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多様性が織りなす組織の進化

こんにちは、Theoria note編集部です。
Theoria technologiesは、創業当初の少人数体制から急速に成長を遂げ、多様なメンバーが集う企業へと進化しています。その過程で、組織としての方向性を明確にし、全員が共通認識を持つため2024年9月に1泊2日の「経営合宿」を実施しました。
この記事では、創業期を経て、ビジョンやバリューをどのように形成してきたのか、その軌跡を合宿の運営を担当した創業メンバーでもあるCMO 三宅バセットにインタビューし、振り返ります。


「経営合宿」を全社員で実施した目的

――なぜ会社設立1年のタイミングで、合宿が企画されたのでしょうか。

はい、Theoriaは2023年9月に3名で創業し、2024年4月に事業を開始しました。その後2024年の夏頃から急速に組織が成長し、毎月のように(多い月では4〜5名の)新しいメンバーが加わるようになりました。この急激な変化に対応するため、「経営合宿」という形で組織全体の結束力を高める場を設けることにしました。

――経営合宿の目的について、もう少し詳しく教えていただけますか?

合宿後の状態目標

合宿の目的のひとつは、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を再定義し、全員で共有することでした。特に重視したのは、ソーシャル・キャピタル(※)を高めることです。心理的安全性を確保し、健全な議論ができる環境を作ることが重要だと考えました。

また、戦略の話や個別のソリューションの話をする前に、そもそものTheoriaのミッションやビジョン、つまり「どこに向かっていくのか」「何を大事にするのか」を明確にする必要がありました。

※ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)とは、人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を高めることのできる、「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会組織の特徴を指す概念

――なぜミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を再定義する必要があったのでしょうか?

創業時に3名で決定したMVVでしたので、その後も見直しを検討していました。でもやはりミッションは変わらない。ただビジョンやバリューは実態に合わせてアップデートする必要があると考えていました。
創業時に作ったバリューは、会社を立ち上げていく上でのものでした。根幹は変わらずとも、事業会社としてのステージに合わせて、バリューの見直しも必要だと認識していました。
ビジョンについても、厳密にいうとビジョンという言葉は使っておらず、Theoriaに入社を検討してくれる方へのメッセージとしての意味が強いステートメントでした。
それらを改めて設定し、会社の取り組みのすべてに根付かせるためにはどうすればよいか?という視点から進めていきました。

――合宿のアジェンダは誰が中心となって企画したのですか?

坂田COOより運営メンバーの手あげ募集をしたところ、入社まもないメンバーからも応募があり、総勢9名で企画からワークショップの実施やフォローまでの運営をしました。
話し合いたいことがたくさんあったので、最初は2泊3日かけてとことんやろうと経営陣が企画していました。それに対して運営メンバーから「子どもがいる家庭は難しい」と意見が出され、その結果すぐ計画が見直されて「やっぱり2泊はやめましょう」となりました。
経営陣の提案に対してフリーに発言できるという、この感じがまさにソーシャル・キャピタルであり、多様性を尊重して運営するという、のちのバリューにもつながりました。

合宿プログラムと成果

――合宿では具体的にどんな活動が行われたのでしょうか?

まず最初に参加者全員でアイスブレイキングとして自己紹介を行いました。その後、小グループに分かれてワークショップ形式で議論を進めました。
各グループでは、自分たちの考える理想的な組織像や、今後取り組むべき課題について話し合いました。

また、それぞれの個性やバックグラウンドを理解するために、夕食後には東屋で語り合う「焚き火」のような自己開示の場も設けました(これが可能かどうかで合宿の場所も選びました)。
外資系企業ではよく「fireside chat(暖炉を囲んでする(ような)談話)」と呼ばれ、その目的は普段接点の少ないメンバー同士がリラックスして話せる環境を作ることです。
この時間では、部門や立場関係なく多くのメンバーが自分自身や仕事について深く語り合うことで、「この人ってこんな一面もあるんだ」という新たな発見がありました。加えて経営目線への理解・共感・納得感も深まりました。

東屋でのfireside chat

――合宿で得られた成果とは?

目的にしていたメンバー間の相互理解が深まったと感じています。
リモートワーク環境下では特に希薄になりがちな人間関係ですが、合宿の企画を通じて「人間性でつながる」文化が醸成されました。これにより、仕事上でのコミュニケーションも円滑になり、議論や意見交換が活発化しました。
また、ビジョンやバリューの形成プロセスでは、多くのメンバーが関与し、それぞれの視点や価値観を反映させることができたと思います。その結果、以下の新MVVが生まれました。
ステートメントから改めてビジョンを決定し、バリューは3つから5つになりました。

「戦略や価値観を明文化する」ことも大きな変化でした。それまでは図やイメージ中心で共有されていた内容も、多様なバックグラウンドを持つメンバー全員による協働作業で言葉によって明確化することで、解釈のズレが減少し、共通認識として深く浸透したと感じました。
また、「OKR(Objectives and Key Results)」や中期ミッションへの具体的アクションプランも議論され、それぞれの役割や目標が明確になりました。

――具体的にどのような変化がありましたか?

合宿後には、新しいビジョン・バリューが社内で広まり、たとえばバリューをSlackのスタンプにして使うことで、それぞれの日々の業務にも活用されるようになりました。
ビジョン・バリューは単なる理念ではなく、日々の業務や意思決定にも活用される実践的な指針となっていて、社内イベントや人事評価制度にも組み込まれています。

「Dive in  飛び込もう、大胆に。」のSlackスタンプ(デザインいろいろ)

未来への展望と新しい仲間へのメッセージ

――Theoriaのカルチャーは今後どのような方向に進んでいくのでしょうか?

Theoriaは現在も進化を続けており、新しい仲間との交流やアイデア出しなど、多様な視点を取り入れることを大切にしています。今後も経営合宿も年に一回は実施していきたいので、次回はテック部門主導で合宿を企画するなど、新しい試みも検討しています。

また、新しい仲間へのメッセージとして、「自分自身の意思や視点を発信することで、周囲との協力関係を築いてほしい」と伝えたいです。このような挑戦と成長の機会はTheoria ならではだと思います。

――最後に、新しく入社する方々へ期待することはありますか?

新しい仲間には、自分自身の意見や考え方を積極的に発信してほしいですね。周囲とのコミュニケーションを大切にし、自分だけでなく他者との協力関係も築いていくことで、より良い成果につながります。また、その過程で得られる達成感や楽しさは他では味わえないものです。

Theoria technologiesという場は、多様性と相互協力によって成り立っていますので、その一員として共に成長していけることを楽しみにしています。
受け身になる必要は全くありません。ぜひ自ら積極的に関わってください!



Theoria technologiesでは、私たちのMVVに共感いただける、様々な経験を持った方を積極採用しています。日本に限らず、世界的に大きな社会課題である認知症、一緒に様々な解決策を創り、社会的インパクトを創出していきましょう。