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ST3年目までの方へ!誤嚥性肺炎を予防するための重要な3つの要因について

臨床を経験したSTの皆様!
はじめまして!
08(ぜろはち)と申します。

よく「この人嚥下能力悪いけど誤嚥性肺炎にならないよね。」
って患者様や利用者様を見かけませんか?

私は見かけます。
そのような人を参考にしつつ今までの経験を生かして文章にまとめてみました!

このような悩みを持つSTの方はぜひ一読してみてください!
・誤嚥性肺炎を予防するために必要な考え方を得たい方
・誤嚥性肺炎を予防するために本人様や家族様への説明を上手にしたい方
・誤嚥性肺炎を予防し、嚥下能力を上げるために必要な考え方を得たい方
です!

リハビリにおいて【ホープ(主訴)】は欠かせないです。
本人様家族様が抱えている希望を解決するのがリハビリの大きな役割の1つですね。
そのような中「誤嚥性肺炎を予防する」は重要なホープの1つだと思います。

誰もが「安全にご飯を食べたい」、「ご飯を安全に食べてほしい」そう願っていると思います。
では早速「誤嚥性肺炎を予防する」ために必要な3つの要因についてお伝えしていきます。

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図の中にある3つの要因。
それは

【嚥下能力】【咳嗽力】【抵抗力】

となります。
1つずつ見ていきましょう。

【嚥下能力】

食べ物を飲み込む能力ですね。
この能力を大きく分けて5つに分類したのが嚥下5期モデルなどにあたります。
この5期モデルをさらに7つくらいの"力"に分けて考えてみます。

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このような7つの力がどの程度あるのかを
「認知機能/口腔機能評価」
「構音/嚥下評価」
などで見ていきます。

【咳嗽力】

誤嚥してしまってもムセる力が残っていれば、誤嚥性肺炎になりにくいです。
嚥下能力が低く、疾患などによって全身状態(体温/血圧/脈/運動能力/嘔気/倦怠感etc)が悪化していても、咳嗽力が高い人は誤嚥性肺炎になりにくかったりします。

「呼吸機能」は【咳嗽力】を構成する要素の1つとなります。
そのため「呼吸機能」と関連のある、最長呼気持続時間や肺活量、普段のSpO2などをチェックしていきます。

「排痰能力」を図る研究に「ピークフローメータ」や「スパイロメータ」が取り扱われており【咳嗽力】の中の要素である「排痰能力」を測定する器具として生かせるのではないかと思います。

肺活量などは専用の機器が必要で在宅リハビリなどではなかなか図れないです。しかし、『排痰能力』を図る機器、「ピークフローメータ」や「スパイロメータ」などは比較的安価で持ち運びにも便利です。在宅部門で大きな活躍が見込めるのではないかと考えます。

【抵抗力】

咳嗽力はしっかりあって、嚥下能力もそこまで悪くない人でも誤嚥性肺炎になってしまうこともあります。

それはなぜか?
その答えの1つとして注目してほしいのが【抵抗力】です。

その人の嚥下能力に合った食事を提供していても、食欲がなく全然ご飯を食べず、水も飲まず、口も綺麗にせず、ずっと椅子に座っていたりベッドに横になっていたりすると、抵抗力/免疫力は低下してしまいます。

特に口腔衛生は重要です。
口腔ケアの論文はたくさんあり「誤嚥性肺炎を防ぐ」ことに対して「口腔ケア」を外すことはできません。

咳嗽力も落ちており、嚥下能力も高くなく、食事も必要最低限。それでも「口腔ケア」を欠かさず行うことで誤嚥性肺炎を何か月も起こさなかった患者様はいらっしゃいます。

そのため「口の中をきれいにする」ことはとても重要なのです。

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『栄養』

図の中央にある大きな要素。
それが『栄養』です。

これも重要な要素であり【嚥下能力】【咳嗽力】【抵抗力】3つすべてに影響を及ぼします。

早速『栄養』を見ていきましょう!

『栄養』

リハ栄養は今からでも必要な知識の1つです。
一言で伝えるなら「適正量を食べて、適正な運動を行う」ことです。

そのため「適正量を食べる」という点でSTは活躍します。
主に「適正な食形態」「適正な食事量」「適正な食環境」を調整したりします。

本人様の嚥下能力に合った「食形態」を選ぶこと、身長体重から適正なカロリーとタンパク質量を想定して、その人に合った「食事姿勢/自助具」の選定などがあります。

栄養は、3つの図にある「姿勢」「発声」「運動能力」「障害」「唾液」などの要素も複雑に絡み合っていきます。

一見、「発声はリハ栄養と関わりないのでは?」という疑問が出てくるかもしれません。
しかし「発声」が出来る出来ないで大きく違います。
「声を出すこともその人の運動の1部」と見なせれば、これも立派な「適正な運動」へとなり得ます。

「発声」という要素ではなく「カラオケ」と捉えると「談話室でカラオケ」をするために起き上がったり車いすに乗ったりすることで「座位姿勢へ導く」ことは可能です。こういったポイントも見逃せないですね。

本人様や家族様へ説明する時のポイント

上記の要因3つとそれらを構成している様々な要素をしっかり理解しておくことで、説明する時の説得力が増します。

例①:今の食形態に不満のある方

これはかなり多い場面ですね。
「もっと形のあるものが食べたい」
「噛み応えのあるものが食べたい」
そういったニーズは多いですね。

ポイントとして
①定めた食形態を食す期間を決めておく。
②抵抗力が低下していないか可能であれば毎日モニタリングする。
③訓練は「咳嗽力」「嚥下能力」を上げられそうなのを中心に行う。
です!

【抵抗力】【嚥下能力】【咳嗽力】と比べて上がりにくい傾向にあります。そのため【嚥下能力】【咳嗽力】のどちらか一方、可能であれば両方を訓練することが望ましいです。

具体的な説明として

「1週間ミキサー食を食べ続けてもらい、【抵抗力】の低下、例えば熱発や痰の増加などがなく、【嚥下能力】【咳嗽力】の維持向上が見込めるなら、次の形態へ上げる。」

患者様への説明として

「1週間頑張ってミキサー食を食べてもらい、熱発や痰の増加が無く、リハビリでカラオケ2曲歌い続けれたら、もう少し形のあるものを食べていきましょう。」

など提示できるのではないかと思います。

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例②:今の食事量に不満のある方

これは時々あります。
多いのが「円背(えんぱい)」の方です。

背中が丸まってしまうとお腹にある胃が圧迫されてしまい、1食にたくさん食べることが出来なくなってしまいます。

そのため「後で食べる」と言って残してしまったりします。
病院では長い間食べ残しを放置するわけにはいかないので回収するのですがそこで患者様ともめたり、悪いケースとなると「食べ物を隠す」といった悪循環に陥ります。

この問題を解決するために「間食を増やす」という手があります。

具体的な説明として

胃が圧迫されているため1日1500kcal、1食500kcalが食べきれないため、1日4食or5食として提供する。そうすることで1食375kcal または300kcalで済むわけです。

患者様への説明として

「おやつと夜食を食べませんか?」

など提示できるのではないかと思います。

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まとめ

誤嚥性肺炎を予防する3つの要因、そしてそれらを構成する要素はこれ以外にもたくさんあると思います。自身の知識をさらに広め、どの要因に当てはまるのか、どのような要素なのかをまとめていきたいと思います。

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次回は【栄養】の次に外せない要素である【疾患】についてまとめていきたいと思います。
これも超重要な要素なので頑張ってまとめていきたいと思います!

それでは!

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