大きな期待、見せた勇気、背負ったリスク 2024ザスパオフシーズン振り返り
ザスパの練習を見に行きたい。でも、見に行った後にnoteを書いてしまったら練習内容、戦術に関する言及になってしまうので、ザスパ練習見学におけるルール違反になってしまう。なので見に行く前に書いてしまおう!なんて思っていたらもう開幕前になっちゃいました。まあいいや。今回は各ポジションごとの展望について。それでは早速やっていきましょう。
※2024シーズンに向けてチームが始動してから公開練習、沖縄キャンプなど見学に行った人だけが新チームの情報を得られる場がありましたが、筆者はそれらに一切参加しておらず、昨季のJ2リーグなどの公式戦やYouTubeで公開されている動画など誰もが閲覧できるものだけを根拠に今回のnoteを書いています。
総論
ザスパオフシーズンプレビューで補強ポジションとして挙げたCB、左SB、右SH、トップ下の4つのうち、まずトップ下は和田という期待の選手を補強しています。また、右SHは佐藤が予想外の残留となったため補強の必要性がなくなり、永長の獲得で層を厚くする事にも成功しています。一方でCB、左SBについては質の高さはあるものの層の補強ができておらず、リスクのある状況になっています。このリスクが問題を引き起こすかどうかは運に委ねられているように見え、怖いのが現状です。高橋をCBや左SBなどで起用して誤魔化すのではなく、今からでも補強した方が良い気がしますが、どうなるでしょうか?ここはわかりません。
また、動くには勇気がいるだろうと思っていた左ボランチで大胆な契約満了と補強を敢行。これは正直びっくり。すごいです。
以下、各ポジションごとに動きを振り返り、今季の展望も合わせて書いていきます。
GK
失ったのは思い出だけではあるけども。
OUT 清水慶記(引退) 山田晃士(退団→FC大阪)
IN 近藤壱成(千葉) 真木晃平(C大阪)
今季の展望ですが、櫛引が絶対的な存在であり続けるのはほぼ確実でしょう。競争が発生するとすれば石井、近藤、真木の3人の間でベンチを争う形になると思います。チームがもっとGKに機動力を求めるようになると彼らが櫛引の立場を脅かすチャンスが出てくるかもしれませんが、それは大槻さん次第です。
石井、山田を切る訳ないし、清水への契約満了もありえないだろうから動きがあるとしても櫛引だけでしょ!なんて考えていた筆者が甘かった。
まず、山田がザスパから提示された契約延長オファーを断ってまさかの退団。これは判断として理解できるものですし、移籍先がFC大阪に決まって良かったね~なんて油断していたらまさかまさかの清水慶記現役引退。
マジかよ。ザスパ側から契約満了を提示する事はないのでは?という筆者の予想が外れ、クラブから契約満了を提示される形で現役引退となりました。お別れ会はシーズン中にやりたいので、もっと早く契約満了の通達をしたって良いのでは?なんてクラブに思わない訳ではありませんが、何はともあれお疲れ様でした。これからの未来に期待しています。
サポーターから人気があった山田と清水が退団したため精神的なダメージがあるものの、立場だけで見れば第3、第4GKが退団しただけなので戦力面のダメージはありません。
代わりにジェフから近藤、セレッソから真木を獲得。2人ともJリーグで試合に出た経験が1度もない選手ですから、即戦力としてではなく長期的な期待を持って獲得したように見えます。まぁ、櫛引いるしね。
山田と清水が抜けてGKチームの雰囲気も変わると思いますが、どう変わっていくでしょうか。みんなで腐らずに頑張ろう。応援してます。
CB
補強の余地あり
OUT 畑尾大翔(満了→金沢) 川上優樹(富山)
IN 中野力瑠(桐生第一) 大畑隆也(富山)
このポジションの展望ですが、城和、大畑、酒井の3人が中心的に起用されるのはほぼ確実でしょう。その3人を上手くローテーションしながら疲労を分散したい所ですが、大槻さんは起用を固定させる監督なのでそうはならない気がします。最初にポジションを確保した選手が試合に出続けるはず。どの2人がファーストチョイスになるかはわかりません。中野はルヴァンでデビューしながらプロの世界に慣れていければ良いと思います。
CBは畑尾の契約満了による大きな驚きと共にオフが始まりました。加えて川上も富山へ移籍。昨季1度も試合に出られなかった川上は発表がないだけで契約満了だったような気がしていますが、事実を知るのは当事者だけです。
一方で、これは畑尾の契約満了が発表された時から予想されていた事でしたが、昨季主力として活躍した城和、酒井が残留。足下の技術と高さ、アスリートとしての能力などザスパが求める要素を備えている2人を残せたのはとても大きいです。
そして、富山から大畑を獲得。富山にいた頃は右SBをやる事もあったようで、足下の技術は高そう。特に長いキックが得意そうです。
また、桐生第一から高卒ルーキーとして中野が加入。ルール的にもチーム事情的にもルヴァンで中野がデビューするのはほぼ確実でしょう。デビューしつつ、怪我せず1年を過ごしてくれればOKです。
昨季J3で実績を積み重ねた大畑を獲得できたのは大きな補強ですが、選手層が不足しているのもまた事実で、城和、大畑、酒井と主力としての活躍が期待される3人の後ろにいるのが高卒ルーキーというリスクが高い状況になっています。岡本が例外なのであって、高卒ルーキーに1年目からの活躍を期待するのは過剰な期待でしょう。
CBという2つの枠に主力として期待されている選手が既に3人いるので、獲得する選手には試合に出続けられない状況を受け入れてもらう必要があります。それを飲み込んでくれる選手が見つからなかったという事なのでしょう。昨季までの編成を踏まえても強化部が今の4人でシーズンをやりきれると考えているとは思えません。まだ補強の可能性があるはずです。
こうなると年俸減額交渉をした上で畑尾を残した方が良かったのでは?と思わずにはいられませんが、今更それを言っても仕方ない。
いざとなったら昨季のA甲府戦のように高橋をCB起用してなんとかする事も選択肢の一つになるかもしれません。ルヴァンが終わったJ1クラブからレンタルするとか?何にせよ、CBは補強の余地が残されたポジションです。左SBもできるように左利きだと最高です。
右SB
横一線の競争?
OUT 岡本一真(山形)
IN 船橋勇真(長野) 田頭亮太(東洋大学)
今季の展望ですが、まず右SBは何を求められるのか?というそもそもの疑問があります。筆者は大外レーンを右SBのスタート位置とした上でボランチも絡んだトライアングルグルグルをやると予想していますが、そうなればハーフレーンでも大外レーンでも良さを出せる器用さが求められるはずです。その点で見ると最も可能性があるのは田頭のような気がしますが、どうなるでしょうか。そもそも守備でどれだけ強度を出せるか?というのももちろん大事になるでしょうし、エド、船橋もハーフレーンで出せる武器を模索するでしょうから、それに注目したい。正直わかりません。横一線の競争があるように見えます。
まず、昨季圧倒的な存在として活躍した岡本が山形へ移籍。もはやステップアップ以外ありえなかった岡本が移籍するのは想定の範囲内でしたが、まさかJ2クラブとは。まぁ頑張って。
そして、岡本の代わりとして長野から船橋を獲得。身長も体重もあり、フィジカル的に優れているのがプロフィールから見て取れます。キックは上手そうですが、クロスの確実性が低いという情報もあり、実際の所はわかりません。ただ、ファーのクロス対応を求められるザスパ右SBにおいて178cmという身長とCBに取り組んだ昨季の経験は意味あるものになると思います。
また、昨季中盤、岡本が負傷した時期に右SBとして地位を築いたエドが残留。エドは今年も信頼できる選手でいてくれるはずですが、怪我のリスクがある選手なので、2000分以上出るのは厳しい気がします。加速と減速の激しさが武器になっている選手ですが、それが負傷の原因になってるように見えるのが切ない。今年は怪我が少ないといいな。
大卒ルーキーとして加入した田頭の予想は難しい。特別指定選手として過ごした昨季のうちにスタメンも経験していますが、今年は大きなインパクトを残せるでしょうか?どうなるか楽しみです。最初の課題は守備になる予感。昨季の印象としては基礎的な技術の高さと器用さに武器があるように見えたので、良い一年を過ごせそうな予感はあります。頑張って。
左SB
替えがきかな「過ぎる」中塩
OUT IN なし
今季の展望としては、中塩が絶対的な存在であり続けるのは変わらないように思えます。後ろに留まってビルドアップへの参加を求められる左SBの仕事は中塩の得意なものですし、反対に菊地は得意な攻め上がりが見せられないので立場を逆転させるのが難しいでしょう。左SBに求める仕事が変わり、攻め上がる回数を求めるようになれば菊地にもチャンスがありそうですが、筆者の予想としては反対に攻め上がりをもっと自重させる方向にチームが変わると思っているので、菊地は厳しそうです。正直、ここは補強が必要なポジションだったので、計算外が起こっているように見えます。かなりリスクのある編成が組まれたポジションです。
昨季最もプレー時間を得たFPである中塩の残留は個人的にはサプライズでした。左利きのCBという中塩の希少価値の高さを考えれば欲しいクラブは多かったでしょうし、色んなオファーがあっただろうと推測しますが、残留を選択してくれました。昨季の左SBは中塩にとって得意な仕事をさせてもらえるポジションだったので中塩の良さが目立ちましたし、ザスパで最も大槻さんと一緒に仕事をするメリットを享受している選手だと思います。残った方が中塩のキャリアでもプラスになると判断したのかな。今年も怪我なくよろしく。
中塩とは違う意味でまさかの残留となったのが菊地。大槻さんの続投が発表された時点でレンタル移籍は確実だろうと予想していましたが、まさかの残留。正直、大槻ザスパにおける左SBで求められる仕事は菊地の持っている能力とは合わないものなのでレンタル移籍した方が菊地のためになるとおもいましたが、残留となりました。今季、継続的に菊地がプレー時間を得ることがあるとすれば、それは菊地の成長というよりも大槻さんが左SBに求める要素が変わった事が理由となるだろうと思います。うーーーん。これはどうなんだろう。でも頑張るからには応援します。頑張って。
右ボランチ
質、量、未来。ここには全てが揃ってる。
OUT なし
IN 玉城大志(仙台大学)
今季の展望ですが、天笠と高橋の2人が中心となるでしょう。2人によるポジション争いが繰り広げられるはず。昨季を踏まえれば天笠が有利な立場にいるように思えますが、高橋のサイズは天笠が持っていないものなので、それが差を埋める可能性もあるはずです。ここは全然わかりません。良い競争が行われる事を楽しみにしています。反対に玉城はちょっと厳しそうな予感。大卒ルーキーが天笠と高橋の競争に割って入るのは難しいでしょう。
最終的に天笠がポジション確保すると予想していますが、どうでしょうか。全体的に若く、人数も質も揃ったこのポジションは編成の勝利が起こっているように見えます。ザスパでベストのポジションです。昨季何度か見せたような532の並びを使う頻度が上がれば天笠と高橋を同時に起用する可能性もあるでしょう。
まず、天笠がかなり早いタイミングで契約更新を発表した事でかなり安心しながらオフを過ごす事ができました。今季はその自信をさらに深める一年としてほしい。技術的にも高く、アジリティもあって1人でボールを奪いきる力も持っている天笠は今季も重要な戦力であり続けるでしょう。もっとミドルの確実性を上げたい。
そして、高橋にとってはキャリアをかけた1年になります。プロサッカー選手になってから高橋が得たプレー時間は3シーズン合計して1097分。平均365分と、1年あたり約4試合分のプレー時間しか得られずにキャリアを過ごしています。それでも契約満了にならずにサッカー選手であり続けられたのは高橋が181cmの左利きというプロフィールを持っているからです。25歳の大卒4年目という立場を踏まえれば、幻想を超えて具体的な期待を持たせるだけのパフォーマンスを見せなければなりません。それができなければ契約満了が待っているだけでしょう。ただ、昨季のあの輝きを今年も継続できれば天笠と対等に競争ができるはずで、そうなればサッカー選手としてのキャリアを切り開けるはず。サッカー選手としての未来が決まる重要な1年ですから、怪我なく過ごせる事を祈っています。頑張れ。1000分は絶対出なきゃ。できると思う。
一方で玉城は出場機会を得るのが難しそうな予感があります。天笠と高橋のポジション争いに割って入るのはなかなか難しいでしょう。シーズン途中にレンタル移籍して出場機会を得られたら良いんじゃないかな。勝負は来年になる予感。天笠と高橋を押し分けて試合に出られたら凄いなぁ。
左ボランチ
藤村のスタートダッシュがどうなるか
OUT レ中田湧大(牧方) 内田達也(満了→牧方)
IN 藤村怜(盛岡)
今季の展望としては、風間が手術を受けた関係で出遅れているため、まずは藤村にチャンスが回ってくるでしょう。その間に藤村がハイパフォーマンスを見せて立場を確保できれば藤村を中心にシーズンが進んでいくはずです。風間のコンディションが早いタイミングで整ったり、藤村のパフォーマンスが不足していれば競争が発生するでしょう。藤村の守備強度が鍵を握る気がしています。年齢的にパフォーマンスを維持できそうなのは藤村ですから、最終的には藤村がポジションを得る予感。風間は毎試合途中出場みたいな感じで。一方で細貝はなかなか難しい立場に置かれるでしょう。
オフシーズンプレビューにも書きましたが、このポジションの課題は風間とそれ以外でレベルの差が大きすぎる事。一方で、ホームグロウンになった中田を移籍させる訳にはいかないし、あれだけ起用された内田を契約満了にはできないし、細貝は来年もいるだろうし、と様々な事情から動けないだろうと思っていました。しかし、蓋を開けてみれば中田はレンタルに出すし内田は契約満了にするしで大きな動きを見せています。正直びっくりでした。
これだけ動くのは勇気が必要だったと思いますが、その勇気を見せた事によって戦力を上手く整理し、風間に挑戦する能力を備えた藤村の獲得に成功しています。足下の技術の高さはザスパのボランチに絶対に求められるものなので、それをしっかりと備えている点は良いですし、運動量があるという情報もあるので風間へ挑戦するには十分でしょう。守備強度がどれだけ出せるか、アスリートとしての能力がどれほどあるかという点は注目して見ていきたい所です。
風間の残留は予想通りでしたが、手術は予想外。連戦起用するとパフォーマンスが下がるのは年齢的な問題だと思っていましたが、膝に痛みを抱えていたからというのは納得感のある答えでした。ただ、手術に関係無く、今季中に33歳になることを踏まえればプレー時間の管理が必要ですし、藤村と上手く負担を分散させられたらベストでしょう。筆者としては、風間を昨季の内田のように起用できればザスパはまた一つ上のレベルに上がっていける気がします。後半15分以降に風間が出てきたら相手からしたらめんどくさいでしょう。それができたらいい。
一方で、ちょっと言葉は選びますが、細貝はかなり厳しいでしょう。昨季のプレーでも厳しさは見て取れましたが、細貝自身も自信を失っているように見えます。契約更新リリースのコメントでは試合出場について一切言及しておらず、チームに対して経験を還元するとか、人間性がどうとか書いてありました。昨季ほとんど試合に出場できなかった細貝の立場であれば今年こそはピッチの上で自分を証明すると宣言するのが自然だと思いますが、それすらも書かない事から精神的に折れてしまっている印象を受けます。(心が折れていないなら、もっと良いコメント出してください。お願いだから。)
経験がどうとかそんな事は引退してからだってできます。選手でいる限りはピッチの上に立つ自分にフォーカスを当てていてほしい。こんなコメントは切ない。そして少し腹立たしい。もっとできるはずです。無責任だとは思うけれど、頑張ってほしい。
右SH
右SH、ボランチ、右SBでトライアングルグル?
OUT なし
IN レ永長鷹虎(川崎)
今季の展望ですが、やはり佐藤が中心となってシーズンが進むでしょう。守備もしっかりとこなしつつ、攻撃でも質を提供出来る佐藤はポジション争いにおいて有利な立場に立っています。また、北川も佐藤との競争に挑むはずで、高さやポストプレーなど佐藤が持たない武器が必要になる時が絶対に来るはず。筆者は今季のザスパは右SH、ボランチ、右SBでのトライアングルグルに取り組むと予想しているので、そのグルグルの中で彼らの良さは際立つはずです。永長については攻撃で良さを出せるでしょうが、守備をちゃんとやれるのか?というのが課題になる予感があります。それができなければジョーカー以上の存在にはなれないでしょう。
佐藤の移籍は確実だと思っていたので右SHを補強ポイントとして挙げていましたが、まさかの残留。予想外でした。
とはいえそもそも人数が不足していたので補強が必要だった所に川崎から永長を獲得。ザスパフロントが上手く動いたように見えます。
永長は昨季まで水戸にレンタル移籍していましたが、今年はザスパにレンタル移籍。高卒3年目である事に加え、所属元がJ1上位の川崎という点を踏まえるともはやJ2で圧倒的なパフォーマンスを見せなくてはならない状況に置かれているように見えますが、どんな1年を過ごすでしょうか。ドリブルがエグいのは知っていますが、ザスパのSHが背負う大きな守備負担をどれだけしっかりとこなせるか勝負でしょう。それができなければジョーカー起用が中心になる予感。一時期の白石智之みたいな感じで。
佐藤はまさかの残留となりました。昨季のプレーからは早くJ1に行きたい気持ちがこれでもかという程伝わってきましたが、納得のいくオファーが無かったのでしょう。もう1年ザスパで自分の価値を上げる選択をしました。ザスパの練習動画を見ていても右SHはハーフレーンに配置されているシーンが目に付きますし、よりゴールに近い場所でプレーできれば個人成績も伸ばせるはず。佐藤の弱点であるアスリートとしての能力の低さも狭いスペースでなら大きな問題にはなりませんし、昨季以上の1年を過ごせるはずです。自分の数字への固執をやめれば、逆に個人成績が伸びる気がしますが、エゴを捨てる、あるいは形を変えられるでしょうか?ここはわかりません。
北川は今季も恐らく右SHとして起用されるでしょう。ただ、昨季と違うのはハーフレーンに立たせてもらえそうな所で、そうであれば昨季よりももっと高いパフォーマンスを見せてくれそうな期待があります。北川はドリブルが上手な選手ではないので、大外レーンに立たされても効率的にボールを進める事はできません。しかし、器用な選手ではあるので様々な能力が求められるハーフレーンでなら良さを見せられるはずです。180㎝というサイズも大きな武器になる予感。ボランチ、右SBとのトライアングルグルをやるのであれば、昨季の難しい経験するも生きてくるはずです。今年は8点くらいとってほしい。多分できると思う。頑張って。
左SH
岩元の立場が辛い
OUT 白石智之(満了→滋賀)
IN 杉本竜士(東京V→完全移籍移行)
このポジションの展望ですが、杉本竜士と山中惇希の競争になるのは間違いないでしょう。ハーフレーンでも武器を出せる杉本が有利な立場に立っているように見えますが、山中がドリブルやクロスの質で差を見せられればそれも逆転できるはず。一方で、岩元は完全に不透明です。守備を頑張るのは最低限として、その上に攻撃面での良さを乗せられるかの勝負になるでしょう。エドもこのポジションができますし、左SHは層の厚さがあるポジションです。
このポジションに大きな動きはなく、昨季夏からレンタルで加入していた杉本竜士の保有権がザスパに移り完全移籍となっただけで、OUTは1人もありませんでした。
完全移籍に移行となった杉本ですが、プレー面で問題なくやれるのは昨季のうちに証明済み。守備強度も高く、ザスパが求めるSHへの守備負担を全く問題なくこなしてくれます。昨季、攻撃面で良さが光る場面が少なかったのは事実ですが、それは杉本の問題というよりは適性の合わないトップ下で起用されていた平松の貢献度が低かったからで、水戸戦のように相手のレベルが低く、自由が得られた試合ではゴールに絡む仕事ができていました。ピッチ上よりもどちらかと言うと杉本のピッチ外での人間関係に不安がある印象でしたが、今季に入ってからはチームメイトと楽しそうに過ごすインスタを積極的に更新。仲は良さそうです。杞憂でしたね。今年も主力として活躍してくれるでしょう。
山中は勝負の一年になります。昨季は戦力として一定以上の信頼を受け、1700分以上のプレー時間を勝ち取りましたが、夏に杉本が加入してからはスタメンに並ぶ機会が明らかに減少しました。ホームグロウンですから、めちゃくちゃ頑張ってほしい。期待しています。ここは競争です。
一方で岩元に関してはわかりません。昨季なかなかプレー時間を得られなかった事からレンタル移籍する可能性が高いと思っていましたが、残留となりました。DFとの接触にどれほど強くなっているかが鍵を握るでしょう。応援しています。
トップ下
大きな可能性を孕んだ不透明
OUT 奥村晃司(満了→YS横浜)高木彰人(満了→相模原)
IN 和田昌士(盛岡) レ斎藤聖七(清水)
このポジションの展望ですが、かなり不透明です。まず、平松が昨季終盤のようにトップ下をやり続けるのか?という点もわかりませんし、他にいるのがまだリーグ戦デビューしていないオノトラと新加入選手というメンバーなので、見通しが立ちません。背番号7を背負う和田は本命で考えられているように見えますが、実際はどうなるでしょうか。オノトラは今季デビューできそうな予感。
オフシーズンプレビューでも書いたようにトップ下は補強ポジションでしたから、和田と斎藤の獲得はまず素晴らしい動きでした。特に和田については昨季J3であれだけ数字を残していますから期待せずにはいられません。ゴールに関わるプレーはもちろんですが、ボールを前に運ぶプレーでも貢献を見せてほしい。守備負担の軽いポジションですから、守備はそんなに問題にならないはず。アスリートとしての能力がちょっと不安な気もしますが、それはシーズンが進めばわかるでしょう。
また、斎藤を清水からレンタルで獲得。若くて期待できるC契約の選手を獲得できたのは大きい。正直プロの世界で残した実績がまだ何もない選手ではありますが、それでも流経の10番ですから、期待できるでしょう。頑張って。
そしてオノトラはリーグ戦デビューを目指す1年。公式から公開された練習動画では間で受けるスキルが向上している様子も見られており、昨季よりも試合に絡む可能性は高そう。左SHとしての起用も考えられていそうですが、どうでしょうか。まずはルヴァンに出よう!
CF
ハッピーハッピーハッピー
OUT 川本梨誉(清水)武颯(FC大阪)
IN 高澤優也(町田)レ佐川洸介(東京V)
このポジションの展望ですが、どう考えても高澤が本命でしょう。昨季大きな怪我をした選手ですからどこまでプレーが戻っているかは未知数ですが、それでも大きな期待がかかります。また、平松や佐川などサイズのある選手を揃える事にも成功しており、川本のレンタルバックは残念だったけども、ザスパフロントが上手く動けたポジションでした。
高澤の加入はハッピーハッピーハッピーでした。今オフのザスパで最も最初に去就が発表されたのがJ2昇格を果たしたシーズンのエースというのは盛り上がるには十分です。昨季のプレーは見ていませんが、それ以前の大分、北九州時代のプレーを思い出すと、かなり器用さが上がった印象がありました。狭いスペースでのプレーやポストプレーなどゴール前以外でもチームに貢献できるように成長していた記憶があります。CFにできる事が多くて困る事などありませんから、とてもありがたい存在になる予感です。一方でザスパにいたころから決定力に課題がある印象ですが、それはどうなっているでしょうか?楽しみです。
佐川については未知数です。昨季ヴェルディで多くのプレー時間を得られた訳ではありませんし、対戦時の印象もありませんから、わからないのが正直な所です。ただ、大きいのは正義なので良いのではないでしょうか?頑張れ。
平松についてはもうCFで使ってあげてほしいと心から祈っています。平松はあまり器用な選手ではなく、ポストプレーが上手い一方で前を向いた時に出せる良さを持っていない選手ですから、後ろを向いてプレーする事に意味があるCFで起用すれば大きな貢献を見せてくれるはずです。大槻さん頼む。
まとめ
ここまで沢山書いてきましたが、要するにみんな頑張れという事です。個人的には岩元が好きなので、今季のどこかでチャンスが来たら、それを掴んでほしい。相当厳しい立場ではあるけれど。それでも。
怪我をすると選手もチームもダメージを受けますから、それだけはやめてほしい。今年もみんな元気にやれたらいいね。
ザスパの戦術的な進化の予想記事も書きたかったけど時間が足りず、間に合いませんでした。まぁトライアングルグルです。
ようやく冬が終わり、春が始まります。ザスパがザスパ群馬として迎える1年目。今年が良い1年になる事を祈りながら。
強い気持ちで。
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