WORK:KA.O.RI factory
「私」として生きていく喜びを 洋服づくりに込めて
その工房は、遠野蔵の道ギャラリーのほど近く、鶴乃屋菓子店の隣にある。鳥の飼料店だった店 舗をリノベーションした工房は、昭和の空気感をそのまま 活かし、アンティーク家具と合わせたレトロモダンな空間だ。工房の名は『KA.O.RI factory』。 それまで『by work』として、さまざまな手仕事作家 の作品を扱っていた雑貨店を閉め、2017年1月から工房として新たなスタートをきった。
「 遠野に戻って雑貨店を営んできましたが、接客とものづくりを両立しよう とすると 、どちらも中途半端になってしまって...。本当にやりたいことを突 き詰めていったら、創り手として生きていきたいと気持ちが固まったんです 」と 、代表の坂本香小合さんは振り返る。それまで店を副業として考えてい た坂本さんは、その甘えをきっぱりと捨て、自らの名前を工房名に掲げ、創り手としての決意を示した。 現在 、工房でつくっ ているのは 、麻を中心とし たリネン生地を使った着心地のいい洋服や小物たち。事業パートナーの多田由起子さんと2人で切り盛りしながら、ネットショップやイベントでの販売をメインに、工房での直接販売も行っている。
工房を主宰する坂本香小合さん(左)と事業パート ナーの多田由起子さん(右)は同級生。「イベントにもどんどん出展して、私たちのものづくりを知っても らいたい」と話す
「 大好きな生地を使って、自由に表現するのがすごく愉しくて。アイデ アの 着想から作品に 仕上がるまで一つひとつに込めた想いが あるので 、そのスト ーリーを洋服に添えて紹介したいと思っているんです」。整えすぎず、狙いすぎず、直感から生まれる予測不可能な着地を楽しむ。それが 、坂本さんの洋 服づくりの流儀だ 。
工房としてはまだ動き出したばかりだ が 、ちょくちょく友人が遊びに来たり 、近隣の住民たちが気軽に訪れるまちの井戸端のような『 K A . O . RIfactor y』 。 遠野の人々のあたたかな応援に感謝しつつ、でも、遠野に寄りかから ず 、自分たちのものづくりを全国や世界に発信していくのが坂本さんの夢だ。もっと腕を磨き、出会いを広げ、一歩一 歩 。今日も工房には、カタカタ カタと足踏みミシンの音が響いている。
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KAORIFACTORY'S GALLERY
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