愛すべき俺の人生
もう少しでお引越し
私の育った場所から遠く離れるからこそ、色んなことが見えてくる
振り返ってみるととても恵まれた環境だった
緑が多く山に囲まれているので
木にブランコを作ったり山登りをしたり
学校終わりはショートカットで山から帰ったり
大きな公園では日が暮れるまで遊び回り
窓を開けると夕焼けの空と賑やかな子供の声
バーゴラの上にはアリが沢山居たり
スケートボードで急斜面を2人乗りしたり
『出会いましょう』という名の、自転車で住宅街を走り出会ったら負けという単純なゲームをしたり
『赤道』という名の細道を自転車で駆け下りるのが気持ちよかったり
公園に埋めたタイムカプセルは友達に掘り起こされたり
「うち、出川みたいになりたい」という幼き熱い夢を聞かせてもらったり
『明日10時に集合ね」て書かれたメモをポストに入れて、おはよー!と家の前まで迎えに行ったり
『親』『友』と縫ったハートのストラップをランドセルに付け、手を繋いで帰ったり
壁に落書きをして呼び出されたが、行くもんか!と逃げ出してやったり
帰り道にハイチュウおじさんから、微妙に柔らかいハイチュウもらったり
あなたたち、姉妹みたいだねえと言われて嬉しかったり
毎週月曜日に開かれるママのお料理教室の後の夜ご飯は、特別感があったり
クリスマスパーティーのために、ママの作ってくれたお家ケーキを落とさないようにそーっと持って行ったり
泣き虫な弟の仇を取るために、男子相手に怒鳴りに行ったり
あまりにも弟と喧嘩するので2階から3DSを破壊されてめちゃくちゃになったり
でも怒られたら仲良くセットで外に放り出されたり
隣の家のやたらと吠えまくる怖い犬が脱走して、追いかけられたり
そこの3階の部屋にはお父さんのエロ漫画がぎっしりあって、かなり衝撃的だったり
Wiiパーティーのリモコン隠しで本気になったり
石かウンチかの二択で石だと言い張って踏んだらウンチだったり
とても登れるような坂ではないので、真っ暗な夜に塩パン片手に自転車を押したり
受験が終わった開放感から、公園でモアナを大合唱したり
新しく出来たパン屋さん2軒はパン界隈で優勝レベルの美味しさを放っていたり
行きつけの中華料理屋、喫茶店も
帰ったら絶対に食べる和風唐揚げ定食も
どれも優しくて大切なおかえりの味であったり
あれもこれもそれもどれも、キュンとなるほど美しい
愛すべきものは俺の人生です