大人と子供
皆さんは3人のレンガ職人の話を
聞いたことがありますか?
こんなお話です。
中世のとあるヨーロッパの町。
旅人が歩いていると、
汗を流しながら重たいレンガを運んでは積み、
運んでは積みを繰り返している
若い3人のレンガ職人に出会いました。
旅人が「何をしているのですか?」と尋ねると、
3人のレンガ職人はそれぞれ次のように答えました。
1人目は、
「そんなこと見ればわかるだろう。
親方の命令でレンガを積んでいるんだよ。
暑くて大変だからもういい加減こりごりだよ」
と答えました。
2人目は、
「レンガを積んで壁を作っているんだ。
この仕事は大変だけど、
カネが良いからやっているのさ」
と答えました。
3人目は、
「街の象徴となる大聖堂を造っているんだよ。
こんな仕事に就けてとても光栄だ」
と答えました。
3人のレンガ職人は、
それぞれ「レンガを積んでいる」
という仕事は同じです。
また、仕事の内容や役割も同じなので
賃金も同じです。
しかし、仕事の動機・目的が違います。
1人目は使命感などはまったくありません。
ただ言われたからやる。
言われなければやらない。
レンガしか見えていません。
作業としての労働としか感じていません。
2人目はお金を稼ぐために否応なしに働いています。
壁しか見ていません。
「もっとお金になる仕事はないか」
頭の中はそれしかないでしょう。
3人目は「街のシンボルとなる大聖堂を造って、
みんなを笑顔にする」という志を抱いています。
仕事の向こうに明確な夢を見ながら働いているので、
自分がやっていることに誇りを感じています…
というお話です。
ここまでは聞いたことがある人も
いるかもしれません。
実はこの話には続きがあります。
30年後、再び旅人が街を訪れると、
1人目は相変わらず文句を言いながら
レンガを積んでいました。
2人目は給与は高いが危険の伴う屋根の上の仕事に
転職していました。
3人目は多くの職人を育てた功績が認められ、
出来上がった大聖堂には
彼の名前がつけられていました。
大人とは、
後輩や子供に対して言葉と背中で正しい道を
示せる人だと思います。
リーダーはメンバーに。先輩は後輩に。
それぞれが果たすべき役割を自覚した人が
たくさんいる会社は、
きっといい会社だと思います。
いつか皆さんの家族や子どもを
会社にご招待できる日が来ると嬉しいですが、
いかがでしょうか?
今年も幸せの種を蒔きましょう。
私たちの周りにいてくれる大切な人が
幸せであり続けますように。