また書きました、

もしあなたならどちらを選びますか。

ある日私は勇気のいる決断をしないといけない日に遭遇した。

私はお母さんと二人暮しで遠距離だが彼氏がいる。
お母さんが22歳の時に私は生まれ、私が小学校あがるタイミングで父親は事故で亡くなっている。
父親の事故死の時はひたすら泣き叫んだという記憶しか残っていないが、理解ができる歳になって事故のニュースを見ると怒りしか湧いてこない。
たしかバスの運転手が渋滞に挟まれ待っている間に居眠りをしてクラクションを鳴らされ慌ててアクセルを押したら行き過ぎて前の車に衝突したんじゃなかったかな。
前の車の運転手、助手席の方、バスの前の席に座っていた3.4人と父親が亡くなったのだ。
バスの運転手は?と疑問に思った方正解だ。
バスの運転手は前にぶつかると思って咄嗟にドアから飛び出たようだ。
怪我も何もなかったのだ。
謝罪会見の時のあの言葉はあの頃の私でも覚えている。
『私の不注意の運転で多くの方を犠牲にしてしまったこと到底許させれることではありません。あの日は残業の次の日で疲れが溜まっていました。』

疲れが溜まっていた、眠い状態でよく人の命を預かる運転が務まりますね。と言い返したかった。
けれども父が帰ってくるわけではないと思ったらそれに体力を奪われたくないと思ってしまった。

あの日父が亡くなっていなければ今頃父と3人で旅行に来ていただろう。
母は父が亡くなってから毎日働き詰めの日々を過ごしている。
あ、そういえば今更だが私には2人の妹がいる。
だから私は高校に通いながらバイトと勉強を両立している生活を送っている。
そんな私は今未来のことなんて考える余地もない。

彼氏とは高校で出会った。
遠距離というのは彼が遠いからではなくこの多忙な日々になかなか会えないからということから遠距離。LINEで電話したりビデオ通話している時間が唯一の癒しの時間。母も仕事で忙しいのだが毎日一緒に寝ている。妹達も一緒だ。
妹達は可愛くて仕方がない。溺愛しすぎて多少惹かれるがまあいい。

あ、私の1日を紹介しようか。
6時に起床する。
そして支度をし、7時前に家を出て
8時前に学校に着く。
私の学校は特殊な学校で8時10分から朝が始まる。
来た人から本を読み、漢字のテストをする。
終わったら次は移動をして8時35分に授業が始まる。
8時35分から9時25分、9時35分から10時45分、10時55分から12時5分
そしてお昼休憩、
12時55時から13時20分まで居眠り
そして13時30分から14時20分 14時30分から15時20分、15時30分から16時まで運動
という時間割
放課後は部活、バイト、学習と3つの選択肢がある。バイトの人はすぐ帰れる。学習の人は18時まで勉強。部活の人は19時まであるところはあるらしい。
学習を選んでいる人は少ないのだが赤点を取ると放課後先生からの授業があるので学習になる。
ちなみに私はバイトを選択した。バイトがない日は学習をしている。

バイトをしていることは母にはちゃんと伝えたが母は部活をしている私を見たいからお金を精一杯貯めているらしい。

そんなこんなで日々が過ぎていく。
とある日私は家族で旅行に行った。旅行先まではバスで行く。
あ、バス、そうだ、バスに乗るんだよ。
バスに乗ったらなんと彼氏がいたのだ。彼氏には挨拶をし、家族で旅行なんだと伝え指定の座席に座る。彼氏も親とお出かけらしい。行先は違うが
私は妹達とトランプをしたり寝たり
寝ていると急にバスが一時停止をした。急なブレーキだった為目が開いたのだ。妹達は私が抱きしめた。
一時停止が長かった為ビクビクしていると前の車両とぶつかったとのこと。
私達は後部座席に座っている。私はなんとか妹達を守らなければと必死に抱いている。
と言っても私よりちょい小さいくらいだが
その時私はふと彼氏がもしかしたら巻き込まれているかもしれないと思い彼氏の名前を呼んだ。しかし返答がない。
これはと思い慌てて立とうとすると
『行かないで』
と妹達の声がする。
私は究極な選択肢を強いられている。

もし自分が立ったら妹達が巻き込まれちゃうかもしれない。動かなかったら彼氏が助からないかもしれない。

その選択を5分考えているとバスの後部座席の非常出口が開き降りなければならなかった。
仕方なく家族4人で降りる。
そして救急車に乗る。ホットしたのかその後の記憶は全部ない。
あるのは目が覚めて母親が隣にいた記憶からだ。
妹達は軽いパニック状態だけだったのだが、私はその時に記憶が蘇っただけでもうあの時の記憶がない。それだけではない。彼氏の記憶さえないのだ。
彼氏はあの時に先に降りていたから声が届かなかったらしい。彼氏は無事だった。
彼氏は記憶がなくなったことそのことを私の母から告げられたというのだ。何回か病室に会いに来たのだが応答はない。
彼氏にとっては相当ショックな思い出であろう。
正式に別れたわけでもない。ただ記憶を失っただけで私が振ったというわけではないのだから。

このお話でちょいちょい出てくる私というワードは本人の希望であるという。記憶を失った私が自ら自分の名前を使いたくという理由だ。
たしかにそうだ。納得する。

そんなこんなで彼氏と私の恋愛は自然消滅したのだが彼氏の中で彼女がいたことは決して忘れられる出来事でないだろう。
私も忘れたくて忘れたわけではないのだから。

2人はこれからどんな出来事が訪れるのであろうか。2人の幸せがこれからは永遠に続くことに祈ろう。

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