図書年譜をつくってみた―飯島衛の図書年譜
以前記事にした柳田国男と深い交流があった飯島衛に関して、追加で調べたことを簡単にまとめておきたい。
ウェブで調べたところ、飯島衛の著作目録があるということが分かったが、国会図書館が現在閉まっているため利用できない、出版されたのが飯島の生前であるという理由により、自分で著作目録を作成してみることにした。今回は図書に限り、図書年譜として下記に掲載したい。なお、下記の図書目録は、国会図書館のデータベースを検索して図書のみを抽出して、その結果に基づいて作成した。
弁証法の課題 古在由重 編 ナウカ社 1949
生命について 飯島衛 著 塙書房 1950
遺伝学・細胞学文献綜説 : 1940-1946 第2巻 メンデル会 編 北隆館 1950
日本の花 飯島衛 著 毎日新聞社 1952
人間 : この微小なる宇宙 バトラー 著 飯島衛 訳 みすず書房 1953
死について 飯島衛 著 近藤書店 1953
生命 : 生体論の考察 ベルタランフィ 著 飯島衛, 長野敬 共訳 みすず書房 1954
微生物とともに セルマン・ワクスマン 著 飯島衛 訳 新評論社 1955
現代ヒューマニズム講座 第2 (現代ヒューマニズムの諸問題) 日本ヒューマニスト協会 編 宝文館 1956
入門生物学 飯島衛 著 新評論社 1956
細胞学 桑田義備 編 培風館 1956
細胞分裂 藤井隆 編 岩波書店 1956
遺伝生化学 J.B.S.ホールデン 著 飯島衛 訳 白水社 1957
人間・精神・物質 エドマンド・W.シノット 著 飯島衛 訳 紀伊国屋書店 1958
神と悪 : ドストエフスキーの思想 飯島衛 著 三一書房 1958
今日の哲学 第4 三一書房 1960
社会生物学入門 上 (人間の生物学) アラン・デール 著 飯島衛, 日高敏隆, 小野坂紀子訳 白揚社 1961
社会生物学入門 下 (社会人の生物学) アラン・デール 著 飯島衛, 佐藤満彦 共訳 白揚社 1961
親と娘と息子たち : 現代親子論 飯島衛 著 三一書房 1963
近代文学の軌跡 : 戦後文学の批判と確認 続 近代文学同人 編 豊島書房 1968
生物学と哲学との間 飯島衛 著 みすず書房 1969
現代ヒューマニズム講座 (第2巻) (現代ヒューマニズムの諸問題) 宝文館出版 1969
人間の生命を考える 三菱化成生命科学研究所 編 平凡社 1972
科学と文学の間 飯島衛 著 第三文明社 1972
生命 : 有機体論の考察 フォン・ベルタランフィ 著 長野敬, 飯島衛 共訳 みすず書房
1974
私のヨーロッパ紀行 : ある生物学者の体験と観察 飯島衛 著 みすず書房 1975
魔法つかいのリイキーさん ホールデン 作 山室静 訳 福原幸男 絵 旺文社 1977(「J・B・S・ホールデンの仕事と人物」という文章が載っている)
進化論-東と西 今西錦司, 飯島衛 著 第三文明社 1978
多様性と個性 : 生物学基礎論への試み 飯島衛 著 みすず書房 1978
様々なる物象 : 人間・動物・植物随想 飯島衛 著 求龍堂 1979
草木鳥獣・人 飯島衛 著 みすず書房 1981
現代教育を考える : 全体と部分 飯島衛 著 第三文明社 1985
生命の文脈 : 続・生物学と哲学との間 飯島衛 著 みすず書房 1986
興味深かったのは、ドストエフスキーに関する著作をはじめとして何冊か文学関係と思われる著作が確認できたことだ。ウェブで飯島を検索すると、生物学者としか書かれていないことが多いが、冒頭で紹介した記事でも触れたように、飯島は雑誌『近代文学』と深い関係があった。その著作の中心が生物学関係なのは間違いないが、文学にも関わっていたことも見過ごせないと思う。
ちなみに、雑誌の記事や論文の著作年譜も作成中だが、完成するのはいつになることやら。。。