「光る君へ」への長い道のり ~『第26回 「いけにえの姫」振り返り』(その1)(ネタバレ)~[3089文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第26回『いけにえの姫』 の振り返り、その1です。
※以下より、第26回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第26回をご視聴ください🙇。
■[第26回『いけにえの姫』 振り返り]その1
ナレーション:「長徳4年10月。日蝕と自身が同日に都を襲った」
長徳4年(998年)ー。
京・為時の屋敷も地震の被害を受けたが、宣孝〔佐々木 蔵之介〕の資金援助により屋敷の修繕が速やかに行われていた。
いと「お方様・・・」
いとに言われて、まひろ〔吉高由里子〕は、運び込まれた新しい調度品の置き場所を支持する。
まひろ「二階棚は、そちらに。鏡台はその横です」
いと「宣孝様がこんなにも裕福なお方とは、存じませんでした」
まひろ「そうね・・・」
いと「不吉な大水も日蝕も地震も吹き飛ばす頼もしさですわ。福丸はぐらりと揺れた途端に、私をほっぽり出して逃げてゆきましたけど。宣孝様はお方様をかばわれて、覆いかぶさっておられて、胸打たれました」
まひろ「そうね・・・」
そこにきぬと福丸がやって来る。
きぬ「福丸さんが来られましたよ」
福丸「どうも」
いと「もう!どこに行ってたのよ!」
福丸「(頭をかきながら)まあまあまあ・・・」
宣孝「おお、だいぶ進んでおるな。おう、頼んだぞ」
宣孝が姿を現す。
まひろ「お帰りなさいませ」
宣孝「まひろ。今日は、取って置きの贈り物を持ってまいった」
まひろ「毎度の贈り物は、もう・・・」
宣孝「わしがしたいのだ。断るな(笑い声)」
部屋で宣孝からの贈り物の鏡をみるまひろ。
まひろ「このような、よく映る鏡で自分の顔を、まじまじと見たことはありませぬ。うれしゅうございます」
宣孝「我ながらかわいいであろう」
まひろ「まあ思ったとおりでございます」
宣孝「おっ。自信はあったのだな」
まひろ「またそのようなお戯れを」
宣孝「ならば、もっと戯れよう」
御簾を下ろす宣孝。
宣孝「まひろ・・・」
はい、ここで番組タイトルどーん (´-`) 。
内裏・清涼殿ー。庭に控える安倍晴明〔ユースケ・サンタマリア〕。
蔵人頭・行成〔渡辺大知〕は御簾の向こうの一条天皇〔塩野瑛久〕に、書状を差し出す。
行成「安倍晴明による日蝕と地震についての「天文密奏にございます」
ナレーション:「天文密奏とは、異常な天文現象が起きた時、その占い結果を内密に天皇に知らせることを言う。天皇以外の者が読むことは許されなかった」
一条天皇「朕のせいなのか・・・」
虚ろな目の一条天皇。
内裏・道長〔柄本佑〕の執務室ー。
部下の恒方が、道長に、災害の被害状況を報告している。
恒方「水にのまれ、また建物の下敷きとなり、命を落とした者の数は100を超えております」
道長「人夫を増やして、まずは堤を急ぎ築き直せと、山城守と検非違使に伝えよ」
恒方「はっ!」
晴明の屋敷ー。
晴明「お出まし恐縮にございます」
道長「この天変地異はいつまで続くのだ。お前の見立てを聞かせてくれ」
晴明「帝のお心の乱れが収まれば、天変地異は収まります」
道長「中宮様のもとに昼間からお渡りになり、政をおろそかになさっていることは、先日お諫めいたした」
晴明「天地の気の流れを変え、帝のお心を正しきところにお戻しするしかございませぬな」
道長「いかがすればよい」
晴明「左大臣様がよきものをお持ちと申しました。よきものとは、左大臣様の一の姫、彰子様にございます。出家とは、片足をあの世に踏み入れること。もはや后たりえぬ中宮様によって、帝は乱心あそばされたのです。今こそ、穢れなき姫君を!」
道長「義子様も、元子様も、おられるではないか」
晴明「お二人の女御様とそのお父上には何のお力もございませぬ。左大臣様の姫君であらねば」
(雷雨の音)
道長「できぬ」
晴明「私には見えます。彰子様は朝廷のこの先を背負って立つお方」
道長「そのような娘ではない!引っ込み思案で、口数も少なく・・・。何より、まだ子供だ」
晴明「恐れながら、入内は彰子様が背負われた宿命にございます」
(雷雨の音)一点を見据える道長。
土御門殿ー。
道長は彰子の入内について、姉でもある女院・詮子に相談する。
詮子〔吉田羊〕「お前もそろそろ、そのくらいのことをしたら?」
道長「女院様まで、なんということを!」
詮子「身を切れということよ。お前はいつも、きれいなところにいるもの。今の地位とて、あくせくと策を弄して手に入れたものではない。運がよかったのでしょう。なにもかも、うまくいき過ぎていたのよ」
道長「身を切る覚悟は常にございます。されど、彰子はまだ子供」
詮子「子供であろうとも、それが使命であれば、やりぬくでしょう」
道長「むごいことを仰せられますな」
詮子「それそれ。そういう娘をかばう、よき父親の顔をして、お前は苦手な宮中の力争いから逃げている。私は父に裏切られ、帝の寵愛を失い、息子を宮中に奪われ、兄上に内裏を追われ、失い尽くしながら生きて来た。それを思えば、道長もついに血を流す時が来たということよ。朝廷の混乱と天変地異が収まるなら、彰子をお出しなさい」
道長「姉上が、そのように私を見ておられたとは知りませんでした」
詮子「大好きな弟ゆえ、よく見ておっただけよ」
拗ねたような顔の道長。
長男の田鶴(後の藤原頼通)がやって来てくる。
田鶴「父上!」
倫子〔黒木華〕「申し訳ございませぬ。田鶴が聞かなくて」
田鶴「父上。今日、迦陵嚬の舞を習いました」
道長「ほう、そうか」
田鶴「ご覧ください。いんじゃ・・・。〽ち~ち~ら~ろ~ろ~」
道長「ハハ・・・。今度、ゆっくり見るゆえ」
倫子「田鶴。父上はお疲れです。またにしなさい」
廊下に控えた道長の娘たち。道長は、彰子〔見上 愛〕の方を見る。
道長「彰子、そなたは何をしておったのか?」
彰子は返事をしない。
田鶴「姉上は、何もしてません」
倫子「これ!父上のお邪魔をしてはいけませんよ。あちらに参りましょう。(詮子に向い頭を下げる)ご無礼をいたしました」
小さく頭を下げ、去っていく彰子姫。
目で追う道長。
ということで、長くなりましたので、『第26回「いけにえの姫」』の振り返り』その1は、その2へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。