象眠舎 Mirror 制作記 1
この曲は小西くんからデモをもらった何曲かの1曲で、もらってすぐ聞いた時にはあまり何にもインスパイアされなかったのだけれど、忘れてしまった頃に携帯の音楽をシャッフルで流した時に小西くんの別の曲が流れてきて(2020年6月の時点ではまだリリースされていない曲)、魅力的に聞こえ、その流れで何曲かまとめて聞き返した時にこの曲も引っかかって、すぐに小西くんに連絡して各パートのトラックに分かれている音源をもらい、すぐに仮のミックスを作りました。
その仮ミックスはリリースされた状態とはかなり違っていて、リリースされたテイクのTenderくんが歌ったところはボーカルメロディはおろかサックスも入っていませんでした。最初のThinkin’ bout youのバックの鍵盤のフレーズが繰り返しているだけで、そのあとにサビの悲しいね、のメロディがあるだけでした。
自分にとってのこの曲のメインのフック(覚えやすいところ)はサビのシンセのフレーズだったのですが、そこをもっと鮮烈に聞こえさせるために、シンセのフレーズをサビの前半と後半で聞こえ方を変えて明るく震える感じを作り、小雨、太陽か出ている時の細い雨つぶの印象にしました。
これがこの曲の骨格で、悲しいのだけれど希望があるかもしれない、小さな悲しい事が起きた、というイメージを自分の中で、この曲に固定させる事が出来たと思います。
そして、この後も小西タイマー w が働き、かなりの時間が空きます 笑。 小西くんもインタビューで言っているように、この曲も例外なく放置されました。苦笑。
リコリスは完全に1年半、この曲も半年くらいはその後は何の音沙汰もなく、自分は象眠舎のプロジェクト自体がお蔵入りになったのだと思っていました。たまに引っ張り出して聞いたりはしてましたが、主だったアイデアを出すこともしませんでした。
彼がどっぷりと浸かった沼から陸に上がり、レコーディングを再開し始めた時に、歌詞のテーマも難しいし、このままインスト半分、歌半分でも良いと思って、基本がインストにするアイデアが浮かび、サックスプレイヤーらしく歌がないところにサックスを入れてみました。
ある程度、良い感じに出来たのですが、やはり小西くんの根はジャズミュージシャン、ジャズ寄りに出来てきたので、このまま進むかどうするか迷いました。
そこで象眠舎がアーチストとしてどの位置に立つのかを彼と話し合い、ジャズというカテゴライズにとどまらないところでやりたいという本人の希望でそれなら歌を入れよう、という話になり、小西くんがフルコーラスを歌う予定で進めました。
。。。2に続きます
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