かれ、座に就く三条天皇。御簾の外の実資〔秋山竜次〕。
三条天皇「左大臣めが、朕を脅してきた。実資、朕は目を病んでおる。時には、耳もよく聞こえなくなることもある。しかし、朕は正気である。朕には、まだやれることがある。実資、朕を守ってくれ。左大臣から、朕を!頼む」
実資「は‥‥(頭を下げる)」
執務部屋に入り、道長の前に立つ実資。人払いをする道長。
実資「帝に、ご譲位を迫っておられるそうですな」
道長「ああ。そうだ。目も耳も病んでおられる帝が、まともな政をおなしになれるとは思えぬ。ご譲位あそばすのが、帝としての正しき道と考える」
座る実資。
実資「その考えもよく分かります。されど、帝のお心は、譲位に向ってはおられませぬ。責めたて申し上げたれば、帝のお心も、お体も、弱ってしまわれるでありましょう。弱らせることが、正しきやり方とは思えませぬ。このまま、左大臣殿が己を通せば、皆の心は離れます」
道長「ふっ。離れるとは思わぬ。私は間違ってはおらぬゆえ」
実資「幼い東宮を即位させ、政を思うがままになされようとしておることは、誰の目にも明らか」
道長「左大臣になって、かれこれ20年。思いのままの政など、したことはない。したくても、できぬ。全くできぬ」
実資「左大臣殿の思う政とは、何でありますか?思うがままの政とは」
道長「民が幸せに暮らせる世を作ることだ」
実資「民の幸せとは。そもそも、左大臣殿に民の顔なぞ、見えておられるのか?幸せなどという、曖昧なものを追い求めることが、我々の仕事ではございませぬ。朝廷の仕事は、何かが起きた時、まっとうな判断ができるように、構えておくことでございます」
道長「志を持つことで、私は、私を支えてきたのだ」
実資「志を追いかける者が、力を持つと、志そのもが変わっていく。それが世の習いにございます」
道長「ん?おい。意味が分からぬ」
実資「帝のご譲位、いま少し、お待ちくださいませ(頭を下げる)」
一礼し、去っていく実資。
ぼんやり目で追う道長。
三条天皇に差し出される粒上の薬と白湯。
手探りで薬を取り、白湯で流し込む。足音。
三条天皇「誰だ?」
娍子「お上」
三条天皇「「おお‥‥。娍子。会いたかったぞ」
娍子「お上‥‥」
三条天皇「これを見ろ。宋から取り寄せた薬だ。この薬が効けば、そのうち目も耳も治る」
娍子「お上‥‥」
敦明親王「御免つかまつります」
三条天皇「誰だ?」
敦明親王「敦明にございます」
三条天皇「ああ‥‥。何だ?」
敦明親王「私の友、兼綱を蔵人頭にしてくださいませ」
三条天皇「亡き関白、道兼の息子か?」
敦明親王「さようにございます。さようにございます。蔵人頭にしてやらないと、私の顔が立ちませぬゆえ。ひとえにお願いつかまつります(頭を下げる)」
三条天皇「うん‥‥それはどうかのう‥‥」
娍子「私からもお願いいたします」
三条天皇「ん~‥‥」
ナレーション:「敦明親王の懇願で、蔵人頭は資平ではなくなった」
実資「憤慨した。約束したではないか。約束をほごにするなら、私を二度と頼りにするな!」
力任せに墨をする実資。
オウム「スルナ!」
ということで、長くなりましたので、『第43回「輝きののちに」』の振り返り』その2は、その3へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。