「光る君へ」への長い道のり ~『第43回 「輝きののちに」振り返り』(その4)(ネタバレ)~[2221文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第43回『輝きののちに』 の振り返り、その4です。
※以下より、第43回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第43回をご視聴ください🙇。
■[第43回『輝きののちに』 振り返り]その4
ナレーション:「11月。臨時の除目が行われた」
道長〔柄本佑〕「中納言 藤原朝臣隆家を、大宰権帥に任ずる」
ひとり、除目の席に残った行成〔渡辺大知〕。
行成「道長様は、私を、何だとお思いでございますか?私の望みを捨て置いて、隆家殿を大宰権帥になさるとは」
道長「行成は‥‥俺の側にいろ。そういうことだ」
拗ねたような顔で、去っていく道長を目で追う行成。
ききょう〔ファーストサマーウイカ〕に頭を下げる隆家〔竜星 涼〕。
隆家「すまぬ。このまま、目の病で、政から身を引くのは耐え難い。いまだ、何もなしておらぬのに、ここで諦め切れぬのだ。そなたと、脩子内親王様を置いてゆくことを許してくれ(頭を下げる)」
ききょう「大宰府でお目を治して、お戻りくださいませ。脩子様は、私がしかとお守りいたしますので」
隆家「何か、たたずまいが変わったな‥‥」
ききょう「そうでございましょうか?」
隆家「いつも、かみつきそうな勢いであったが、それがなくなった」
ききょう「恨みを持つことで、己の命を支えてまいりましたが、もう、それは、やめようと思います。この先は、脩子様のご成長を楽しみに、静かに生きてまいりますので、お心おきなく、ご出立くださいませ」
夕焼けの道ー。賢子〔南沙良〕と双寿丸〔伊藤健太郎〕、後ろに乙丸。
双寿丸「俺、来年、大宰府に行く。殿様の為賢様が、府藤原隆家様に従って、大宰府に下るのに、ついていくのだ」
賢子「何しに行くの?」
双寿丸「武功を立てに行く。俺は武者だぞ」
賢子「私も一緒に行く」
双寿丸「え?」
賢子「一緒に連れてって」
双寿丸「女は、足手まといだ。お前は、都でよい婿を取って、幸せに暮らせ」
賢子「双寿丸のいない所に、私の幸せはないわ」
双寿丸「お前を連れて行く気はない。そんな顔するな」
賢子「ご飯を食べに来ていただけなの?」
双寿丸「ああ。うまい飯がゆっくりと食えて、妹みたいなお前がいて、楽しかった。俺は捨て子で、身寄りがないゆえ、お前の家には、俺の知らない温かさがあった。ありがとう」
賢子「やっぱり一緒に行く」
双寿丸「駄目だ。道中、何があるか分からぬ」
賢子「それでもいい」
双寿丸「駄目だ。おじじ様と、母上と、いとには、改めて礼を述べに行く」
双寿丸を目で追う賢子。そっと見ている乙丸。
夜。ぼんやり縁に座った賢子。月明かりに涙が光る。琵琶を鳴らすまひろ。側にすわる賢子。
賢子「母上は振られたことある?」
まひろ「あるわよ」
琵琶を置くまひろ。
賢子「双寿丸に言われたのです。女は足手まといだって」
まひろ「そう‥‥」
賢子「ひとりで大宰府に行くのですって」
まひろ「武者は命を懸ける仕事ゆえ、あなたを危ない目に遭わせたくないのではないの?」
賢子「だったら、そう言えばいいのに‥‥」
まひろ「大抵の男は、そういうことを言いたがらないものなのよ。それゆえ、分かってあげなくては」
賢子「母上まで、双寿丸の肩を持つの?」
まひろ「ううん。生きていると、そういうことが、ままあるのよ。泣きたければ、(両腕を広げ)私の胸で泣きなさい」
賢子「そんな‥‥。フフ‥‥できません!」
笑い合うふたり。
賢子「双寿丸の門出を祝って、うたげを開いても、構いませんか?」
まひろ「振られたのに?」
賢子「フフフ。せめて、あの人の思い出に残ってほしいもの」
まひろ「そう。よい考えだこと」
笑い合うふたり。
賢子「(立ち上がり)いと!」
賢子を目で追うまひろ。
ささやかなうたげ。福丸が躍る。
福丸「〽 ふたつに ひさしき かしまだち いやさか いやさか 〽 ふたつに ひさしき かしまだち いやさか いやさか」
双寿丸「よし‥‥」
立ち上がって、福丸と一緒に踊る双寿丸。
福丸「〽 ふたつに ひさしき かしまだち いやさか いやさか 」
為時〔岸谷五朗〕「死をも恐れぬ者か‥‥」
福丸・双寿丸「〽 いやさか ふたつに ひさしき かしまだち‥‥」
双寿丸を見つめている賢子。
賢子の笑顔をそっと見ているまひろ。
以上で『第43回「輝きののちに」』の振り返り』は終了です(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。
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