空のかみさま
空には、色をつけてくれている かみさまがいる。
青い海と向かい合わせの、青い大きな空は かみさまのキャンバス。
かみさまは1日のうちのほとんどは 筆を持たずに、
うっとりと 太陽や月の光のシャワーを浴びている。
たまに、雨のシャワーも一緒に。
一緒に絵をかく キセツ や テンキ や、他のみんなと相談して、
今日はどんな絵を描こうかと にこやかに悩む。
そんな仲間たちは、いつもどこかへ流れてゆく。
流れているのにそばにいる、とっても不思議な仲間たち。
彼らとつくる絵は 2つとして同じものはできたことがない。
筆や絵具は人間には見えないようになっていて、
太陽とおしゃべりしている声が 聞こえていないなら
絵をかくときのかみさまの鼻歌も、みんなは聞こえていないはず。
空のかみさまの力の見せ所は 太陽と月のバトンタッチの時間帯。
月のお化粧直しが終わってそろそろ出てくるころ、
太陽が違う朝を照らし出す、その時間に、
空のかみさまは 自分の好きな色をキャンバスに塗る。
太陽のあたたかさと月の美しさもちゃーんと引き立てながら。
たまに、飛行機雲がきれいに引けるように
キャンバスを整えてあげたりもするし、
人間がつくった美しい建物と
空の絵がきれいに重なることも 楽しみの一つ。
雲のファミリーはちょっと気まぐれだけど、一緒に絵をかくいい仲間。
空のかみさまが用意した色に 雲たちが乗ると、
思ってもみなかった すてきな色になったりする。
風と雲が遊びだして 思いつかなかった模様を見せてくれる、
そんなサプライズも かみさまは大好きだ。
あ、月がそろそろ準備ができたって!
今日の夕方のお絵かきはおしまい。
月にまた、キャンバスをきれいにしてもらう時間。
「あー楽しかった!」と空のかみさま。
月の光のシャワーに 滲んで消えてく絵を見るのも好きみたい。
静かで、全てを包みこんでくれる夜は
空のかみさまは あたたかく感じるんだって。
明日の朝も、寝ぼうしないで楽しく絵をかいてね。
photo by me
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