フェイスブック仮想通貨リブラは、アフリカのお金の流れを変えるか
フェイスブックが2019年6月18日、仮想通貨(暗号資産)「Libra(リブラ)」を使ったサービスを、2020年上半期にはじめると発表した。
運営主体となるリブラ協会には、マスターカード、ビザ、ペイパルといった決済関連の大手や、ライドシェアのUber(ウーバー)、宿泊予約のBooking Holdings(ブッキング・ホールディングス)、携帯キャリアのヴォーダフォンなどが名を連ねている。
リブラが強調するのは、既存の金融サービスへのアクセスが困難な17億人に対しても、金融インフラを広げていくとのビジョンだ。
この17億人の人たちの多くは、アフリカ、ラテンアメリカ、アジアの農村で暮らす人たちだ。
仮想通貨の普及を目指す巨大プロジェクトは、こうした地域のお金の流れを変えるだろうか。
口座を持たない人たち
日本で暮らす人の多くにとって、お金の流れの中心にあるのは銀行だろう。給料日には銀行口座にお金が振り込まれ、預金を裏付けとして、クレジットカードやモバイル決済サービスを使って買い物をする。住宅や車といった大きな買い物をするときには、借り入れをして、口座から定期的に返済をする。
一方で、リブラのホワイトペーパーは、「口座を持たない人々」の現状に触れている。
ここから先は
2,258字
¥ 100
最後まで読んでいただきありがとうございます。アフリカ、ラテンアメリカを伝える取り組みを、息長く継続していきたいと考えています。年に数回は現場にも入り、ご報告する計画です。ご支援をよろしくお願いします。定期購読の読者にもなっていただけたら、さらにうれしいです!