せお

好きな映画について、思ったこと・考えたことを書きます。映画はおもにアマプラか金曜ロードショーで見ています。

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最近の記事

「ルックバック」切り分けた果実の片方

以下、ネタバレを含みます。 小学生の女の子・藤野は学級新聞で漫画を描いていて、友だちや家族から誉められて自分の絵に自信を持っていた。しかしあるとき隣のクラスの不登校の女の子・京本の絵が同じ新聞に載り、その画力に驚愕する。勝手に対抗意識を持ったり挫折を味わったりしながら、京本の家に卒業証書を届けたことをきっかけに、2人は合作で漫画を描くようになり・・・。 絵を描く女子が2人もいて同人BLに目覚めないのすごくないですか? 絵や漫画の参考に既存の作品読まないの?? そしたら好き

    • 「シン・ゴジラ」YOUは何しに日本へ?

      以下、ネタバレを含みます。 海外では全然ウケなかったらしいですね。どういう触れ込みで宣伝したんでしょうか。モンスター映画? パニック映画? ジャンル分けがすごく難しいですが、わたしは災害コメディー映画だと思っています。非常事態が起きてみんな真面目にやっているのにときどき滑稽になってしまう。笑いと災害が同時に起こっている日常。 こんな「日本」って感じの映画、他にないと思います。非常事態が起きたときコピー機の搬入から始まり、とにかく会議、会議、会議。まだ被害に遭っていない市民

      • 「セッション」殺意カンタービレ

        無性に辛いもの食べたくなるときありますよね。 舌や胃を痛めつけたり汗をかいたり、たぶん一種の自傷行為なのですが、その刺激が癖になってまた食べてしまう。 「セッション」はそんな映画です。 胸糞なのに見ちゃう。胃が痛くなりながらも、見たくなっちゃう。 昔「スウィングガールズ」という邦画がありました。田舎の女子高生がビッグバンドをやる話で、キャッチコピーは「ジャズやるべ」。 「セッション」の場合は「ジャズ殺るべ」です。 以下、ネタバレを含みます。 主人公は、アメリカで

        • 「ジョーカー」笑う門には復讐鬼

          男は復讐することにした。 男にはユーモアやウィットがわからぬ。しかし悪意には人一倍敏感であった。 この映画はバットマンの前日譚とかエピソード0、スピンオフにあたると思うのですが、わたしはバットマンについては、やたら治安の悪い街にいるただの金持ち(特殊能力を持たない)ヒーローということくらいしか知らないです。そしてジョーカーはその因縁のライバル、なのか……? 「バットマン」と「ジョーカー」と聞いたら、バットマンの方が悪者で、ジョーカーの方が正義の味方っぽくないですか?

          「インセプション」見えないものを見ようとして

          え、もしかして続編から見てる? と思って、ありもしない前作を探した、そんな映画です。 以下、ネタバレを含みます。 夢を使って他人の心の中に入り込み、アイディアを盗む産業スパイのいる世界。主人公は長らくアイディアを盗む仕事をしていたのですが、あるとき怪しい東洋人の男からこれまでとはひと味ちがった仕事を依頼されます。それは、ターゲットの人物の潜在意識にある考えを植え付けてほしいというもの。主人公は仲間を集め、ターゲットに夢を見せる作戦を始めるのですが・・・。 という話の大筋

          「インセプション」見えないものを見ようとして

          「ペンギン・ハイウェイ」もしかしてだけど

          わたしは森見登美彦の作品が大好きで、聖地巡礼に一人で京都に行くほどなので、もうこの映画をフラットな目で見ることはできません。たとえば森見登美彦の作品を知らない人が前知識なしで映画を見たときに面白いのかどうか、わたしには分かりません。また、わたしは宇多田ヒカルが一番好きな歌手なので、映画の公開当時、大好きな森見登美彦の作品が映像化され、その主題歌が宇多田ヒカルと聞いたときから世界はどこか浮ついていて、とうとう映画館へ「ペンギン・ハイウェイ」を観に行ったとき、もう何年も前のことで

          「ペンギン・ハイウェイ」もしかしてだけど

          「ドライブ・マイ・カー」人生辛いときは粉チをヤーして辛さをマイルドにしよ!

          調味料とおかずの境界を曖昧にして白飯をさらっていくのが、桃屋の「辛そうで辛くない、ちょっと辛いラー油」。「普通に生きていたら接点がありそうでない、ちょっとあるかもしれない小道具」によって現実とフィクションの境界を曖昧にし、読む人を物語世界へさらっていくのが、村上春樹。 ピンボールとか。筑波大学の変な名前の学部とか。肖像画家とか。 「ドライブ・マイ・カー」に出てくる「スクリーンを使って多言語で演じる演劇の演出家」も絶妙にいそうでいない、ちょっといそうな職業です。 わたしは

          「ドライブ・マイ・カー」人生辛いときは粉チをヤーして辛さをマイルドにしよ!

          「ウルフ・オブ・ウォールストリート」悪ノリ・オブ・昭和モラルハザード???

          ディカプリオ、好きですか? 貧しい絵描きの美青年としてタイタニック号の船首で令嬢を後ろから支えていたディカプリオは、すっかり精神を病んだダーティな役ばかりやるようになってしまいました。それでもときどき画面のこちら側を見るようににっこり笑うとき、間違いなくあの顔面の強さ、イケメンぶりが今も健在なのだとわかります。 「ウルフ・オブ・ウォールストリート」は、ディカプリオ演じる主人公が証券会社で大儲けして成り上がったその半生を回想し、時にはこちらに語りかけ、微笑んでくれる映画です

          「ウルフ・オブ・ウォールストリート」悪ノリ・オブ・昭和モラルハザード???

          「ボーはおそれている」・・・一体何を?

          突然ですが、とにかく明るい安村という芸人を知っていますか? パンツを履いていないように見えて実は履いている、というハートフルなネタで、日本はおろかイギリスの番組でも一ウケした芸人です。 イギリスでネタを披露するにあたって、お決まりのフレーズ「安心してください、履いていますよ」は翻訳されて「Don't worry, I'm wearing!」となりましたが、これが実は英語としては収まりが悪く、観客が思わず「pants!!」とレスポンスしてしまうんだそう。それが会場の一体感を

          「ボーはおそれている」・・・一体何を?

          はじめてのnote

          映画が好きです。 といってもそんなにたくさん本数を見ているわけでもなく、新作の映画を映画館まで見に行くこともほとんどありません。 気になる映画をアマプラか金曜ロードショーで見て、好きな作品は時間をおいてまた見返したりすることが多いです。 他の人の感想や考察を読むことも好きです。 映画を見る前に評判を確認する、というよりも、見た後に「他の人はどう思ったんだろう?」とレビューを検索するのがおもです。それで「なるほどなぁ」と思ったりします。 ふと、わたしも書いてみようかな

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