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【ShortStore】 USJ(の年間パスポート)神話体系

 私は推しも推されぬもUSJ主義者である。

 GWにはディズニーリゾートの餌食となってしまったが、それでもUSJへの愛を惜しまず(年間パスポートを使い)、ひと月に1度はUSJに足を運んで、必死に乗り物を乗るべく並ぶのではなく、それはスーパーで見ても飲み屋で見ても絶対に頼まない程度にはとてもとてもアホほど高いプレミアムモルツ(ビール)を買ってキャラメルポップコーンをアテに飲むと言うパークでの生活を楽しんでいた。

 私は「薔薇色の社会人ライフは夢幻であり、雑多として黒々とした揉みくちゃにされ続けて消耗させられていく日々の中に全てがあると信じていた。隅々にまで手が届き、己が支配出来る空間、それが人生であり関わりあること全てに考えを巡らせよう」と変なタカを括っていたので悩みが尽きない。

 そんな中で悩みが長期間解消されない時に利用するのが、何を隠そう、ユニバーサルスタジオジャパン、略してUSJなのだ。

 何かあった時に物に耽って振り返りしやすい適度な雑音とテンションの高い場所と時間を提供してくれるUSJ(の年間パスポート)には感謝しているし、スパイダーマンのアトラクションがゴリラに乗っ取られようとも、ホグワーツ城があるにも関わらずワーナーブラザーズスタジオツアーは東京都練馬区にできてしまっても、既にユニバーサルスタジオの映画作品よりも週刊少年ジャンプや天下の任天堂ランドになっていたとしていても、キャラクターと写真の撮れるグリーフィングでウッディウッドペッカーを見なくなってしまって悲しくなったとしても、Our visionに掲げられている「超エンターテイニングな創造力で、 人と社会に「目覚め」を」ということと、「私たちは、ゲストの期待を常に上回る「ワールドクラスの体験」を提供し、 世界のエンターテイメント・リーディングカンパニーをめざします」を守ろうとしているエリアのワクワク感は好きだし、物に耽って振り返りしやすい適度な雑音とテンションの高い場所と時間を提供してくれるUSJ(の年間パスポート)には感謝している。

 少ない私の好きなスポットであるUSJはこれからも続いてほしいし、年間パスポートを買って来園していきたいと常々諄いが思っていた。

 そんな暮らしを半年続けてきたある日、朝の寝ぼけていた私は衝撃的なメールを目にした。目覚ましが鳴って目を覚まして、日課のメールチェックとスケジュールチェックをし始めようとメーラーを開けたところである。もはや何も考えていないレベルで見るメールではなかった。

「【大切なおしらせ】「ユニバーサル年間パス」販売終了のご案内」

 私の楽園を奪われた気分に陥ってしまい、朝起きたタイミングだと言うのに途轍もない衝撃と悲しさで疲労感に襲われて、それ以上、他のメールやスケジュールを確認できず、起きていつも飲む水すら飲まずにフラフラと顔を洗いに脱衣所に向かった。

 とてもショックを受けた。

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