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知って得!都心23区ではじめる不動産投資~初級編~
安定的な不動産投資をするのであれば日本で最も人口が多く賃貸需要の旺盛な東京23区内の物件を検討する投資家は多いでしょう。
「不動産投資を行うエリア」という視点で東京23区を評価し投資エリアを検討する際には、まず不動産投資の本質を理解しておくことが得策です。
東京23区の中で不動産投資をするのに適した区や不動産投資の本質、ビジネススキーム、不動産投資をする目的を踏まえて解説します。
不動産投資の本質とは?
不動産投資の本質は
「賃貸需要が長期にわたって旺盛」
「資産価値が落ちにくい物件に投資する」
といったことです。主に上記2つの要素が両輪になっています。
・長期にわたって安定的に貸し続けること
・資産価値を維持または上昇させること
不動産投資の本質を構成する要素のどちらかが欠けた状態で投資をすると、最終的な利益を最大化することは難しくなります。
なぜなら不動産投資において利益を最大化させられるのは、相場の賃料で長期間貸し出し、ローン残債よりも高値で売ることができたときだからです。
不動産投資の本質を理解することで、投資上の判断をスムーズかつ適切に行うことができ、投資パフォーマンスを最大化できる可能性が高まります。
不動産投資の2つのキャッシュポイント
不動産投資の主たるキャッシュポイントは、以下の2つに大別されるのが一般的です。
賃料収入(インカムゲイン)
売却益(キャピタルゲイン)
賃料収入の場合、毎月の賃料収入と固定費(金融機関へのローン返済、税金等)および変動費(修繕費、入退去費等)との差額が毎月のキャッシュフローです。
また売却益の場合、ローン残債と売却価格との差額が収益となります。
不動産投資のビジネススキームはシンプルで、主たるキャッシュポイントが賃料収入と売却益という2つのチャンスに絞られていると捉えることもできます。
投資物件を検討する際は、賃料収入と売却益という限られたキャッシュポイントにおいて「いかに利益を上げていくか」という視点を持つようにしましょう。
知って得!都内23区で不動産投資をするならズバリどこ?
「都内23区内で不動産投資をするならズバリどこ?」という点について、不動産投資の目的別に結論づけると以下の通りです。
底堅い賃貸需要を狙うなら「世田谷区」「大田区」「練馬区」「江東区」
資産価値の維持または上昇を狙うなら「都心6区」
「賃貸需要が長期にわたって旺盛」「資産価値が落ちにくい物件に投資する」という不動産投資の本質に則ったうえで賃貸需要と資産価値のいずれを重要視するかによって最適解は異なるでしょう。
底堅い賃貸需要を狙うなら「世田谷区」「大田区」「練馬区」
底堅い賃貸需要を狙うなら「世田谷区」「大田区」「練馬区」「江東区」の4区が適しています。その理由は以下2つです。
人口が長期にわたって東京23区で最多
主要ターミナル駅や空港へのアクセスが良好
この4区は、2040年までの長期的スパンにおいて東京23区の中で最も賃貸住宅の需要が続くことが予測できる区です。
賃貸住宅の需要が多いと予測できるとして東京23区における2040年までの常住人口(当該地域に3ヵ月以上居住している、または居住することになっている人口)の推移が挙げられます。
東京23区内における2040年までの常住人口の推移予測では「世田谷区」「大田区」「練馬区」「江東区」の4区がを独占し続けています。
常住人口が高い水準を保っているということは、同エリアに居住するニーズが衰えないと考えられるため、賃貸住宅の需要の旺盛さは今後も続くことが推測できるでしょう。
不動産賃貸業は、借り手がいてはじめて成立するビジネスです。
そのため「当該エリアに居住する層がどの程度存在し続けるか」という点が賃貸需要の多寡を見極める際の指標の一つになります。
常住人口の多さとあわせて、「主要ターミナル駅や空港へのアクセスが良好」という点が4区の賃貸需要の底堅さを裏付ける根拠と考えられます。
「住居の居住志向及び購買等に関する意識調査」(2020年1月)によると「住宅を借りる際のポイントは何ですか」という質問に対し「交通の利便性が良い」と回答した割合が「家賃」についで2番目に多い51.1%でした。
地域別に「交通の利便性が良い」と回答した割合を比較すると、関東と近畿が同率で最も多く全体の割合よりも高い54.3%でした。
「世田谷区」「大田区」「練馬区」「江東区」の交通利便性を見ると、以下のような日本トップレベルの乗降客数を誇るターミナル駅などに直通でアクセスすることが可能です。
新宿駅(小田急線、京王線など)
渋谷駅(京王井の頭線、田園都市線など)
池袋駅(西武池袋線、副都心線など)
羽田空港(京急線、東京モノレール羽田空港線など)
東京駅(新幹線が東海道新幹線・東北新幹線の2路線、東海道本線、東北本線、総武本線、京葉線の4路線)
そのため交通利便性は、東京23区内でも高いと評価できるでしょう。大都市圏ほど交通利便性を求める傾向が強いことが読み取ることができます。
そのため東京23区の中でも主要ターミナル駅や空港へのアクセスが良好な「世田谷区」「大田区」「練馬区」は賃貸需要が底堅いと結論づけることができそうです。
常住人口が長期にわたって高水準を維持することが見込まれます。
また住宅を借りる際の評価ポイントに適合する上記3区は、今後も底堅い賃貸需要があると考えられるため、投資エリアとして有望な候補といえるでしょう。
資産価値の維持または上昇を狙うなら、都心6区
東京23区の中でも都心6区(千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・渋谷区)では、2014~2020年までの期間で中古マンション価格が右肩上がりに推移しています。
東京23区の他のエリアと比較しても最も高い伸び率(約1.46倍)です。東京23区の中でも都心6区のマンションは、以下3つの理由から特に高い資産価値を維持しやすい傾向があります。
・土地の価格が高いエリアに建っている
・賃料を高水準で維持できることが見込める
・古くなってもヴィンテージマンションとして高評価を得られる可能性がある
不動産(土地と建物)の価値が高いため「貸して良し・売って良し」という不動産投資の理想的な状態を作りやすいのが都心6区におけるマンションの特徴の一つです。
マンションは、経年とともに劣化するのが一般的ですが都心の一部のマンションはヴィンテージマンションとして高く評価されている一面があります。
例えば「ドムス南麻布(港区)」「広尾ガーデンヒルズ(渋谷区)」など築25年以上が経過しても億ションとして高値で流通しているものもあります。都心6区のマンションは、自己所有のための需要はもちろん、国内外の投資家から投資商品としての需要も旺盛である傾向が特に強いため、資金が集まり資産価値の維持または上昇が期待できるといえるでしょう。
不動産投資のビジネスモデルに根ざした投資方針を
不動産投資におけるビジネスモデルの本質は
「賃貸需要が長期にわたって旺盛」「資産価値が落ちにくい物件に投資する」といったことです。
そのため本質に基づいて投資エリアや投資物件の検討をすることで理想通りの投資活動が期待できるでしょう。「
どのエリアのどの物件に投資するか」という判断は、底堅い賃貸需要や資産価値の維持、上昇のいずれを重要視するかで方針が異なります。
そのため自分の投資スタイルに合わせて方針をカスタマイズするのが得策といえるでしょう。