【思い出はモノクローム】懐かしのテレビCM ~従業員のリストラを救ったCM?~
大橋巨泉氏本人が言ってることなので、どこまで本当かは不明ですが🤔。
1968年、高校生・大学生からみたテレビの司会者で人気No1だった大橋巨泉氏にパイロット万年筆からCM出演の依頼が来ます。
CMの商品は軽量小型万年筆「パイロット・エリートS」です。
この当時、万年筆は、ボールペンにとって代わられており、パイロット万年筆も経営不振で、従業員800人のリストラを巡って、会社と組合が対立をしていたそうです。
重要な顧客層である学生に人気の大橋巨泉氏をCMに起用して商品の売り上げアップを託そうというわけですね。
ところが、受け取ったCMの台本は、大橋巨泉氏からみれば全く面白くなかったそうです。
そこでCM撮影を終えた後、大橋巨泉氏は、アドリブでもうひとつ撮らせてくれと提案しました。
セットもなにも必要としない、譜面台にむかって万年筆のキャップを取ってちょっとなにかを書くようなしぐさをしながら、こう喋ります。
『みじかびの、きゃぷりてぃとれば すぎちょびれ、すぎかきすらの、はっぱふみふみ』
そして、少し間をおいて『解るね』と笑いながら言って、それで終わりです。
もちろんスタジオはポカーンな( ゚д゚)状態だったそうですが、それでも台本のCMよりは面白いという意見もあり、スポンサーのパイロット万年筆の社員の人も困ったのか、両方持ち帰って会社でどちらにするか検討しますということになりました。
結果、大橋巨泉氏のアドリブがCMに採用され、このCMが話題となり商品も爆発的に売れて、パイロット万年筆のリストラ話もなくなったそうです。
どれだけ話題になっても、必ずしも商品の売れ行きに結びつくとは言えないのがCMなのですが、このCMは話題になりかつ商品も売れたという例だそうです。😅
後年、タモリ氏のギャグに、意味不明な言葉(ハナモゲラ語?)を喋るというものがありましたが、その先祖的存在が、この『はっぱふみふみ』なのかもしれません。
尚、SF作家筒井康隆氏とタモリ氏、山下洋輔氏の共著で「定本ハナモゲラの研究」という本が1982年に出されていますが、今は絶版中です😓
■参考資料
『ゲバゲバ70年! 大橋巨泉自伝』大橋巨泉(著)